一同の正しい使い方とは?意味と注意点を例文で解説!

「一同」は「職員一同」や「関係者一同」などのように、ビジネスシーンやや冠婚葬祭などでよく使われる言葉の一つですが、使い方に不安があったり、他の似たような言葉と混同してしまうことはありませんか?今回は「一同」という言葉の正しいの意味と使い方、使うときに注意すべき点を中心に解説していきます。



一同の意味

まずはじめに「一同」がどのような意味であるのかを解説しましょう。

一同は「みんなのこと」

一同は「その場所にいる全部の人」「仲間全体」を意味する言葉です。「社員一同」「スタッフ一同」などを例に、平たく言えば「全員」という意味合いで使われています。「一同、礼!」は、まさにその場所にいる全員に呼びかける際の典型的な使用例です。

一同は「心が1つであること」

一同のもう一つの意味は「みんなが心を1つにして物事を行うこと」です。「みんな」「全員」という根本的な部分は共通していますが、「気持ちが一つになる」という点では、「一致団結して物事を進めて行く」「行動を共にする」という意味もあります。

状況によってかわる英語での表現

英語で一同はみんな、全員という意味なので、「together」「all of us」を使うのが一般的です。英語の定型文で「~を代表して」という意味を持つ「on behalf of~」があります。手紙やメールでよく使われるので覚えておきましょう。たとえば「on behalf of sales team(セールスチーム一同、セールスチームを代表して)」というように使います。

一同の正しい使い方

それでは「一同」の文法上での正しい使い方について触れながら、実際どのように使うのか、わかりやすい例をいくつか挙げてみましょう。

名詞の後ろにつける使い方

一同は「関係者一同」「参加者一同」などのように、名詞の下に接続的なかたちで付く場合が最も一般的です。一同がどのようなグループなのか、どのような状況の人たちなのか、「一同」の前につく名詞が説明しています。

単体での使い方

一同は単体としても独立した言葉で、単体で使われることもあります。「国会でとんでもない法案が可決され、一同が困惑した」「一同が一斉に起立して、拍手で迎えた」など、単体でもしっかり意味の通じる文章になっています。もちろん、従来の意味は「みんな」「全員」なので、ある場所にいる、またはある状況にいる暫定的な(対象を限定しない)全ての人という意味になります。

「一同」と「一堂」の相違点

「イチドウ」を使うときに「一同」なのか、「一堂」なのか、迷ったことはありませんか?この2つの「イチドウ」について、類似している点と異なる点をそれぞれ挙げてみましょう。

両者とも「ひとつ」である

「一同」と「一堂」の似ている点は、どちらも「ひとつ」ということ。一同は全員という意味の他に、みんなが「ひとつ」になるという意味があります。それに対して、一堂には「ひとつの場所」「一か所」という意味があります。

ポイントは「人」か「場所」か

前述したとおり、一同は「人」に対して使われますが、一堂は「場所」に対して使われるのが大きな違いです。

例えば、「葬式で親戚が集まり、一同が悲しみを分かち合った」なら、「葬式という場所に集まった親戚のみんなが悲しみに暮れた」という意味合いです。一方、「関係会社のトップが一堂に会した」の意味するところは、「関係会社のトップが1つの場所に集まった」ということになります。

状況別に見る「一同」の使い方と注意すべき点

最後に、「一同」の正しい使い方をシーン別にご紹介します。状況によって使い方が異なり、意味合いもことなってくるため注意が必要です。

ビジネスにおける一同の使い方

ビジネスメールやビジネス文書で「社員一同」という言葉を使うことも多いでしょう。一同という言葉はとても便利な言葉で、何十名もの名前をつらつらと書かなくても済むので、ついつい多用しがちです。

ビジネスシーンで「社員一同」を使うときは、ほとんどの場合「社長を含むすべての社員を指しますが、社員の結婚式やお葬式の場面では、ご祝儀やお香典が必要になり、ここで社長や役員と社員との間に包む金額の差が出てきます。ここで注意が必要です。

実際の記入例

ご祝儀やお香典では社長や役員は会社名と代表取締役の名前を記載します。

例)〇〇株式会社 代表取締役XXXX

社員はまとめて一袋とし、会社名と社員一同の文字を入れます。

例)〇〇株式会社 社員一同

ただし、同じグループや部署、事業所内でまとめる時は、会社名とブループ名を記載し、その中でも賛同した人だけでまとめる時は「有志一同」として下さい。

例)〇〇株式会社 XX部一同  

例)〇〇株式会社 XX事業所 有志一同

店舗で使われる「一同」の使い方

カフェや美容院などの店舗では「スタッフ一同」という言葉をよく目にします。新店舗オープンや店内リフォームがあった時、または新しいサービスや商品を紹介する時に、「ここで働く従業員全員がお客様の来店を心待ちにしている」という意味で「スタッフ一同」という言葉を使います。

小さな店舗での「一同」は経営者も含む

一般的なお店の場合には規模が比較的小さいこともあり、「スタッフ一同」は経営者を含め、店長やマネージャーをはじめ、全ての従業員、アルバイト、パート、研修スタッフが含まれています。店舗の場合は顧客との距離を縮めたい、フレンドリーで温かい雰囲気を大切にしたいという願いもあることから、店舗内での立ち位置に隔たりのない「スタッフ一同」という言葉を使っているのでしょう。

まとめ

何気なく使っている「一同」という言葉には、「その場所にいる全員の人」「仲間のみんな」「気持ちが1つにして取り組む」という意味があります。

パソコンでビジネス文書を打つ時は「イチドウ」の変換にも気を付けて、人を示す「一同」なのか、場所を示す「一堂」なのか、もう一度考えてみるようにして下さい。

冠婚葬祭ではご祝儀やお香典の包む際の「一同」の使い方にも気を付けて、社会人として恥ずかしい思いをしないように心がけたいですね。

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某私立大経営学部卒、大手旅行会社、商社を経て、豪州へ移住。米国PCメーカーのカスタマー部に勤務後、カンガルーやエミューのいるNSW州の片田舎で生活を開始。田舎暮らしをきっかけにフリーランス(ライター・翻訳)に転身し現在に至る。趣味はゴルフ、料理、ローカルとのゴシップ、キャンプ。