「随一」の意味と語源とは?使い方の例文や「唯一」との違いを説明

「随一を誇る」や「県内随一」などの使い方をする「随一」という言葉。似ている言葉に「唯一」や「逐一」がありますが、それぞれ違いがあるということを知っていますか?「意味を知りたい」「類語を知りたい」という方に向けて、意味や使い方、類語を紹介します。

「随一」とは?

「随一」の意味は「数多くある中の1番」

「随一」の意味は、“数多くある中の1番”です。「随一」は”比較するものがある”ということが前提であり、その中でも1番であるときに使用できます。

例えば、「我が国で随一の医者が、治療を担当してくれた」という例文。上記の例文は、「我が国で1番の医者が、治療を担当してくれた」という意味になります。

「随一」の読み方は”ずいいち”

「随一」の読み方は、“ずいいち”です。よくある読み間違いとして「ずいいつ」があるので、注意しましょう。

「随一」の語源は古語にある

「随一」の語源は古語にあります。「数多くある中の1番」を意味する「随一」ですが、古語としては「数多くある中の1つ」を意味しています。元々は、「全体のなかの1つ」を意味する言葉だったのが、転じて「全体で1番」を意味するようになりました。

「随一」の使い方と例文とは?

「○○で随一」の型で使われる

「随一」は「○○で随一」の型で使用し、○○の部分に1番である範囲を入れます。例えば、「関東で随一の和食料理」や「21世紀で随一の和食料理」などの使い方をします。単に「随一の和食料理」という使い方をすると、どこで1番なのかが分からないため注意しましょう。

「随一を誇る」は1番であることを誇示している

「随一」の使い方の1つが「随一を誇る」です。「誇る」とは、「名誉に思い、誇らしげに示すこと」を意味する言葉で、1番であることを誇らしげに示す状況で使用されます。例えば、「業界随一を誇る我が社にお任せください」という例文。

上記の例文は、「業界で1番を誇っている我が社にお任せください」という意味になり、自社が業界で1番であることを誇示する文章となります。

「県内随一」は「県内で1番」を意味する

「随一」を使った「県内随一」という言葉は、「県内で1番」を意味しています。「県内随一の名店」や「県内随一の観光名所」などの使い方ができます。例えば、「県内随一と言われている観光スポットだが、最近は地元の人すら寄り付かなくなった」という例文。

上記の例文のように、「県内で1番のものや場所」を表現するときに使用できます。

「随一」を使った四字熟語の「当代随一」

「随一」を使った四字熟語が、「当代随一(とうだいずいいち)」です。「当代」とは、「今の時代」「今の世代」を表しているため、「当代随一」は「今の時代で1番」という意味があります。例えば、「当代随一の建築家」という文章だと、「今の時代で1番の建築家」になります。

「随一」を使った例文

「随一」を使った例文をご紹介しましょう。

  • 日本随一と謳われている滝へ行ってきたのだが、やはり迫力がすごかった
  • 彼が舞台に立つだけで観客が湧く。さすが、劇団で随一の役者だ
  • 県内随一と評判のホテルに宿泊したが、サービスが悪くがっかりした

「随一」と「唯一」「逐一」の違いとは?

「唯一」との違いは”比較対象の有無”

「随一」と混同されることもある「唯一(ゆいいつ)」という熟語ですが、2つには違いがあります。「唯一」とは「他には無くただ1つであること」を意味する言葉です。「多くの中で1番」を意味する「随一」とは、比較対象があるかないかの違いがあります。表記が似ていることもあるため、混同しないよう注意しましょう。

「逐一」は”全て”を意味する

「逐一(ちくいち)」も「随一」と表記が似ているため、混同しないよう注意が必要です。「逐一」とは、「順を追って全てを取り上げる様子」を表しており、「随一」のように「1番」という意味は含まれていません。

「随一」の類語とは?

「1番」を表す「○○一」という表現

「随一」の類語には、「世界一」や「業界一」などの言葉が当てはまります。例えば、「日本で随一の技術」という文章を、類語に言い換えると「日本一の技術」となります。「随一」が伝わりにくいと判断した場合、類語に言い換えてみましょう。

「随一」の英語表現とは?

「随一」の英語表現は”most”や”best”

「随一」の英語表現には“most”“best”が当てはまります。例えば、「She is the most popular actress in japan」という例文。上記の例文は「彼女は日本で1番人気のある女優」という意味になります。

まとめ

「随一」とは、「数多くある中の1番」を意味する言葉で、「随一を誇る」や「県内随一」などの使い方をします。「随一」と間違われやすい言葉には「唯一」や「逐一」などがありあすが、それぞれ使い方に違いがあるため注意しましょう。

状況によっては、類語の「世界一」や「業界一」に言い換えてください。

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hana
大阪在住の新人ライターです。学生時代にビジネスマナーや医療事務・秘書などの検定を取得し、前職は医療秘書として医院勤めでした。料理とスポーツが得意なので、いつか記事にできたらなと思っています。よろしくお願いします。