「弥縫策」の意味や語源は?類語や反対語とあわせて英語もマスター

一時的に事が足りるように、間に合わせの意図で講じる策を「弥縫策(びほうさく)」と言います。ニュースやビジネス文書を中心に見聞きする言葉ですが、意味の解釈を誤ってしまうと、相手の意図を明確に理解することができなくなることがあるかもしれません。

そこで今回は「弥縫策」について、意味や語源、正しい使い方、類語と反対語、そして英語表現を交えて解説していきたいと思います。



「弥縫策」の意味と語源は?

まず、言葉の理解を深めるために「弥縫策」の意味と語源から紹介します。

「弥縫策」の意味は「一時的な間に合わせの策」

「弥縫策」とは「一時的な間に合わせの策」または「一時逃れのためだけに取り繕う策」のことを指します。長期的な視点や将来の利益などを念頭にじっくり練り上げた策ではなく、その場しのぎで取り繕って作る策のことを表します。

具体的には、計画通り進まない事例や、トラブルやアクシデントなどが発生した時に、当座しのぎに状況を処理することを言います。

「弥縫策」の語源・由来はそれぞれの漢字の意味から

「弥縫策」は、漢字一つ一つが持つそれぞれの意味が、相乗的に意味を成し出来上がった言葉です。

「弥縫策」の言葉を分解してそれぞれの漢字の意味を見てみると、「弥」は「あまねく」、「縫」は「縫い合わせる」、「策」は「はかりごと」です。これらの漢字が組み合わさり、「その場限りのはかりごと」という意味で使われるようになったのが語源であり、由来となります。

「弥縫策」の使い方と例文

「弥縫策」は日常生活であまり使われない言葉ですが、社会人になると職場や取引先とのやりとりなどで耳にすることが増えてきます。この機会に使い方や使うに適切な状況を把握しておきましょう。

「弥縫策」はあまり良い意味の言葉ではない

「弥縫策」を無くして難局を乗り越えることはできませんが、それでも問題やトラブルを根本的に解決することには至らないのが「弥縫策」の特徴でしょう。

「弥縫策」は「お座なりの」というニュアンスをもち合わせるため、どちらかと言えば、のちに必要がなくなる当座の策というイメージが強いです。そのため、「弥縫策」という言葉自体はあまり良い言葉とは言えません。

たとえば、抜本的な解決が必要な状況で「弥縫策を講じよう」と発言してしまうと、「この人は真剣に考えているのだろうか?」と周囲に疑われてしまうことがあります。あくまで「弥縫策」は「単なる間に合わせの策」であることを留意しておきましょう。

「弥縫策」を使うのは「一時的に対処する必要性が高い時」

「弥縫策」を使ううシーンは「とりあえず、今、何かをしないと状況が悪化してしまう」という切羽詰まった状況です。このまま放っておけば後に大問題になる、死活的なことになり得るという際に使うことがほとんどとなります。「弥縫策」は即座の対処が求められた時だけに使うようにしましょう。

「弥縫策」を使った例文

  • 大量の誤出荷により、中継地点にて即回収という弥縫策が講じられた。
  • 弥縫策とは言えども、事態の悪化を防ぐためには必要なことである。
  • 突然のスポンサー降板で、とりあえず商品の販売を一時延期するという弥縫策を取った。

「弥縫策」の類語や反対語は?

「弥縫策」を使うにはちょっと硬すぎるという時は、理解しやすい別の言葉に言い換えることも必要です。「弥縫策」の類語と併せて反対語について見ていきます。

「弥縫策」の類語は「応急処置」や「簡易策」など

「弥縫策」の類語は、一時的に間に合う策という観点から「応急処置」や「簡易策」、「臨時措置」や「暫定案」などが挙げられます。また、よりわかりやすく表現するなら「とりあえずの策」や「仮置きの策」なども状況によって使えるでしょう。

ビジネス用語としても押さえておきたい「暫定案」とは、決定を見合わせ、仮として一時的に取り決めが行われた案のことです。下記で言い換えの例を挙げてみます。

<言い換えの例>

  • 今回は弥縫策を講じる事態となった
  • 今回は一時措置を施す事態となった。
  • 今回は暫定案を講じる事態となった。
  • 今回はとりあえずの策を講じる事態となった。

「弥縫策」の反対語は「抜本的な策」や「根治」など

一方、「弥縫策」の反対の意味を持つ言葉には、その場しのぎの策と逆の意味を持つ「抜本的な策」や「根治(こんち)」などがあります。「抜本的な策」とは、問題や失敗となった原因を掘り下げ、根本的な解決を促すことを指します。また「根治」は根元から完全に直すことを指し、多くの場合「病」に対して使われる表現となります。

「弥縫策」は英語で何という?

日本独特の表現である「弥縫策」ですが、英語でもほぼ同じ意味で定型のフレーズが存在します。

「弥縫策」は英語で「temporizing measure」

「弥縫策」は英語で「temporizing measures」です。失敗やものごとの難解な局面にぶつかった時に、その場限りでしのげる一時的な策を指します。英語圏でも「弥縫策」は、単なる間に合いの策でありながら、穴の開いた計画に対処する時や、ものごとのプロセスでトラブルが起きた時などに必要不可欠な手法として、広く知られています。

国際的な環境で仕事をしている人は、ビジネス文書や会議の場でこの表現を比較的よく使うので、ぜひ覚えておきましょう。

「弥縫策」を使った英語例文

  • Another freight has been dispatched as a temporizing measure this time.
    今回は臨時便を出す弥縫策が講じられた。
  • Let’s adopt a temporizing measure right now, shall we?
    早速、弥縫策を取ろう。

まとめ

「弥縫策」は「一時的に講じる間に合わせの策」や「当座しのぎの策」という意味を持ち、社会的なニュースやビジネス文書でよく使われる言葉です。想定外のトラブルやミスなどに対し、その場で対処する簡易的な策を表すため、あくまで暫定的であり「仮の」というニュアンスが強い表現とも言えるでしょう。

また、「弥縫策」は「びほうさく」と読むのが正しい読み方となります。誤って「やほうさく」と読まないように気を付けましょう。

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某私立大経営学部卒、大手旅行会社、商社を経て、豪州へ移住。米国PCメーカーのカスタマー部に勤務後、カンガルーやエミューのいるNSW州の片田舎で生活を開始。田舎暮らしをきっかけにフリーランス(ライター・翻訳)に転身し現在に至る。趣味はゴルフ、料理、ローカルとのゴシップ、キャンプ。