「必要悪」の意味とは?使い方の注意点や実例も解説【例文つき】

「必要悪」という言葉を知っていますか?言葉をそのまま訳すと「必要な悪」となりますが、正しい言葉の意味を理解すると、周囲にもいくつかの「必要悪」が転がっていることに気づきます。

今回は「必要悪」の意味と使い方、「必要悪」の具体的な例、英語表現を紹介しています。世の中に必要な「悪」について解説していきましょう。

「必要悪」とは?

「必要悪」の意味は”ない方が良いが止むえず必要とされるもの”

「必要悪」の意味は、“ない方が良いがやむを得ず必要とされるもの”です。つまり、社会生活や組織を営む上で、良くないこととは知りながら、人々が必要とする物事のことです。

道徳的・法律的には悪いことに分類され、社会に与えるマイナス効果が多大であるがもののを指しますが、逆に「ないこと」でも大きなマイナス効果を生むため、その際に肯定される「悪」のことを「必要悪」と呼んでいます。

「必要悪」は良くないものごとでも排除できない?

「必要悪」は、よくないことでありながら、さまざまな必要性に絡んで「排除できない」ものです。もし排除すれば、世の中がひっくり返ってしまうかもしれません。

「必要悪」と称されるものごとは、時には人々に悪影響を及ぼすものもあれば、人命に関わることもあります。それでも、世の中からなくすことだできないものごとが「必要悪」なのです。

「必要悪」の使い方と例文とは?

「必要悪」を使った例文

「必要悪」を使った例文をご紹介しましょう。

  • 世の中にある程度の必要悪は必要だ。
  • 社会秩序を維持するためは、逆に必要悪の重要性にも注目した方が良いのかもしれない。。
  • 必要悪となる存在がチームにいるから、周囲が団結するとも言える。

職場で「必要悪」を使う時は慎重に

「必要悪」が「良くないことでありながら、必要であるものごと」という意味であることから、職場でも、やや偏見的な使い方で用いることがあります。

たとえば、職場に「怒りっぽい人」「陰口が好きな人」「文句ばかり言う人」「残業を必ず断る人」などはいませんか?一見すると、企業にはマイナス要素のようなイメージがあるため、このような人たちを「必要悪」と称したりすることがあるようです。

しかし、このような表現は相手を不快にさせてしまい、揉め事の種になってしまう可能性があります。もちろん、相手に直接的に放つものでもありません。

職場で「必要悪」という表現を使う時は「ちょっとクセがあるけど、必要な存在」という程度の意味に留めておいた方が無難です。また、使う相手や状況には十分気を付けましょう。

一般社会にある「必要悪」10の具体例とは?

具体的に「絶対悪」にはどのようなものが挙げられるのでしょうか?一般社会で見られる「絶対悪」について、代表的な具体例を挙げてみます。

タバコ

依存症や健康被害の危険があり、周囲を不快にすることがあります。しかし、法律で国の税収を支えています。

アルコール飲料

飲み過ぎると酩酊状態になり、問題行動を起こすことがあります。しかし、リラックス効果があるたえ、ストレス発散や社交場では欠かせないものとなっています。

医薬品

風邪薬や鎮痛剤などの医薬品はある種の毒性を含むため、人体に悪影響を与えることがあります。しかし、正しく服用すれば、苦しい病気をいち早く治すことができます。

食料添加物

食品添加物には発がん性物質が含まれているため、身体に悪影響を及ぼすと言われています。しかし、食品を長期保存したり、綺麗な色付けやより良い味付けなどを目的に使用しています。

自動車

自動車はガソリンを使用するため、大気汚染やダイオキシン問題が深刻になっています。しかし、自動車は一般的な移動手段において欠かせない便利な乗り物でもあります。

戦争

戦争は大切な人々の命を奪ってしまう他、住み慣れた町や国を破壊してしまうものです。しかし、世界秩序を維持する目的や、自国を防衛するために戦争に加わらなければならない場合もあります。

ヤクザ

ヤクザは一般的に反社会勢力と呼ばれる集団です。しかし、警察には手の届かない事柄の解決に向けて動いたり、海外の悪党団から自国を守る働きを担うこともあります。

ギャンブル

ギャンブルは常習性が高いため、ライフスタイルを正常に遅ることが困難になったり、借金を抱え込んでしまう可能性があるものです。しかし、節度とルールを守れば安全な娯楽の一つとして楽しく時間が過ごすことができます。

リゾート開発

リゾート開発は森林や海などの自然を破壊し、地形変化の原因となるものです。しかし、リゾート開発は経済発展や多大な経済効果を得るために、日本をはじめ多くの国が試みる施策となっています。

仕事?

仕事は「必要悪」の例として挙げてよいか、人によって賛否両論かもしれません。仕事は賃金をもらうために必要なものです。キャリアを形成したり、スキルを上げたりと、人の成長過程にとって重要な役割を果たす場所でもあるでしょう。

しかし、日本の働き方は欧米に比べてストレスが高く、精神的な負担が多いことが問題となっています。会社がつぶれる前に、自分がつぶれてしまうことも多いです。それでも、仕事をしないと食べることも家族を養うこともできません。働いてお金をもらわなければ生活して行けなくなってしまいます。

「必要悪」を表す英語フレーズとは?

「必要悪」を表す英語フレーズについてみてみます。

「必要悪」は英語で”a necessary evil”

「必要悪」は英語で“a necessary evil”です。直訳しても「必要な悪」であり、言葉そのものとなります。英語圏でも日本の「必要悪」と同じようなニュアンスで使われます。

「必要悪」を使った英語例文

「必要悪」を使った英語例文をご紹介しましょう。

  • Do you think the cars are purely a necessary evil?
    自動車は真の必要悪だと思うかい?
  • There are so many people agree with the gambling is a necessary evil.
    ギャンブルを必要悪だと納得する人は多い。

まとめ

「必要悪」とは「ない方が良いが、必要となるもの」「良くない物事でありながら、必要とされるもの」という意味を用います。具体的には医薬品や戦争、自動車やギャンブルなどがあり、実際的には一般市民の生に欠かせないものとなっています。

「必要悪」に対しては人それぞれの意見があり、タイトルによっては必要悪ではなく「本当の悪」などと感じるものもあるでしょう。しかし、「必要悪」は社会的な秩序を維持するために、また人々が効率的に生活していくための、ある意味「必需品」なのかもしれません。今回は「必要悪」をご紹介しました。