「出典」の意味とは?書き方・使い方や「引用」との違いも解説

論文や解説文などを読んでいると「出典」や「引用」といった言葉を見ることがありますよね。どちらも原文がありそれを参考にしたようですが、「出典」と「引用」では何がどのように違うのでしょうか?

今回は「出典」の意味と使い方に併せて、論文での出典の書き方をご紹介。「引用」などの類語や英語表現も解説します。

「出典」とは?

「出典」の意味は”引用箇所の出所となる書物”

「出典」の意味は、“故事や成句、引用句や引用文などの語句や文章が、元々載っていた文献または書籍”のことです。「出所」(でどころ)や「典拠」(てんきょ)とも言われます。自分の書くレポートなどに他の文献で引用箇所があれば、その文献を「出典」という名目の下にまとめて記します。

「出典」を記載することで書作権法違反にならない

レポートや論文、記事など公にする文書のなかに、他の文献や書物から引用した文や成句があった場合、その出所を「出典」で明記します。すでに出版されている書物や、インターネットで公開されている記事などから引用することは認められています。

しかし、「自分の意見が書かれた文章とは明確に区別して引用文を記載しない」または「出典を明らかにしない」と著作権法違反になります。そのため、出典は明記されなくてはなりません。

「出典」を使った例文

「出典」を使った例文をご紹介しましょう。

  • 「出典を探す」
  • 「引用元である出典を明らかにする」
  • 「用例の出典がわからない場合には、著作権違反になります」

「出典」の書き方とは?

論文での「出典」の書き方と項目

出典に書く項目は、書籍の場合には次の順番で書いていきます。提出先である分野や機関によって書き方に多少の違いがありますので、出典を書く前にはその書き方を提出先に確認しましょう。

出典の書き方(書籍の場合)

  1. 著者名
  2. 『書名』
  3. 出版社
  4. 出版年
  5. 該当ページ

必要に応じてISBNを書くこともあります。また共著の場合には、著者名全部をカンマで区切って書くことができますし、最初の一名分だけを明記した後「ほか」と記す方法もあります。

出典を記す場所は、論文やレポートでは「出典」は論文等の本文の最後に記されることが定例です。一方、ウェブサイト上の記事で引用箇所が少ない場合、引用のすぐ後に「出典」が記されるケースもあります。

雑誌や新聞を使った「出典」の書き方

雑誌に掲載されている記事や論文からの引用した場合には、次の順序で出典を記載します。

雑誌記事や論文から引用する場合

  1. 著者名
  2. 論文や記事の「タイトル」
  3. 『雑誌名』
  4. 号数
  5. 発行年月
  6. 該当ページ

新聞からの引用では著者名は明らかにされていませんので、著者名を除き、タイトルから新聞氏名、発行年月日、版数、面数の順に書いていきます。

ウェブサイトから引用する場合の「出典」の書き方

ウェブサイトからの引用では、出典には次のことを明記します。

ウェブサイトから引用する場合

  1. 著者名
  2. ウェブページのタイトル
  3. URL
  4. 最終アクセスの年月日

著者名などわからないことがある場合は、その箇所は飛ばしてわかることを出典として書きます。

「出典」の類語とその違いとは?

類語①「引用」とは”引用元からそのまま記載すること”

「引用」とは、書籍や資料に書かれている文章を自分のレポートや論文、サイト記事などに用いることです。このときに元となった書籍や資料を「引用元」といいます。

引用するときに大切なことは、元の資料となる文章を「そのままに記載すること」です。勝手に文字や表現を変えてしまうと引用になりません。ただし、旧字体は新字体に改めたことを明記すれば旧字体から新字体に変えることができます。

「出典」は「故事や成句などが元々載っていた文献または書籍」いわば情報元のことで、ここから文章を引っぱって用いることが「引用」という関係です。

類語②「引用文献」とは”文書中に記される引用された文献”

「引用文献」とは、引用された引用句や引用文が載っている文献のことです。「出典」は引用した文献等のタイトルや著者名などを表した文献を明らかにするための詳細ですが、「引用文献」は引用した文献そのものです。

類語③「参考」とは”参照する情報の要約”

「参考」とは参照する情報の要約です。「引用」では引用する元の文章や成句などを勝手に改めてはいけませんが、「参考」では自分の言葉に置きかえてその内容をまとめて要約します。

また「参考文献」とは参考にした情報が載っていた書籍や文献、新聞などのことです。

類語④「パクリ」とは”盗用の隠語”

著作権に関わる「パクリ」とは、盗用を意味する隠語で、オリジナルとなる文書などの模倣として認められた文書のことです。

「パクる」などとも呼ばれ、元の文書表現を自らの文書表現のように表すことで著作権の侵害になります。

類語⑤「出展」とは”展覧会などに作品を出品すること”

「出展」は「出典」の同音異義語で、「出展」の意味は「展覧会や展示会などに作品を出すこと」です。「出展」の「展」は展覧会の略語だと理解すれば、「出典」と「出展」の違いは分かりやすいでしょう。

「出典」の英語表現とは?

「出典」は英語で”source of reference”

「出典」は英語で“source of reference”とするのがいいでしょう。直訳すると「参考にした文献の出所」で、つまり「出典」ということになります。「source」には「出所」という意味の他にも「源」や「源泉」といった意味があり、「reference」は「引用文献」や「参考図書」という意味があります。

「出典」を使った英語例文

「出典」を使った英語例文をご紹介しましょう。

  • “The source of reference from which you take quotations must be showed.”
    「引用した箇所のある出典は明らかにされなくてはいけない」
  • ”Under the source of reference you can find the book that you should read.”
    「君の読むべき本は、出典から見つけられるよ」

まとめ

「出典」とは引用箇所が掲載されていた引用元である文献や書籍のことです。公式な文書で引用箇所があった場合には、出典を記さないと著作権法違反になるので、忘れずに出典を記載しましょう。

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「難解なワードでもわかりやすく」をモットーに、常識ワードからビジネス用語、時には文化・アート系など、幅広く記事を書かせていただいています。ドイツ在住で2児の母。好きな食べ物はビターチョコレートとナッツ類。