「好奇心」は「好奇心が強い」のように興味が持つことという意味で使われれる言葉ですが、似た言葉である「探求心」や「関心」とはどのように意味が違うのでしょうか。今回は「好奇心」の意味や使い方のほかに、「探求心」などの類語と対義語、さらには英語表現も紹介します。
「好奇心」とは?
「好奇心」の意味は”珍しいことに興味を持つこと”
「好奇心」の意味は、“珍しいことや知らないことに興味を持つこと”です。
人が生まれつき持った感性のひとつで、珍しさや意外だと思われること、複雑だと思える事柄がどういうことなのかを知りたいという感情です。好奇心が動機となって、興味を持ったことに対して探索するという行動を起こします。ただ、どんなものを珍しいと思うか、興味を持つかは個人差があります。
「好奇心」は”知覚的好奇心”と”知的好奇心”に分けられる
「好奇心」には2種類あり、”知覚的好奇心”と”知的好奇心(認識的好奇心)”に分けられます。
「知覚的好奇心」とは、見たことや聞いたこと、触った時の感触などにより刺激されて起こる好奇心を指します。「知的好奇心」とは信念や思想などに関する問題や知識上での違いなどに興味を持ち引き起こされる好奇心のことです。
また好奇心を特別な関心事を持たない漠然と興味から生まれる「拡散的好奇心」と、一つのことに集中して知りたいという気持ちが動機となる「特殊的好奇心」に区分することもあります。
「好奇心」の使い方と例文とは?
「好奇心が強い」とは”関心の度合いが大きいこと”
「好奇心が強い」とは、いろんなことに興味を持ちやすい特徴を表す表現です。新しいことに敏感で、ポジティブな意味合いで使われることが多いです。
「好奇心にかられる」は”知りたいという欲求がとても強いこと”
「好奇心にかられる」とは特に好奇心が強く、物事の本質までも知りたいといった気持ちを表す表現です。物事に興味を持って追求したいという気持ちを表す探求心を使った「探求心にかられる」という表現と置き換えることもできます。
「好奇心を満たす」とは”知りたいことが分かって満足した状態”
「好奇心を満たす」とは「何かを知りたいという気持ちがその対象を知ることができて落ち着いた状態」を表す表現です。知りたいという欲求が満たされたため、満足しているといった状況で使われます。
「好奇心旺盛」は自己PRでアピールポイントになる
「好奇心」の使い方のひとつに「好奇心旺盛」という表現があります。好奇心が強いことを表す表現でポジティブな意味合いで使われます。そのため面接での自己PRでもよく使われる言葉です。
「好奇心旺盛で何もかも知りたがるところがある」
「好奇心旺盛な人だと言われます」
「好奇心」の類語と対義語とは?
類語①「探究心」の意味は”対象の本質への興味”
「探求心」とは「物事の本質を探り明らかにしようとする気持ち」のことです。
「好奇心」との違いは、「好奇心」とは知りたいと思う対象を一つに絞ってもいいのですが、定めなくても構わず、人間が生まれつき感覚で見たことや知らなかったことを知りたいという気持ちです。一方「探求心」は対象を一つに絞り、それの真の姿を追い求めようとする感情を表します。
「彼の探求心はどこから来るのだろう」
類語②「関心」の意味は”特定の物への興味”
「関心」とは「ある一つのことに興味を持ち、それに特別に注意を払うことやその感情」という意味です。
「好奇心」との違いは、「関心」は対象を一つに定めて興味を持つもののその対象のことを知りたいという気持ちにまでは至っていない状態です。一方「好奇心」はある対象に好奇心を抱いたのであれば、その対象のことを知りたいという気持ちが含まれています。
「生まれたばかりの子犬がミルクに関心を示した」
類語③「興味」の意味は”物事に引きつけられること”
「興味」とは「物事に引きつけられること」という意味で、「興味を引く」や「興味がわく」のように使われます。「好奇心」ほどに強い関心は抱いていない状態なので、ちょっとした関心を示したようなときにも使われます。
「試合を見ているうちにどちらの選手が勝つのか興味がわいてきた」
「好奇心」の対義語は「無関心」
「好奇心」の対義語は「無関心」で、「興味を持たないこと」という意味です。「他人に無関心」と言えば、自分のこと以外に興味を持たない人のことを指し、人とのコミュニケーションを嫌うというネガティブな意味合いが含まれます。
「政治の話を振ってみたが、彼は無関心だった」
「好奇心」の英語表現とは?
「好奇心」は英語で”curiosity”
「好奇心」を英語では“curiosity”と表現します。「curiosity」とは形容詞「curious」から派生した名詞形で、語源となった「curious」には「何かを知りたがる」や「好奇心の強い」という意味があると同時に、「奇妙な」や「変わった」といった意味もあります。
「好奇心が強い」は”curious”や”inquisitive”
「好奇心が強い」には“curious”や“inquisitive”が使えます。
「curious」は「好奇心が強い」という意味の言葉だとすでに紹介しましたが、「inquisitive」は特に知的な面で興味が強い場合に使われる言葉です。時には「知りたがり」のように訳されて、好奇心が旺盛すぎて人に嫌がられるような状態を表す場合にも使われます。
「好奇心」を使った英語例文
「好奇心」を使った英語例文をいくつかご紹介しましょう。
- “Children show curiosity for everything.”
「子供たちはなににでも好奇心を見せる」 - “An intelligent person is curious.”
「知的な人は好奇心が強い」 - “Don’t be so inquisitive! It is my job.”
「そんなに好奇心を持つなよ。これは俺の仕事だぞ」
まとめ
「好奇心」とは「まだ知らないことや珍しいことに興味を持つこと」という意味です。生まれつきに持った感性で、知覚的好奇心や知的好奇心などがあります。好奇心旺盛や好奇心が強いなど使い方もバラエティに富んでいます。
「好奇心が強さは彼が生まれ持った特質と言っていい」