「年金手帳」の意味とは?表紙の色の違いに交付方法も解説

「年金手帳」とは公的年金に加入すると交付される手帳ですが、表紙の色は青やオレンジなどがあります。それぞれの色にどのような意味があるのでしょうか。

今回は「年金手帳」と公的年金の関係について解説し、年金手帳の異なる表紙の色の意味や年金手帳の交付方法に加えて、年金手帳を使う機会も紹介します。

「年金手帳」とは?

「年金手帳」とは”公的年金加入者に交付される手帳”

「年金手帳」とは“公的年金に加入した人に交付されて、被保険者だと証明するための手帳”のことです。加入者一人に付き一冊ずつ交付されます。

年金手帳には、基礎年金番号や年金に加入した日付など年金に関する情報が記載されています。基礎年金番号とは、年金の事務を請け負う日本年金機構により払出され、その番号により個人の年金記録が管理されます。一度払出されると生涯有効で、公的年金が変わっても同じ番号を使い続けます。

なお、年金手帳は日本年金機構により発行されます。

公的年金とは加入が義務づけられた年金のこと

公的年金とは、20歳以上の国民全員が国によって加入が義務づけられている年金のことで、国または公的機関によって運営されています。種類は3つで、「国民年金」「厚生年金」「共済年金」があります。

「国民年金」は基礎年金とも呼ばれ、20歳以上60歳未満の国民全員が加入しなくてはなりません。「厚生年金」と「共済年金」は国民年金と併せて入会する年金で、「厚生年金」は厚生年金保険の適用を受ける会社勤めの人が対象で、「共済年金」は主に公務員が対象です。

「年金手帳」の色は青かオレンジ、それとも茶色?

年金手帳の表紙の色は交付時期によって変わる

年金手帳の表紙には、茶色とオレンジと青があり、色の違いが年金手帳の交付時期の違いを表します。

茶色の年金手帳は、年金制度が始まった1961年から1974年11月まで旧厚生省によって発行された手帳で「国民年金手帳」と呼ばれます。国民年金用に使用された手帳だったからで、厚生年金用には別の手帳が交付されていました。

オレンジ色の年金手帳が発行されているのは、1974年11月から1997年1月まで。別々だった国民年金と厚生年金の手帳が統一されましたが、共済年金だけは別の手帳がありました。

青い年金手帳が発行されたのは、1997年1月から現在まで交付されています。国民年金と厚生年金、さらに共済年金のどれにも使える共通の基礎年金番号が導入されて一冊の年金手帳としてまとめられました。年金情報が管理しやすくなったというメリットがあります。

基礎年金番号通知書で基礎年金番号がわかる

茶色とオレンジ色の年金手帳が交付されたころは基礎年金番号がなかったため、茶色とオレンジの年金手帳保持者には、基礎年金番号通知書が基礎年金番号制度が整った1997年に旧社会保険庁によって発送されました。

もしも基礎年金番号通知書が見つからない場合には、新しく年金手帳を発行してもらいましょう。

年金手帳の交付方法とは?

20歳で年金に加入すると年金手帳は発行・交付される

年金手帳は、公的年金に加入すると発行されます。20歳になる前月または20歳になる月の上旬に、国民年金被保険者資格取得届書が自宅に郵送されて、その書類に必要事項を記入して市区町村の役場に提出すると、年金手帳が後日郵送されます。

学生も年金手帳を持っている

学生や社会人など社会的な立場に関わらず20歳になったら国民年金に加入する義務があり、加入手続きを終えたら年金手帳は交付されます。

しかし学生で所得が少なく保険料を払えない場合の特例として、学生の間は保険料の納付を猶予される制度があります。「学生納付特例制度」といい、手続きを行えば学生の間は保険料の猶予され、学校を卒業または中退すれば年金を支払い始めます。

卒業後または中退後すぐに十分な収入がない場合にも、年金の免除制度や納付猶予制度を申請することができます。

氏名変更の手続きは必要ない

結婚などで氏名や住所が変わっても、マイナンバーと基礎年金番号が結びついていれば氏名変更などの届け出は必要ありません。

ただし、マイナンバーと基礎年金番号が結びつかないような海外在住者や短期滞在中の外国人は氏名変更等を届け出ます。

「年金手帳」を使う時はいつ?

就職時に会社に提出

年金を使う場合の一例は就職したときで、社会保険の加入手続きのため会社側が年金手帳を提出するように求めてくることがありますので、年金手帳は個人で大切に保管しましょう。

会社で社会保険の加入手続きのために年金手帳が必要なのですが、慣例で会社が年金手帳を保管する場合があります。年金手帳は個人で管理するものですから、年金手帳がなかなか返ってこないようでしたら会社に申し出ましょう。

国民年金から厚生年金へ切り替える場合

国民年金から厚生年金へ、またはその逆に切り替える場合にも年金手帳が必要です。

厚生年金は企業に勤めれば加入義務がありますが、退職して会社勤めを辞めたり個人事業を始めたりする場合には国民年金に切り替えなくてはなりません。それとは反対に会社勤めを始めるときは国民年金から厚生年金などに切り替えられ、その手続きに年金手帳を使います。

年金の受給手続きに必要

年金手帳は年金の受給手続きをする場合にも必要です。ただし、平成30年3月5日より年金手帳がなくてもマイナンバーがあれば年金手続きが行えるように制度が変更されましたので、年金手帳が以前よりも重視されなくなった傾向があります。

年金手帳を紛失したら再発行手続きを

年金手帳が見つからない場合には、年金手帳再交付申請書を年金事務所に届け出れば再交付されます。申請者は本人または社会保険労務士の代理人や法定代理人でも可能です。

年金手帳の再発行手続きについての詳細は以下の記事にまとめてありますので、参考にしてみてください。

http://「年金手帳」は再発行できる!紛失時の対処法と再発行手続きの方法

まとめ

「年金手帳」とは公的年金に加入すると自動的に交付されます。郵送で届けられ、現在段階で申請を行えば青色の年金手帳が交付されます。年金の変更などで必要となりますので、大切に保管しましょう。

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「難解なワードでもわかりやすく」をモットーに、常識ワードからビジネス用語、時には文化・アート系など、幅広く記事を書かせていただいています。ドイツ在住で2児の母。好きな食べ物はビターチョコレートとナッツ類。