「至極」の意味とは?言葉の使い方や例文・類語表現も解説

「至極」とは、「至極当然」「恐悦恐悦」など、四字熟語として使われることが多い言葉。「至極幸せ」「至極真っ当」など言葉の前につけて使うこともあり、「この上ないこと」や「極めて」の意味を持っています。今回は「至極」の意味を詳しく解説し、使い方の例文を紹介。また類語に加えて、英語での表現もお伝えします。

「至極」の意味や読み方とは?

「至極」の意味は”この上ないこと・すごく”

「至極」の意味は、“この上ないこと・すごく”です。「至」はこれ以上先がない「ゆきつく」の意味を持ち、「極」は「これ以上ないこと」や「頂点」を意味しています。「至極」は名詞と副詞・接尾語として使われますが、それぞれの場合において異なる意味を持ちます。

名詞としては、「至極」は「この上ないこと」を意味します。また「ものごとが理にかなっていること」「他人の意見に納得すること」の他にも、「感動が極まる」などの意味としても使われます。

副詞としての「至極」は、「極めて」「非常に」「すごく」などの意味を持っています。「至極○○」など、言葉の前につけて使うことが一般的です。接尾語としての「至極」は、「○○至極」と動詞や名詞の後につけて使い、「この上なく○○である」ことを意味します。

「至極」の読み方は”しごく”

「至極」の正しい読み方は、“しごく”です。「極」は「ぎょく」や「きょく」とも読む漢字ですが、「至極」においては「しごく」が正しい読み方となります。「しぎょく」や「しきょく」と読むのは間違いです。

「至極」の使い方と例文とは?

「至極」は四字熟語でよく使われる

「至極」という言葉は、四字熟語の形で使われることが多い言葉です。「至極」を前につけた「至極○○」と、後ろにつけた「○○至極」のどちらの形でも使います。

また、四字熟語に限定しない「至極○○○」といった表現も多くあります。これらの具体的な例については、後ほどご紹介します。

「至極の指輪」「至極の梅」と商品の形容にも使われる

商品の紹介文やキャッチコピーなどで、「至極の○○」といった表現を使っていることがあります。「至極の指輪」や「至極の梅」「至極の一杯」「至極の麺」「至極の一品」などの表現を見かけた方もいることでしょう。しかし、「至極」という言葉の意味から考えると、「この上なく素晴らしい」「究極である」として表現したい場合は、「珠玉の」や「究極の」を使うことが適切でしょう。

「至極」を使った例文

「至極」を使った例文をご紹介しましょう。

  • この報告書には、至極もっともらしい常識的なことばかり書かれているが、それがかえってうさんくさいと感じている。
  • 彼女が仕事中に至極どうでもいいことばかりを話しかけてくるので、迷惑をしている。
  • 自分は、至極当たり前のことをしたばかりだ。わざわざお礼にきてもらうほどのものでもない。

「至極」を使った言葉とその意味とは?

「至極」を使った言葉は、数多くあります。四字熟語の「至極○○」「○○至極」と、よ樹熟語以外の「至極○○○」について、見聞きすることが多い表現をその意味とともに紹介します。

「至極幸せ」の意味は”この上ない幸せ”

「至極幸せ」(しごくしあわせ)の意味は、「この上なく幸せであること」です。文句の言いようがないぐらい、幸せであることを表しています。

「至極当然」の意味は”極めて当然”

「至極当然」(しごくとうぜん)は、「極めて当然であること」「極めて当たり前であること」を意味します。疑いや異論を唱える隙間もないほどに「当然」である場合に、使う言葉です。

「至極簡単」は”この上なく簡単”の意味

「至極簡単」(しごくかんたん)とは、「この上なく簡単」の意味。単に簡単というだけではなく、これ以上ないほどの誰にとっても簡単である意味合いとして使います。「至極簡単なのでやってみる価値はある」などと使う言葉です。

「恐悦至極」の意味は”恐れ多いほど感謝する”

「恐悦至極」(きょうえつしごく)とは、「恐悦至極に存じます」など目上の人に対して使う言葉。相手に対して敬意とともに感謝や喜びの気持ちを表すときに使う言葉で、「この上なく喜んでいること」を意味しています。なお、「至極恐悦」という表現を見かけることもありますが、本来は「恐悦至極」が正しい表現となります。

「至極一般的」は「極めて一般的」の意味

「至極一般的」(しごくいっぱんてき)とは、「極めて一般的である」ことを意味する言葉です。特別であるところを持たない、世の中によくある一般的なことを表す際に使います。

「至極真っ当」の意味は”極めてまとも”

「真っ当」は「まともであること」「いい加減なところがないこと」を意味する言葉。したがって、「至極真っ当」(しごくまっとう)は「極めてまともであること」の意味となります。なお、「真っ当」は「全う」が本来正しい表現であり、「真っ当」は当て字を使った表現となります。

「至極」の類語・類義語とは?

至極の類語①「とびきり」は”並外れている”の意味

「とびきり」は、「とびきり上手」などと使う「並外れている」の意味を持つ言葉です。「至極」は「この上なく」「極めて」の意味を持っているため、類語ということができます。

至極の類語②「すこぶる」は”非常に”の意味

「すごぶる」は、「すこぶる快調」などと使う言葉で、「非常に」「たいそう」などの意味を持ちます。近い意味合いを持っていると言えます。

「至極」の英語表現とは?

英語で「至極」は”extremely”が適している

「至極○○である」を英語で表現する場合は、「極めて」や「極端な」の意味を持つ“extremely”を使うのが適しています。「extremely obvious」は「至極当然な」、「extremely easy」は「至極簡単」を意味しています。

まとめ

「至極」とは、「この上なく」を意味し、四字熟語など他の言葉と組み合わせて使う場合が多い言葉です。「至極当然」「至極真っ当」など日常的に使う言葉から、謙譲語となる「恐悦至極」まで幅広く使われます。