「参考にさせていただきます」の意味と正しい使い方!類語も紹介

一見すると、丁寧さに過不足なく、使い勝手が良いように思える「参考にさせていただきます」という言葉。しかし、状況によっては相手に失礼にあたる可能性があると、ご存知でしたでしょうか。今回は「参考にさせていただきます」の意味と、ビジネス上で失礼にあたらない使い方、類語などを紹介します。

「参考にさせていただきます」の意味と使い方の注意点

意味は「他人の考えや行動などを自分の足しにすること」

「参考にさせていただきます」とは、他人のした言動や関係の深い物事などを取り上げて、自分の足しにすることを意味します。「参考」に「させていただきます」がくっついた言葉です。

目上の人には使わない方がよい

「参考にします」よりは敬意の入っている言葉になります。しかし、もともとの「参考」が持つ意味から考えると、目上の方に使うのは失礼にあたる場合があります。「させていただく」も、相手に有無を言わせずに一方的に行動と意向を宣言するのに使われる言葉ですので、少々挑戦的な側面を含んでいます。

させていただきますの多用に注意

「させていただく」と聞くと、丁寧な雰囲気がありますので、何にでもくっつけてしまう人がいます。しかし、一方的な意思表明と取られかねませんから使いすぎは禁物です。相手に配慮する必要がある言葉に「させていただきます」をつけてしまうのは間違いです。

ビジネスメールでは使いやすいことも

意外と使い方に気を付けなくてはいけない「参考にさせていただきます」及び「させていただきます」ですが、発言時の相手との関係性、相手に求めることなどを考慮すると、問題なく使っていただけます。相手の顔が見えないビジネスメールでも、使っても失礼のない場合が多いので、例文で解説します。

「参考にさせていただきます」を例文で

状況的に大丈夫な「参考にさせていただきます」の例文を紹介します。

感謝の気持ちを伝えたい時

感謝の気持ちがあって使う場合には、一方的であっても失礼にはあたりません。

「先日の研修会では学ぶべき点が多く、素晴らしい時間を過ごさせていただきました。これからの業務遂行の参考にさせていただきます。今後とも、よろしくお願いいたします。」

依頼の意向を伝えたい時

何かを依頼する際の理由として、参考にしたい旨を取り入れると、相手からのイエスを引き出しやすくなります。

「職場環境向上のため、現状の問題点を洗い出したいと考えています。皆様の希望がありましたら参考にさせていただきたいので、アンケートにご協力くださいましたら幸いでございます。」

お断りの判断を伝えたい時

お断りの際にも「参考にさせていただきます」は使えます。どうしても参加できないミーティングや案件に対しての連絡メールなどで、使ってみてください。

「これまでお送りいただいた資料は、毎度参考にさせていただいておりました。ただ、この度、他の案件で進行することと決まりましたので、今後の資料送付は停止いただきたく思います。」

「参考にさせていただきます」の敬語表現

「参考にさせていただきます」とは「参考にします」の謙譲語

「参考にさせていただきます」とは、「参考にします」の謙譲語(こちら側がへりくだって、相手側を高める表現)です。ですから「参考にさせていただきます」を敬語表現におきかえて使う場合の言い回し方もあります。

  • 参考にいたします。
  • 参考にさせていただきますことを、お許しください。

2つ目は、相当にへりくだった表現ですので、使用はそこまでされないと思うのですが、一つの使い方として覚えておいてくださいね。

「参考にさせていただきます」の類語表現

「参考にさせていただきます」の類義語表現を紹介します。連続使用になりそうな時、ほかの言葉も織り交ぜながら使うと、自然な文章になります。

類似表現①「お手本とさせていただきます」

「手本」とは、物事のスタートにならう先例や、人・モノのことを指します。意味は「参考」と似ていますが、接頭辞「お」をつけて、より丁寧な表現に変えて使われることが多いです。

類似表現②「活用させていただきます」

「活用」とは、物事の価値をいかしながら、うまく利用することを意味します。若干「参考」のように、相手の提供してくれたものを踏み台にするニュアンスになってしまう恐れがありますが、お礼の言葉と組み合わせるなどすれば大丈夫です。

類似表現③「参照させていただきます」

「参照」とは、物事を照らし合わせながら参考にする、という意味のある言葉です。「参考」も、意味の中に含まれていますから、使い方はほとんど同じで構いません。

類似表現④「勉強させていただきます」

「勉強」は、言わずと知れた言葉ですね。対象物を前に、努力するという意思表示になります。今はできないことであっても頑張ってできるようになりたい、という表現になりますから、好印象も与えつつ、使い勝手もいい言葉です。

「参考にさせていただきます」の英語表現

英語表現は「reference(名詞)」、「refer(動詞)」

「参考」を英語にすると、reference(名詞)になります。動詞だと、referで「参考にする」となりますので、こちらを文章中に入れることで、「参考にさせていただきます」の英語表現が完成します。

  • I am going to use that as reference from now on.

そちらを、今後の参考にさせていただきます。

  • I will refer to my research.

研究の参考にさせていただきます。

まとめ

意外にも使う時と場合を選ぶ「参考にさせていただきます」について紹介してきました。ただ、一方的に伝えても問題のないお礼の言葉や、相手にとってメリットのある依頼と一緒に使う際には大丈夫ですから、文章の一部に組み込んでみてくださいね。