「凛とした」の意味や由来とは?使い方の例と類語・対義語も解説

「凛とした」は人やものごとが「りりしいこと」を表現する時に使われます。しかし、無意識のうちに放つ言葉でありながら、正しい意味や使い方についてはあまり自信がない、ということはありませんか?

今回は「凛とした」に着目し、意味や使い方を中心に類語・対義語、また英語表現についてまとめています。早速、日常心掛けたい姿勢でもある「凛とした」を解説していきましょう。

「凛とした」の意味とは?

「凛とした」の意味①”りりしく引き締まっていること”

「凛とした」の意味は、“りりしく引き締まっていること・力強いこと”です。シャキッと聡明な姿を指し、程よい緊張感が漂っているようなイメージです。

「凛とした」の意味②”寒さが厳しい”

「凛とした」の「凛」には“寒さが厳しい”という意味があります。そのため、「凛とした」という表現では「寒さが厳しい」「冷たくこたえる」という状況を表すこともできます。たしかに、冬の寒々しい空気を想像すれば、表情や姿勢も凛としてくるものです。

「凛とした」の由来・語源とは?

「凛とした」は「凛たり+した」の変化形

「凛とした」は「凛たり」と「した(するの過去形)」という2つの言葉が組み合わさって完成した言葉です。「凛たり」とは、上記でお話したように「りりしく引き締まっていること」で、後続して「した」を付けることによって、そういった様子や状況を強調する言い回しとなっています。

「凛」と「凜」の違いは意味の上でほとんどなし

「凛とした」を漢字で表現する時に、別の漢字「凜とした」で表記する場合があります。二つの漢字を比較すると、漢字の右下の部分が「示」か「禾」のみの違いとなりますが、読み方も「りん」で、意味合いもほぼ同じとなります。

若干のニュアンスの違いがあるとするなら、「凛」は「一か所にキュッと引き締まった」、一方「凜」は「氷のように冷たく寒さで引き締まった」という点でしょう。文脈で微妙なニュアンスを表現したい時は、これらの違いに注意してみて下さい。

「凛とした」の使い方とは?

「凛とした」を実用的に使えるように、使い方のポイントとよく使う「凛とした〇〇」という表現を挙げていきます。

「凛とした」は人や女性・佇まいなどに多く使う

「凜とした」は主に人や人の態度、姿勢、表情、また建物などに多く使われています。とくに、最近ではキリッとした態度の女性に対しても、褒め言葉の要素をもって使われるようになりました。「凛とした」はポジティブな生き方を持つ美しく輝く姿を指す表現として、好んで使われています。

「凛とした人」とは”冷静でありながら自信のある人”

「凛とした人」とは、表情や態度が冷静で、周りに媚びず、自分に自信がある人のことを指します。見るからに清々しく、落ち着きがありながら、どことなく鋭い面を持っているような印象を与えるのが特徴的です。

「凛とした女性」とは抜け目のない女性のこと

「凛とした女性」は女性ならではの可愛らしさや可憐さが表立って出ているのではなく、どちらかと言えば、スッキリと勇ましく、抜け目のないような表情や態度を見せる女性のことを指します。

もちろん「凛とした女性」というのは、容姿だけではなく、キレのある話方や、振る舞い方などからもにじみ出てくるものです。キャリア派の女性や子育てで忙しい母親の方々にも、「凛とした女性」はたくさんいらっしゃいます。

「凛とした佇まい」「凛とした風景」は存在感を指す

「凛とした佇まい」や「凛とした風景」も、頻繁に使われる表現です。「凛とした佇まい」や「凛とした風景」とは、静かで派手さがない、シンプルでありながら存在感のあるのが特徴です。ちなみに「佇まい」とはビルや建物などの建築物のみならず、ものごとの姿、ありさま、雰囲気などのことを指します。

「凛とした」の類語と対義語とは?

「凛とした」の類語と対義語についてみていきます。

「凛とした」の類語は”潔い”や”凛然たる”など

「凛とした」の類語には「潔い」「凛然たる」「きりりと」「シャキッとした」「精悍な 」などが挙げられます。言い換えをするときは、内容や文脈によって適切な一語を選ぶようにして下さい。

たとえば、「凛とした女性」なら、風格もあって、気位が高く、エレガントな要素も兼ね備えているでしょう。この場合には「風格がある」「気位がある」「上品な」などが適切な類語であると解釈できます。

「凛とした」の対義語は”締まりがない”や”おどどした”など

「凛とした」を反対の意味を持つ対義語には、「締まりがない」「おどおどした」「たるんでいる」「緩慢な」「底抜けな」などがあります。「凛とした」の軸の意味である「引き締まった」と逆のニュアンスを示す言葉で、だらけた様子や緊張感がないことを言葉になります。

「凛とした」の英語フレーズとは?

「凛とした」の英語フレーズについて解説します。

英語で「凛とした」は”dignified”

英語で「凛とした」は“dignified”です。どのような状況に直面してもあわてず、クールで冷静、自信をもって事態に対処するような姿勢、または態度を表しています。とくに落ち着いた様子を指すなら「calm」、気高さを強調するなら「graceful」が適切です。

また、口語的にカジュアルに使うなら、カタカナ語でもよく知られる「cool」を使うのも良いでしょう。

「凛とした」を使った英語例文

「凛とした」を使った英語例文をご紹介しましょう。

  • Her attitude is so dignified.
    彼女の態度はとても凛としている。
  • I love this garden so much because of its strong ambiance.
    私は凛とした佇まいを持つこの庭が好きだ。

まとめ

「凛とした」は「りりしく引き締まっていること」や「力強いこと」を意味し、「凛とした女性」「凛とした風景」などのように、名詞の前について形容詞的な役割をするのが特徴です。

「凛とした人」は背筋がピンと伸びて、相手に媚びない、自信のある態度と表情を持つ人が多いと言えます。最も、内面的な力強さを兼ね備えていますが、決して腕自慢や力持ちと言った意味合いではありませんので、使い方には気を付けましょう。

社会人ともなれば「凛とした態度」も必要です。身も心もビシっと引き締めて、りりしく仕事をこなしていきたいですね。