「サービス業」とは?定義や種類を職業分類一覧で簡単に紹介

少子高齢化でますます注目される「サービス業」。将来はサービス業に就きたいと考えている人も多いと思いますが、一体「サービス業」とはどのような業種で、どのような種類の職業を指すのか把握していますか?

今回は「サービス業」の定義やサービス業の特徴、サービス業の種類や職種例を一覧でわかりやすく紹介します。

「サービス業」の定義とは?

「サービス業」とは”お客様に対してサービスを提供する業種”

「サービス業」とは、”お客様に対してサービスを提供する業種のこと”です。具体的にはサービスによる効用や効果、または満足感や感動といった「形の無い財」を提供することで対価を得るのが特徴です。

「サービス(service)」には「接客」の意味の他、「貢献」「奉仕」「役に立つこと」などの意味があります。また、人や環境のために尽力し、相手や状況に合わせて求められることを行うこと、世話をすること、という意味も持ち合わせています。たとえば、仕事で疲労が溜まっている人ならリラクゼーション系のサービス、結婚を控えている人ならブライダルサービスなどが該当するでしょう。

また、車や家などを修理する修理業やメディアを通じて情報を発信する情報提供サービス、また家具や車を貸し出すレンタル業もサービス業です。

ホテルなどの接客業は「サービス業」に含まれる

「サービス業」と聞くと「接客業」を思い浮かべる人も多いでしょう。接客業とは「お客様の相手をすること」「お客様のおもてなしをすること」を主とする業種です。つまり、お客様に対し直接サービスを行う仕事が接客業となります。たとえば、以下のような職場が当てはまります。

  • レストランやカフェ
  • 居酒屋などの飲食店
  • ホテルやリゾートなどの宿泊施設
  • アーケードや遊園地などの娯楽施設
  • 美容院やネイルサロンなどの美容理容店
  • マッサージやアロマセラピーなどのリラクゼーション施設 など

「サービス業」の種類とは?

「サービス業」は”個人向け”と”事業所向け”に分類される

「サービス業」は定義が一律ではないため、イメージとして捉えるのが難しい業種かもしれません。

「サービス業」は日本の産業区分である「第一次産業、第二次産業、第三次産業」の中の「第三次産業」に属し、形のあるものを取引する小売や卸業以外となる「非製造業全般」を指します。そこから「個人向け」と「事業所向け」の2つにカテゴリーが枝分かれします。

  • 個人向け:「旅行、娯楽一般、理容・美容関係」
  • 事業所向け:「法務、税務、リース関係」

個人向けなのか、それとも企業や組織向けなのかによって、サービス業におけるカテゴリーが2つに分類されるということです。「個人向け」「事業所向け」の分類はサービス業の定義の一部として解釈しておきましょう。

飲食店などの個人向け「サービス業」は土日休みのところが少ない

飲食店や宿泊施設など、多くの「サービス業」において、会社の就業規則として「土日休み」を掲げているところは少ないといえます。

「サービス業」もさまざまですが、飲食店や娯楽施設、リゾート、ホテルや宿泊施設など、職種によっては24時間体制で顧客に対応しなければならないことがあります。土日に休みを取っていては、接客業として経営を続けていくことは大変難しくなります。

そのため、一般的には「サービス業」において週5日土日休みという企業はどうしても少なくなってしまうのです。変則的でありながらも週休2日で休みを設けたり、就業パターンにシフト制を導入したりすることで、顧客のニーズにこたえられるようサービス体制を整えています。

「サービス業」の一覧と職種例とは?

総務省『日本標準職業分類』による一覧紹介

それでは「サービス業」には一体どのような種類があるのか、総務省の『日本標準職業分類』をもとに、わかりやすく一覧をまとめてみました。

種類職種例
生活衛生サービス職理容師・美容師

美容師アシスタント

美容サービス・ネイリスト

クリーニング・浴場従事

飲食物調理職調理人・シェフ・バーテンダー

パティシエ・給食調理・すし職人

接客・給仕職飲食店主・店長・支配人

旅館主・ホテルスタッフ

キャビンアテンダント

娯楽スポーツ施設接客

家庭生活支援サービス家政婦(家政夫)・家事手伝い

ベビーシッター

介護サービス職福祉医療施設での介護職員
保健医療サービス職看護助手・歯科助手

動物病院助手

「専門サービス業・複合サービス業・情報サービス業」とは?

サービス業の一覧を前述でご紹介しましたが、その他にも「専門サービス業」「複合サービス業」「情報サービス業」などのカテゴリーも存在します。

「専門サービス業」は税理士や弁護士

専門サービス業とは、主に専門的な知識や技術を提供する業種を指します。国家資格を要する「税理士」や「弁護士」、また「行政書士」や「ファイナンシャルプランナー」などが専門サービス業に属し、その他、セキュリティー、ビル清掃やメンテナンス、法務や給与関係の代行業などがあります。

専門サービス業は顧客が通常の力では賄えない特別なエリアを、専門的な知識と技術を使って生活を支えてくれるのが特徴です。

「複合サービス業」は協同組合や郵便局

複合サービス業は複数の分類にわたるサービスを提供するサービス業を指し、協同組合や郵便局など、信用事業、保険事業、共済事業などを行う事業所があてはまります。

「複合サービス事業」を「大分類」とし、協同組合と郵便局の二つの「中分類」が存在し、さらに郵便局委託業や農林水産業協同組合などの「小分類」、そして簡易郵便局や森林組合などの「細分類」まで、事業の種類や範囲が法的に細かく定められているのが特徴です。

「情報サービス業」は市場調査やデータセンター

情報サービス業はテレビやラジオ、インターネットでの通信や放送にあたる「情報通信業」の中にある業種の一つです。

情報サービス業は市場調査やデータセンター、世論調査サービスを提供する「情報処理・提供サービス業」と、ゲームソフトウェアやパッケージソフトエアを扱う「ソフトウェア業」の二つに分かれています。

まとめ

「サービス業」は広義で多種多様であり、新しいサービスも近年増え続けているため、一律に定義づけができないのが現状です。そうとは言え、少子高齢化が進み、福祉や介護をはじめ、デリバリーサービスや癒しを提供するセラピー系の職種などのサービス業が盛んになっており、需要も高まってきています。

「サービス業」は人と接することが基本となるため、顧客が何を求めているかを見極める能力が必要です。何より心のこもった暖かいサービスを提供するという心構えが第一であるとも言えるでしょう。