「コールドリーディング」は、占いや恋愛において効果的なコミュニケーション技術で、ビジネスで注目されています。この技術を使って相手への理解を示すことで、より前向きな話をすることができる可能性があります。
早速「コールドリーディング」の意味や「コールドリーディング」のやり方、メリット・デメリットを紹介しましょう。
「コールドリーディング」とは?
「コールドリーディング」とは”信頼されるため会話技術”
「コールドリーディング」とは、“相手に信頼してもらうための会話技術”です。コミュニケーションにおける有効的な技術の一つです。基本的には、あまりよく知らない人や、始めてあった人に対し、外観や雰囲気を観察したり、たわいもない会話の中で相手の性格や過去などを言い当てて、相手に「私はあなたのことをよく知っています」というメッセージを送る会話技術のことです。
「コールドリーディングは」英語の「cold reading」のことで、「cold」は「事前準備がなく」「即興で」、また「reading」は「相手の心や気持ちを読み取る」という意味があります。ただし、「コールドリーディング」は相手に信頼してもらう会話技術であり、決して人を騙したり悪用すべき会話技術でありません。
「コールドリーディング」の目的は”信用されているという実感”
「コールドリーディング」の目的は、あまり知らない人、もしくは始めて会う人に対し、相手が「信用をしてもらっている」「尊敬の気持ちがある」と実感してもらうことです。
人は初対面の時緊張したり、相手を信用しなかったりすることが多く、コミュニケーションが上手に取れないことがほとんどでしょう。そのため、特別な会話技術を使って相手に「私はあなたのことを知っています」という気持ちを知ってもらうことで、心地よいコミュニケーションのスタート、そして会話の接点を築くことができるのです。
「コールドリーディング」は”相手の心理を当てることではない”
「コールドリーディング」は相手の心理や脳裏を読み取る超能力的なな技術ではありません。「コールドリーディング」の状況が、まるで相手の心をズバリ当てるようであるため、このような誤解を生んでしまうこともあるようですが、あくまで目の前にいる相手に信用をしてもらうための会話技術となります。意味の捉え方を間違えないように気を付けましょう。
「コールドリーディング」の実例とやり方とは?
「コールドリーディング」を実際に「営業」「恋愛」「占い」の三つのシーンで使ってみましょう。それぞれの場面におけるコールドリーディングのやり方について紹介します。
「営業」で使えるダブルバインド
営業では日本語で言う「ダブルバインド」が有効的です。ダブルバインドとは「予め選択肢を用意して、相手に意思決定をさせない会話技術です。「どうしますか?」ではなく「どちらにしますか?」となります。「AかBか?」です。
たとえば、営業なら「これら数種の商品を扱っています」という行程を飛ばし、「今、この商品がお買い得です」とAとBの商品を見せて営業をするようなことを指します。たとえば、お酒を飲むということを前提に、いきなり「ワインは赤が好きですか?それとも白ですか?」と聞くようなニュアンスです。
しかし、ダブルバインドを使う時は相手にストレスをかけたり「いきなり選択させられるなんて、失礼」と思わせてしまうことがあるため、ある程度顔見知りであったり、人間関係が良好な場合に対して使える技術となります。
「恋愛」や「占い」で使えるバーナム効果
「コールドリーディング」は恋愛や占いでも効果的に威力を発揮します。「バーナム効果」とは、「およそ誰にでも当てはまるような内容のことを言われた時に、それは当たっている。私の性格や特徴そのものだ」と信じてしまうことを指します。
たとえば、占いで「あなたは優しい性格ですが、人一倍負けん気が強いですよね」「過去に苦労をしているせいで、不安と期待をいつも持ち合わせていますね」と性格を当てたとしましょう。占ってもらった人は「その通り」と思うはずです。占いという専門的な世界から見ると「こんなに私のことがわかってしまうんだ!」と逆に怖くなるほどです。
「コールドリーディング」による「バーナム効果」は「この人は私のことを私以上に知っている」と認識させることができるのが特徴です。そのため、恋愛においても、ほぼ誰にでも当てはまるような「あなたは優柔不断に見えるけど、実は芯はしっかりしているよね」「普段は表に出さないけど、甘えん坊じゃない?」などの会話を取り入れると、グッと信頼関係が増してきます。
「コールドリーディング」のメリット・デメリットとは?
「コールドリーディング」のメリット・デメリットを紹介します。
メリットは「即座に人間関係が構築できること」
「コールドリーディング」のメリットは、やはり即興である程度の人間関係が築けることです。相手の情報を知らない状態で、有効な人間関係を結ぶには、相当の努力と時間を要しますが、「コールドリーディング」を使えば、相手と円滑な人間関係の土台をすぐに作ることができます。
デメリットは「技術に頼りすぎると相手を誤解する可能性があること」
「コールドリーディング」のデメリットは、利益や成績を挙げることに集中しすぎて、コールドリーディングの技術に頼り過ぎてしまうことです。
人は感情や気持ちがあるため、技術攻めの会話に相手が疲れてくることもあるでしょう。一方で、技術にとらわれ過ぎた結果、相手の「私はそう思ってない」「私は反対である」という本心を見逃してしまい、後にトラブルになることも考えられます。つまり、「私のことをわかっていない」と逆の効果を生んでしまうことにもなりかねません。
会話に一滴たりとも感情なくなってしまうと、人というものは段々と興味が薄れ、離れてしまう傾向があります。「コールドリーディング」を活用しながら、楽しく生きた会話も取り込むように心がけることが必要です。
まとめ
「コールドリーディング」は初対面や知り合って日数の浅い人に対し「私はあなたのことを知っています」と思わせるコミュニケーション技術の一つです。相手に私はあなたの気持ちをわかってると思い込ませることで相手を安心させ、信頼してもらうことが目的となります。
「コールドリーディング」は占いや恋愛・営業などの駆け引きの場面で効果的に威力を発揮しますが、その他、弁護士や医師、セラピストやケアラーなどの職種でも活用されています。人間関係のスムーズな構築に役立つ「コールドリーディング」。ぜひ、技術を習得して、仕事にプライベートにかつ活用してみましょう。