「日和る」の意味とは?言葉の語源や類語表現も徹底解説

「日和る(ひよる)」は若い世代が「ビビる」というニュアンスで使っている言葉の一つです。しかし、本来の意味は異なるものであることをご存知でしょうか?

今回は「日和る」について、元の意味と語源と使い方、また現在若い世代が使っている意味と語源と使い方をそれぞれ紹介し、併せてそれぞれの類語と英語フレーズを紹介しています。昭和の学生運動で使われた「日和見」と関係にも注目してみて下さい。

「日和る」の元の意味について

はじめに「日和る」の意味から解説していきます。語源、使い方の例と併せてみていきましょう。

「日和る」の元の意味は「成り行きを見て有利な方につくこと」

「日和る」の元の意味は「ものごとの成り行きを見て有利な方・強い方につくこと」です。自分から積極的に進んでものごとに関わろうとせず、得となる方につき傍観することを意味します。

また、「強い方の味方になって、何も関わらないようにすること」「自分の意思とは関係なく、ただ有利な方につくこと」という意味もあるため、「物事への関心を捨て、とりあえず良い方へと妥協をする」というニュアンスがあるのが特徴です。

「日和る」の元の意味の語源は「日和見」から

「日和る」はもともと船頭が天候状態を確認しながら、出航するか、欠航するかを決めることを指す言葉「日和見」が語源となる言葉です。そして、この「日和見」という名詞が動詞活用の「日和る」に変化したのが由来となっています。

また、昭和35年頃から10年間続いた学生運動でも「日和見」という表現を頻繁に使われていました。報道で流れる学生たちの意見の衝突や過激な攻撃ぶりから、一旦は衝動を抑えるために発言を抑え、第三者的な立場で待機するという意味で「日和る」という表現を使われていた経緯があります。

「日和る」の元の意味をつかった例文

  • 自分が劣勢になった途端、日和って相手側につくのは卑怯である。
  • 彼女の父親が取引先の重役だと知り、今回はおとなしく日和ることにした。
  • 自分の意思で選択できななんて、いい大人が日和るのは恥ずかしいと思わない?

「日和る」の若者言葉での意味

それでは、若者言葉としての「日和る」の意味と語源、また使い方を紹介します。

若者言葉の「日和る」の意味は「ビビる」「怖気る」

「日和る」の若者言葉としての意味は「ビビる」「怖気る」です。若い世代で「日和る」が使われるのは、恐怖を感じたり、怖いと思う時です。また、そのような気持ちのせいで「気が引ける」「やる気が失せる」というニュアンスも含まれる言葉です。

何かに対し怯え、前向きな気持ちが恐怖心で萎えてしまうこと、それが「日和る」となります。

若者言葉の「日和る」の語源は「ひ弱になる」?

若者言葉の「日和る」は、「ひ弱になる」の略語「ひよる」が語源であると言われています。「日和る」には「ビビる」や「怖気付く」と言った意味がありますが、その状況を導いた原因「ひ弱になる」が、実際の言葉の由来となったとされています。

若者言葉の「日和る」を使った例文

  • 暗闇で物音がしたからって、日和ってるんじゃないよ。
  • 日和ってばかりいちゃ、今月のノルマは達成できないぜ。
  • 彼女のあの怒り様には、さすがに日和るわ。

「日和る」の類語は?

「日和る」の類語を、元の意味、若者言葉での意味のそれぞれで挙げてみましょう。ぜひ、言い換えの際に使ってみて下さい。

「日和る」の元の意味での類語は「静観する」など

「日和る」の元の意味で言い換えができる類語は、ものごとへ自ら関わらず静かに見守るという意味の「静観する」や、あえて距離を置いた状態でものごとを見るという意味の「遠目に眺める」などが挙げられるでしょう。

また、文脈や状況によっては「ものごとを妥協する」と意味で使われることもあるため、その場合は「譲歩する」や「ばつを合わす」なども類語のたぐいと言えるかもしれません。

「日和る」の若者言葉での類語は「身の毛がよだつ」など

「日和る」の若者言葉での類語には、ビビる、怖気付くと同じような意味を持つ「身の毛がよだつ」、「震えあがる」「顔色が変わる」「戦慄する」などが挙げられます。「身の毛がよだつ」は恐怖で体毛が逆立つようすを指し、「顔色が変わる」は怖さで血の気がサーっと引くことを表現しています。

どのような状態で日和っているのか、状況をよく観察して適切な言い換えの言葉を探してみて下さい。

「日和る」の英語表現は?

最後に「日和る」の英語表現についてみていきます。

「日和る」の元の意味での英語は「compromise」

「日和る」の元の意味での英語フレーズは、状況や文脈によって異なります。しかし、自分の意思を持たず、有利な方についたり、強い方の味方に移るのは、総じて「妥協する」ということでもあります。その場合は「compromise(妥協する)」を使うのがベストでしょう。

「日和る」は周知のとおり日本語独特の言い回しであるため、英語への変換がとても難しいです。無理やり直訳をしてしまうと、意味の通らない文章が完成してしまうので、できるだけシンプルに的をついた単語やフレーズを選ぶことが大切です。

  • Stop compromising everything. You should just follow your heart, will ya?
    日和ってばかりいないで、自分の意思で行動したら?

若者言葉の「日和る」の意味の英語は「be scared」

一方、会話を中心に若い世代で使われている「日和る」は「怖い」という意味の「be scared」や「be frightened」が良いでしょう。あらゆる状況の「怖い」という場面で広く使われるベーシックな単語です。また、コケティッシュな表現を探すなら「I feel frozen(心身が凍るよう)」も面白いかもしれません。

  • I was honestly so frightened to meet someone who looked so formidable.
    強面の相手に、正直かなり日和った。

また、「気持ちが失せる」や「心が萎える」という意味なら「I feel down」や「I lost my interest」が一般的です。よく使うフレーズなので覚えておきましょう。

  • I felt so down because I have beaten by a freshman in result.
    新人に成績を抜かれ、さすがに日和ってしまった。

まとめ

「日和る」は時代を隔て、二つの異なる意味を生んだ言葉です。船頭が天候の状況を見定めて出航することを決める「日和見」が語源である元の意味は「ものごとの成り行きを観察し有利なほうにつく、積極的に関わらず傍観する」、そして若者言葉の「日和り」は「ひ弱になる」が語源とされる「ビビる、怖気付く」の意味があります。

また「日和りは死語」という声もありますが、現に若者言葉として復活を遂げていることもあり、一概にそうとも言えないようです。以上、今回は「日和り」をご紹介しました。