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「差分」の意味とは?IT業界・イラスト・数学での使い方を解説

「差分」とは高校数学で聞いたことがある言葉かもしれませんが、IT業界やゲームやイラストにも使われている言葉です。

今回は「差分」の元々の意味を説明して、IT業界、ゲームやイラスト、そして数学で使われる「差分」のそれぞれの意味を解説して、最後に英語表現も紹介します。

「差分」の意味とは?

「差分」の意味は”違い”

「差分」の意味は、”違い”です。2つのものを比べたときの違いを表しているのですが、特に数学の関数f(x)のx₁のときとx₂のときの関数値の差のことを指します。

また数列で隣り合う項で、次の項からその直前の項との差を引いたときの差も「差分」と言います。「階差」とも呼ばれていて、関数の変化率を計算する差分法で使われます。

IT業界で使われる「差分」とは?

「差分」の意味は”新旧ソフトウェアの違い”

IT業界で使われる「差分」とは、あるソフトウェアが書き換えられて新しいソフトウェアができたとき、古いソフトウェアと新しいソフトウェアを比較したときの違いという意味です。またプログラムの修正では、その修正分を「差分」と言います。

「差分ツール」とはファイルを比較して違いを導く

「差分ツール」とは2つのファイルを比較して違いを見つけることのできるツールです。差分ツールにより、新しいファイルと古いファイルを比較して、どこに違いがあり、どの点で修正または改正が行われたのかを見つけ出します。

ツールによって比較の仕方には違いがあり、行の違いを色などで表示するツールや比較した結果の出力形式の違いがあるなど、ツールそれぞれに特徴があります。

「差分バックアップ」とはイメージバックアップの一種

「差分バックアップ」とは、イメージバックアップのひとつです。バックアップとはOSやデータの複製を取っておくことですが、イメージバックアップではOSすべてをバックアップします。バックアップされたファイルやデータをイメージファイルとして保存するため、イメージバックアップと名付けられました。

イメージバックアップには「差分バックアップ」と「増分バックアップ」があり、「差分バックアップ」は、2回目以降のバックアップは初回のバックアップと比較して、変更または更新された差分をバックアップする方法です。バックアップ毎に初回からの差分をバックアップするためデータ量が多く、バックアップに時間がかかります。

「パッチ」とは”問題個所の抜き出した差分データ”のこと

大きなプログラムやソフトウェアの修正をするとき、問題のあるデータだけを更新または修正することがあります。この時に抜き出されるデータのことを「パッチ」「パッチファイル」「修正プログラム」または「差分データ」などと呼びます。

プログラム全部を修正する必要がないときに取られる方法で、「パッチをあてる」のように使われます。

なお、「パッチ」の本来の意味は「継ぎ当て」や「絆創膏」です。

「diff」とは差分を表示するプログラム

「diff」(ディフ)とは「Date Interchange File Format」の略で、二つの指定したファイルを比較したときの違いを表示するためのプログラムで、UNIX系のOSで使われます。「diff」はパッチとしても使えるため、「diff」を「パッチ」と呼ぶこともあります。

例文:
「ディフを出力する」
「diffファイルをメールに添付する」

ゲームやイラストの差分とは?

「差分」とは”別バージョン”の意味

ゲームやアニメなどの業界では、「差分」はオリジナル作品から派生した別バージョンのことを指します。元となる作品の登場人物や構図は同じままでセリフを変えたり背景を変える差分や、構図は同じものの登場人物を変える差分、登場人物の衣装や髪形などを変えた差分など、さまざまな差分があります。

オリジナル作品に手を加えて新しい作品として作り出された作品のことも「差分」といいます。

「差分イラスト」とは原画にアレンジを加えたイラスト

「差分イラスト」とは元となる画像やイラストに変化を加えた画像のことです。

例えば、ある部屋の画像に朝から夕方などの時間の経過に合わせて変化をつけた画像を「時間帯差分」といいます。また家具などのものの配置を変えるパターンは「状態差分」と呼ばれます。

数学における差分とは?

「差分」とは隣り合う項との差

数列の「差分」は階差とも呼ばれ、隣り合う項との差のことを意味します。ある項からその直前の項を引くことで算出されます。

xの関数f(x)においてaがbよりも大きい場合の差分は、aとbにおける数値の差のことで、数式にするとf(a)-f(b)のようになります。

「差分法」は差分を計算する関数方程式論のひとつ

「差分法」とは関数方程式で数値を出す方法のひとつで、xの関数f(x)にたいして定数hが0ではないとき、Δf(x)=f(x+h)-f(x)という数式で表されます。

また「差分法」は微分方程式を解く方法としても用いられ、微分を差分で置き換えて差分方程式を作り数値を割り出します。ただし差分法により導き出された解が、微分方程式の解と近似値でありますが完全に一致しているわけではないので、常にその解き方でいいのかを考える必要があります。

なお、「Δ」(デルタ)とはギリシャ語のアルファベットで、変数を意味する記号です。

「差分」の英語表現とは?

「差分」の英訳は”difference”

「差分」を英訳すると“difference”です。「違い」という意味になります。また「difference」を略して「diff」と表記する場合もあります。

例文:
“difference between 2 files.”
「2つのファイルの差分」
“I calculate difference in the case.”
「その場合の差分を算出する」
“Differences can occur in the control value between ex- and new application.”
「新旧のアプリケーションのコントロール値で差分が生じることがある」

まとめ

「差分」とは違いを意味していて、IT業界やイラストでは元となる素材と新しい素材との違いという意味で使われています。また数学では連結する2つの項の値の差という意味で使われ、関数に用いられています。

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「難解なワードでもわかりやすく」をモットーに、常識ワードからビジネス用語、時には文化・アート系など、幅広く記事を書かせていただいています。ドイツ在住で2児の母。好きな食べ物はビターチョコレートとナッツ類。