「若干」の意味は?「弱冠」との違いを解説!使い方の例文と類語も

「若干」は「それほど多くない」の意味を持ち、「若干数」「若干名」など使われる言葉。しかし、具体的にはどれぐらいの数や割合を示しているかご存知でしょうか?今回は「若干」の意味と、使い方の例文を紹介。「弱冠」との違いと使い分けを解説します。また「若干」の類語と英語や韓国語・中国語での表現もお伝えします。

「若干」とは?

「若干」の意味は”それほど多くない・少しばかり”

「若干」の意味は、“それほど多くない・少しばかりの”です。「若干名」「若干数」や、「若干を残す」などと使います。

「若干」の「それほど多くない」「少し」が、どれぐらいかは具体的に定義はされていません。しかし、「若干」のそれぞれの漢字の意味を紐解いていくと、一から十の間程度を示していると考えられます。

「若干」における「若」の字は、年齢が若いことではなく、「○○のようだ」「○○の通りだ」を意味する「若し」(ごとし)を指しています。また、「千」という漢字は、分解すると数字の「一」と「十」に分かれます。つまり、「若干」とは「一の若く十の若し」となり、「一のようでもあり十のようでもある」ことを意味します。このことから、「若干」とは一から十の間を示していると考えられますが、使う人や受け取る側により解釈が異なる、曖昧さを含む表現です。

「若干」の読み方は”じゃっかん”

「若干」は、“じゃっかん”と読みます。「若」という漢字は「若輩者」などと使う場合には「じゃく」と読みます。しかし、「若干」においては「じゃくかん」は間違いとなり、「じゃっかん」が正しい読み方となります。

「若干名」の意味は”数人程度”

「若干名」(じゃっかんめい)とは、人数がそれほど多くないことを意味しています。例えば、求人に「この度弊社は業務拡大につき若干名を募集します」と書かれている場合は、2・3人程度から多くても10人までの枠で募集していると考えるのがよいでしょう。

「若干数」は”いくつか”を意味する

「若干数」(じゃっかんすう)は、数がそれほど多くないことを意味する言葉です。「若干名」同様に、「若干数」も多い場合も10までのいかない数であると考えるのが適切です。

「若干」と「弱冠」の意味は違う

「若干」と「弱冠」の読み方は、どちらも同じ「じゃっかん」。そのため、2つの言葉を混同して使われている様子を見受けることもあります。しかしそれぞれ異なる意味を持つため、明確な使い分けが必要です。

「若干」は、物の量や程度などが「それほど多くない」ことを意味する言葉。一方「弱冠」は「年若い」の意味として使われる言葉であり、物や程度に対しては使いません。

「若干」の使い方と例文とは?

目上の人に対する敬語では「少々」などを使う

「若干」という言葉は、「です」「ます」などをつけて使えば、丁寧語として使うことができます。例えば会議において「その案には若干課題があると思われます」と使うのは、丁寧表現となります。

ただし、上司や取引先など目上の人に対して使う場合には「若干」ではなく、尊敬語の「少々」などに置き換えて使うのがよいでしょう。

「若干」は歳を表現するときは使わない

「若干」という言葉は、物の数や程度を表すときに使う言葉です。「それほど年齢が高くない」と言った意味合いで、「若干15歳」など使うのは間違いです。「年が若いこと」を示す場合は、先に解説した「弱冠」の言葉を使います。

「若干」を使った例文

「若干」を使った例文をいくつかご紹介しましょう。

  • 全員が一丸となって売り込みをかけ続けた結果、ようやく在庫も若干を残すところまでにたどり着いた。
  • 2つの言葉の意味は若干違うため、より正しい使い分けを心がけることが大切だ。
  • 暑い夏もようやく終わりに近づいてきているのだろう。ここ数日は厳しい暑さも若干和らいでいる気がする。
  • 若干2名で、この先一体何ができるというのだろう。

「若干」の類語とは?

類語①「幾分」の意味は”少し”

「幾分」(いくぶん)は、「少し」の意味を持つ「若干」の類語です。しかし、「幾分」は「いくつかのうちの一部分」という「若干」にはない意味合いも持っています。したがって、言い換えをする場合にも、文脈によってどちらの意味合いで使われているかを認識することが必要です。

類語②「多少」は”少し”と”多い”両方の意味を持つ

「多少」(たしょう)は、「若干」と同じ「少し」や「いくらか」の意味を持つ言葉です。しかし「少し」だけではなく、「多いこと少ないこと」や「多い」の意味をも持つ点が、「若干」とは異なります。また「若干」は数自体が少ないことに対して、「多少」は「全体における少し」とややニュアンスが異なります。

「若干」の英語と韓国語・中国語表現とは?

英語では「some」や「sligthly」など

「some」の意味

「some」は、「少しの」「多少の」を意味しています。「若干」同様に、具体的な数や量を定義していませんが、「少ない」を意味する「few」「little bit」よりは多いものを示すときに使われます。

「slightly」の意味

「わずかに」「少し」の意味を持つ単語です。「細く」「きゃしゃに」と言った「若干」とは関連しない意味もあわせ持っているため、前後の文脈によりどちらの意味として使われているか判断が必要です。

韓国語では「약깐」

韓国語において「若干」の意味を表す場合は、「약깐」を使うことができます。「やや」や「少し」など、「若干」同様の数や程度を表すときに使う言葉です。

中国語では「若干」

「若干」を中国語で表現する場合は、日本語と同じ漢字の「若干」を使用します。また、言葉の意味も、日本語の「若干」と同じ「少しの」「いくらか」を表しています。

まとめ

「若干」とは「それほど多くない」を意味する言葉で、数や程度を表すときに使う言葉です。同じ読みの「弱冠」という言葉もありますが、異なる意味を持つために、意識して正しく使い分けをすることが必要です。