目上の相手に確認を取る際などで使われる「よろしいでしょうか」という言葉ですが、正しく使えていますか?シーンや相手によっては不適切な使い方となり、マイナスな印象を与えてしまう場合もあります。「よろしいでしょうか」の正しい敬語表現や類語を紹介するので参考にしてください。
「よろしいでしょうか」の意味と類語
「よろしいでしょうか」は「いいだろうか?」という意味
「よろしいでしょうか」は「いいだろうか?」という意味として使われています。「よい」を丁寧に表現した「よろしい」に「だろうか」を丁寧に表現した「でしょうか」を付けた丁寧な言い回し方です。丁寧な表現である「よろしいでしょうか」は目上の相手に許可を求める際や、問題の有無を確認する際に多く使われています。
「いかがでしょうか」は「よろしいでしょうか」の類語
「よろしいでしょうか」の類語には「いかがでしょうか」や「構いませんでしょうか」が当てはまります。類語ではあるものの「いかがでしょうか」は相手の状態や意見、感想を聞く際に使われる言葉で、「構いませんでしょうか」は相手にとって不都合な可能性があることに対して許可を得る際に使われます。
例えば「体調いかがでしょうか?」という文だと、「よろしいでしょうか」でも意味は通じますが、相手の身体の状態を聞いているため「いかがでしょうか」が適しているといえます。「少々お時間いただきますが、構いませんでしょうか?」という文も「よろしいでしょうか」で意味は通じますが、時間がかかるということは相手にとって不都合なことであるため、「構いませんでしょうか」と類語を使って言い換えることができます。状況によって使い分けてください。
「よろしいでしょうか」の目上への用法
「よろしいですか」は使い方に注意
「よろしいですか」は「よろしいでしょうか」と同じ意味として、相手に許可を求める際や問題の有無を確認する際に使われる言葉です。敬語表現である「よろしいですか」は目上の相手へ使うことができる言葉ですが、「よろしいでしょうか」に比べて威圧的な物言いであり不快だと感じる人もいるため注意が必要です。
特に初対面の相手や、取引先の担当者など社外の相手へはマイナスな印象を与えないためにも、「よろしいですか」ではなく「よろしいでしょうか」を使った方がいいでしょう。
現在の出来事に「よろしかったでしょうか」は間違い
「よろしいでしょうか」を使った言い回し方の1つである「よろしかったでしょうか」はシーンによっては間違った使い方となります。「よろしかったでしょうか」は過去の出来事に対してのみ使うことができるため、現在起こっている出来事や未来の出来事に対して使うことはできません。
例えば目上の相手に名前を伺う際、「お名前をお伺いしてもよろしかったでしょうか」とはなりません。名前を聞いているのは「今」であるため、「お名前をお伺いしてもよろしいでしょうか」が適切であるといえます。
自分の行動に許可をもらう際は「○○してもよろしいでしょうか」
自分が今から行うことに対して、相手に許可を求める際「○○してもよろしいでしょうか」と使えます。例えば話すことに許可を求める場合は「申し上げてもよろしいでしょうか」、休みをとることに許可を求める場合は「来週末に休みをいただいてもよろしいでしょうか」となります。
メールにも「よろしいでしょうか」が使える
話し言葉としてだけでなく、メールや手紙などの書き言葉としても「よろしいでしょうか」は使えます。例えば取引先の担当者にメールで質問をする際「お世話になっております。1点確認したいことがあるのですが、○○は△△ということでよろしいでしょうか?」となります。
「よろしいでしょうか」に対する返答の仕方
例えば取引先の人とのメールで「○○でよろしいでしょうか?」と仕事に関する質問をされた場合、「ご質問の件ですが、○○で相違ございません」と返答することができます。こちらの説明不足や分かりにくい説明により質問をさせてしまった場合は、返事の冒頭で「こちらのご説明が足りておらず、申し訳ございません」と謝罪の文章を入れてください。
メールにて双方の日程を調整する際にも「よろしいでしょう」が使えます。相手からの「次回の会議は○○日を予定しているのですが、よろしいでしょうか?」という文章に対する返答だと「次回会議の日程について承知いたしました」となります。
「よろしいでしょうか」を使った例文
「認識でよろしいでしょうか」を使った例文
「よろしいでしょうか」の言い回しの1つに「認識でよろしいでしょうか」という言葉があります。例えば目上の相手に内容を確認する際「今回の企画は○○が対象という認識でよろしいでしょうか?」となります。
「お時間を頂いてもよろしいでしょうか」を使った例文
自分のために時間をとらせてしまうことに対して許可をもらう際に「お時間をいただいてもよろしいでしょうか」が使えます。例えば、仕事終わりに上司へ相談をする際「ご相談したいことがあるのですが、お時間をいただいてもよろしいでしょうか?」となります。
「お伺いしたいのですがよろしいでしょうか」を使った例文
相手に聞きたいことがある際に「お伺いしたいのですがよろしいでしょうか」が使えます。例えば前回の会議について聞きたいことがある際は「前回の会議についてお伺いしたいのですが、よろしいでしょうか?」となります。
まとめ
「よろしいでしょうか」は相手に許可を求める際や、問題があるかを尋ねる際に使われる言葉です。ビジネスシーンで目上の人に対して多く使われる言葉ですが、使い方によっては失礼になることもあるため注意して使ってください。