「お越しいただき」はビジネスでよく利用される敬語です。「お越しくださり」などの似ている表現も多く、使い分けに迷う方もいらっしゃるのではないでしょうか。今回は「お越しいただき」の意味や敬語について解説します。例文や言い換えた表現なども紹介していますので、ぜひ参考にして使いこなしてみてください。
「お越しいただき」の意味は?
「お越しいただき」の意味は「来てもらう」
「お越しいただき」は、相手に来てもらうことを丁寧に表現した言葉です。相手が自分のところへ来たことを「お越しいただいた」と言います。お客様が自分の会社に来たときなどに「お越しいただきありがとうございます。」と使うことが多い表現です。
「お越しいただき」は謙譲語
「お越しいただき」は、「来る」を表す「お越し」と、「~してもらう」を表す「いただく」に分けられます。お客様に「来てもらう」のは自分ですので、自分がへりくだった表現である謙譲語を使います。
「お越しいただき」と「お越しくださり」の違い
「お越しいただき」と似ている表現に「お越しくださり」があります。どちらを使うべきか迷う方も多いかもしれません。ここでは両者の違いと使い分け方を解説します。
「お越しくださり」は尊敬語
「お越しくださり」は、「来る」を表す「お越し」と、「くれる」を表す「くださる」に分けられます。お客様が「来てくれる」ことを表していますので、お客様を持ち上げる尊敬語を使います。
「お越しいただき」と「お越しくださり」の使い分け
「お越しいただき」、そして「お越しくださり」は、相手が自分のところへ来るという同じ内容を表しています。ビジネスでよく利用されている「お越しいただき、ありがとうございます。」と「お越しくださり、ありがとうございます。」は、どちらを使っても正しい表現です。
厳密にいうと、「お越しいただき」は「私が来てもらう」という謙譲語で、「お越しくださり」は「お客様が来てくれる」という尊敬語です。主語が「私」か「お客様」という違いがあります。自分がお願いして来てもらうときには「お越しいただき」を使うとよいでしょう。
「お越しいただき」の使い方と例文
「お越しいただき」は、挨拶やお礼のメールなど、ビジネスのいろいろな場面で利用されています。ここではよく使われる覚えておくと便利なフレーズを紹介します。
「お越しいただきありがとうございました」が基本
「お越しいただき」を使った表現で多いのが、「お越しいただきありがとうございました。」です。来ていただいたときの最初の挨拶や、ビジネスメールでお礼を伝えるときなどに利用します。
- 先日は弊社までお越しいただき、ありがとうございました。
- 天候が悪い中、こちらまでお越しいただき、ありがとうございます。
「お忙しい中お越しいただき」を使った例文
「お忙しい中お越しいただき」も、よく利用される表現ですので、覚えておくと便利です。
- 本日はお忙しい中お越しいただき、ありがとうございます。
- 先日はお忙しい中お越しいただき、大変感謝しております。
「遠路お越しいただき」を使った表現
「遠路お越しいただき」や「遠路はるばるお越しいただき」も、よく利用される表現です。遠方から来たほうが、来るために多くの時間や労力がかかっています。より丁寧にお礼の言葉を述べるために「お越しいただき」は適した表現です。
- 本日は遠路はるばるお越しいただき、誠にありがとうございます。
「お越しいただきたい」ことを伝える例文
「お越しいただき」は、来てもらったことに対する感謝の気持ちを伝えることが多いです。「来てもらいたい」という気持ちを伝えるときには、疑問文にするなど、少し言い回しを変えるといいでしょう。
- 弊社までお越しいただけますでしょうか。
- 直接会場にお越し願えますか。
「お越しいただき」の類語や言い換え
「お越しいただき」は「おいでいただき」や「ご足労いただき」に言い換えて使うことができます。それぞれ例文で紹介します。
「おいでいただき」に言い換えた例文
- 先日は弊社までおいでいただき、ありがとうございました。
- 本日は遠路はるばるおいでいただき、感謝しております。
「ご足労いただき」に言い換えた例文
- 先日はご足労いただきまして、感謝しております。
- わざわざご足労いただき、恐縮です。
「お越しいただき」を英語で表現すると?
「お越しいただき」は英語で「all the way from」
「all the way from~」で、「~からお越しいただいた」や「~からはるばる来てくれた」という意味になります。例えば「Thank you very much for coming all the way from Japan.」は、「日本からお越しいただきありがとうございます。」と意訳できます。
「way」は「道」や「方法」を表しますので、日本から来るための道のりや方法、行動などすべてに感謝しているという表現です。
まとめ
「お越しいただき」は、感謝の言葉といっしょに使うことの多い敬語表現です。感謝の言葉をつかいこなせるようになると、ビジネスで信頼関係を築きやすくなるかもしれません。ぜひ、本記事を参考にして、「お越しいただき」や言い換えた表現を使ってみてください。