「残滓」の意味とは?語源や類語「残渣」との使い分け・例文も解説

「残滓(ざんし)」とは「あとに残ったもの」という意味の言葉で、「滓(し)」は訓読みすると「かす」、つまり残りかすのことです。食べ残しなどの残り物を指す場合と、比喩表現として「記憶の残滓」といった言い方もできることから、文学作品に用いられることもしばしばあります。

この記事では「残滓(ざんし・ざんさい)」の意味と読み方を解説し、使い方や例文、類語表現、英語表現も紹介します。特に類語では「残渣(ざんさ)」との使い分けに注目してみてください。

「残滓」の意味とは?

「残滓」の読み方は「ざんし」と「ざんさい」の二通り

「残滓」という語は、「ざんし」という読み方が本来の読み方です。しかし、慣用的な読み方として「ざんさい」とも読まれます。

慣用読みとは慣用音と呼ばれる習慣的に使われる読み方のことで、本来は誤読であったはずが誤読で読む人が増えたため、誤読も正しい読み方として認められた読み方です。

間違った読み方として指摘される可能性がある慣用読みなので、「残滓」を「ざんさい」と読むのは間違いではないものの、もしも不安に感じられるのであれば「残滓」は「ざんし」と読無のが無難でしょう。

「残滓」の意味は「あとに残ったもの」

「残滓」の意味は、「あとに残ったもの」です。物質としてあとに残った「残りかす」や「食べ残し」のことを指します。

この「物質的にあとに残ったもの」という意味から派生して、「残された価値のないもの」という比喩的な意味もあります。

「残滓」の語源は「残ったかす」

「残滓」の「残」という漢字は、「失われることなく、そのまま保存されている」という意味です。

「滓」は、訓読みをすると「かす」になり、その意味は「液体をこしたあとの残り」です。「滓」だけでも「残り」という意味が含まれているため、「残滓」とすれば「残されたもの」という意味合いが強調されます。

「残滓」の使い方と例文

「物質的な残り物」の意味で食べ残しなどに使う

「残滓」を容器に残されたかすや食べ残しなど、物質的に「必要なものが取り除かれた残り」という意味で使う使い方があります。

例文:

  • 「小さな子供の食後には、皿の上にたくさんの残滓がある」
  • 「ニンジンの皮をむくと、その皮は残滓になった」
  • 「引っ越しのあとに、傘一本、残滓として残された」

「比喩的な残り」として記憶や思い出にも使う

「残滓」は風習や記憶や思い出など、「過去に起こったことで今でも残っていること」という意味で使うこともできます。

例文:

  • 「昔の恋人の記憶の残滓が心にひっかかっていた」
  • 「先日聞いた昔懐かしい歌謡曲は昭和の残滓である」
  • 「現在も続く○○条項は政策の残滓にすぎず、現代社会には合わない」
  • 「道端でばったり旧友に会い、学生時代の残滓が思い起こされた」

「残滓の清算」とは「過去にあったことに結末をつける」という意味

「残滓」の使った表現のひとつとして、「残滓の清算」という表現があります。「残滓の清算」とは、「特に過去に起こった出来事やその出来事に発した記憶などに結末をつける」という意味で使われます。主に過去に起こった出来事が不快な出来事の場合に用いられる表現です。

例文:

  • 「彼の屈辱的な態度への怒りの残滓を清算するには、まだ時間がかかる」
  • 「時間がかかったものの、怒りの残滓を清算できた」

「残滓」の類語

「残渣」は物質的な残りの意味で使う

「残渣(ざんさ)」とは、「ろ過や溶解した後に残った不要物」という意味があると同時に、比喩的な意味合いで「物事の名残」という意味もあります。しかし「残渣」は物理的な残りかすといった意味で使われることが多く、比喩的な意味合いは使われることが少ないです。

したがって「残渣」は物質的な残りという意味合いでのみ使い、「残滓」は物質的な意味と比喩的な意味の両方で使える言葉として整理しておいていいでしょう。

「残余」や「残留物」など残っている物の意味の言葉

「残滓」の類語には、「残余」や「残留物」といった言葉があります。「残余」とは単に「のこり」や「あまり」といった意味に対して、「残留物」はただ残っているだけでなく「残りとどまっていること」という意味です。

また残っているものという意味を簡単に表現して、「残り」や「残り物」という言い方も類語として挙げられます。

「残滓」の英語表現

「残滓」は英語で「residue」や「remnants」

物理的な残りものという意味の「残滓」は、英語で「residue」を使います。「residue」は残りものという意味以外に、残留物や残余などとも訳されます。

また「remnant」を複数形にして「remnants」とすることで、残りや残余といった意味があります。

例文:
“pesticide residue in fruits”
「果物に残った農薬の残滓」
“The woods are remnants of the forest that covered once our holly area.”
「その木片はかつて私たちの聖地だった森の残滓である」

比喩的な意味の「残滓」は「remnants」や「vestige」

「remnants」には、比喩的な意味の「残滓」の意味もあります。また「残滓」を「思い出」と捉えるなら「memory」も使えるでしょう。

例文:
“His remnants haven’t left in the room.”
「その部屋に彼の残滓は残っていない」
“The memory of the youth revive.”
「青年時代の残滓がよみがえる」

まとめ

「残滓」とは容器などに入れられていた液体がなくなり残ったものという物質的な意味と、風習や記憶などの過去に起こったことで今でも残っている記憶の残滓などの比喩的な意味もあります。難しい言葉で文学的にも聞こえる言葉ですので、状況は見極めて使うようにしましょう。