「関所」の意味と役割とは?ヨーロッパの関所や「関所破り」も解説

「関所」と言えば、昔の日本で旅の行路の要所にあった関所を思い出しますが、ヨーロッパにも関所はあり城塞でした。

今回は「関所」の意味と役割のほかに、関所の日本とヨーロッパの歴史を紹介します。さらに「関所破り」など関所を使った表現の意味も解説します。「関所」に関する知識を少し広げてみませんか。

「関所」の意味と役割とは

「関所」とは「検問所」のこと

「関所」(せきしょ)とは、交通の要所や国境などに設けられた施設で、国を守るためなどの理由で関所を通過する人や物を検査した検問所です。また関所を通過する際に中世では関銭(せきせん)とも呼ばれる関料を取り、幕府や豪族などの財源にあてられていたこともありました。

「関所」の役割は中世では資金調達手段、近世では流通規制

「関所」が設立された古代では国を守るための軍事目的として関所が設けられましたが、中世には関料を徴収して資金を得るための手段として機能していました。近世になり治安が良くなったものの江戸幕府は江戸を守る目的から武具の流通規制の要所として使われました。つまり、「関所」は時代とともにその役割が変わっていきました。

日本とヨーロッパの関所の歴史

日本の関所の歴史は古い

日本の関所の歴史は古く、古代ですでに人の交通や貨物の取り締まりさらに軍事上の目的として防備のために関所が設けられていて、飛鳥時代の646年には制度化されました。

奈良、平安時代には平安京を守るための軍事的意味合いの強い「鈴鹿関」「不破関」「愛発関」(あちらのせき)の三関(さんかん)を代表とする関所が各地に設けられました。

鎌倉時代には、関所は軍事目的というよりは関料を徴収ためと目的を変え、安土桃山時代には全国の関所は廃止されました。

しかし江戸時代になると徳川幕府は江戸を守るために諸大名の統制を強化する目的で関所を復活し、新しく関所を設けました。東海道や中山道をはじめとする五街道やそれ以外の道である脇往還(わきおうかん)にも関所を設け、その数は50か所にもなりましたが、明治時代の1869年に政府によって関所は廃止されました。

江戸時代の「入鉄砲出女」は「鉄砲と女性の出入りを規制」

江戸時代の関所の特徴には「入鉄砲出女」(いりでっぽうでおんな)と呼ばれる鉄砲などの武器と女性の関所の通過規制が挙げられます。大名の反乱を抑止するために鉄砲などの武器が江戸に入ることを規制し、運送する者は幕府老中が発行する「鉄砲手形」を所持することが義務付けられました。

一方、人質の意味もあった大名家に仕える女性を江戸から逃げ出さないように取り締まるため、関所では女性の通過を厳しく監視しました。関所を通過する女性も手形が必要で、その手形には女性の素性や旅の目的などが記されていました。

ヨーロッパの関所は城塞だった

ヨーロッパで見られる関所とは、中世から近世にかけたローマ帝国時代に設けられたもので、英語で「トール・キャッスル」(tall castle)と呼ばれる城塞でした。

ヨーロッパの中心を流れるライン川などの長距離の物資の搬送ルートには関所が設けられ、川沿いに建つ関所は通行の規制をしたり、ただその地域を通り抜けるという理由だけで通行税を徴収していたこともありました。

また国境や川の合流地点などの要所で、監視場所を見下ろすことができるような山の中腹などの高い位置に関所は設けられました。そのような関所はその地域を守るという目的もあり、武装した兵衛が常時監視をしていました。

「関所」を使った表現

「関所手形」とは「関所を通るための通行証」

「関所手形」とは関所を通るときの通行許可書で、略して「手形」や「証文」とも呼ばれます。室町時代から関所手形はあり、江戸時代には武具の関所通過を規制する「鉄砲手形」と女性の通過を規制する「女性手形」がありました。

「関所手形」という名称ができる前にも手形と同じ役割を果たすものとして「過所」(かしょ)があり、古代・中世には使われていました。

「関所破り」とは「手形なしで不法に関所を通ること」

「関所破り」とは、江戸時代に関所を通るときに手形を必要としているにもかかわらず、「関所手形を持たずに不法に関所を通ること」です。また「関所のない抜け道である間道(かんどう)を抜けて国境等を超えること」も関所破りと言います。関所破りは犯罪の中でも特に重く、関所破りをした者だけでなく手伝った者も磔(はりつけ)の刑に処せられました。

ただし、誰もが関所を通過するために手形を必要としているわけではなく、手形を必要とするのは、江戸から出ていく女性の「出女」(でおんな)や不審者、傷を負っている「手負」(ておい)に死者でした。

「関門」とは「関所の門」または「関所」のこと

「関門」(かんもん)とは「関所の門」を略した言葉で、「関所」を指す言葉でもあります。関所を通ることが当時の人々にとって一苦労だったことから「関門」は派生して、「突破するのに難しいこと」という意味で現在でも使われています。

「関所」の英語表現

「関所」は英語で「checkpoint」

「関所」は英語で「checkpoint」と訳されます。「check」は「検査する」などの意味で、「point」は「物の先端や先」または「点」という意味から派生して、「要点」や「地点」という意味があります。つまり「checkpoint」とは「検査する場所」という意味になります。

現代では「checkpoint」は検問所と訳されて、特に国境で通行する人々を検査する施設です。

「関所」を使った例文

  • “There were armed guards at the checkpoint.”
    「関所には武装した兵衛がいた」
  • “We could pass the checkpoint without incident.”
    「無事に関所を通過した」

まとめ

「関所」とは要路や国境で人や通過するものを検査して問題がないかを確認する施設で、日本では古代から江戸時代まで国の防衛目的で使用されたり、関料を徴収して財源として活用されたこともありました。