「慈しみ」の意味と使い方とは?類語表現も解説【例文つき】

「慈しみ」は、「我が子への深い慈しみ」など対象となる相手を想う心を表現した言葉です。“可愛がる”や“大事にする”といったニュアンスがあるため、親子や夫婦間などで使われることが多いです。今回はそんな「慈しみ」の意味や使い方の例文を解説していきます。類語や似た意味を持つ熟語、英語表現なども紹介します。

「慈しみ」とは?

「慈しみ」の意味は「恵み」「慈愛」

「慈しみ」の読み方は「いつくしみ」で、動詞「慈しむ」を連用形にした言葉です。『慈』の字自体に「深い愛」や「無償の愛」、「可愛がる」という意味合いが込められていることから、「恵み(めぐみ)」「慈愛(じあい)」を意味します。 “相手を労わり思いやる気持ちを持つ”といったニュアンスがあるため、恋愛中の愛情というよりも、我が子を愛するような愛情を表現します。

「恵み」・・・めぐむこと、恩恵

「慈愛」・・・深い愛情、かわいがるような

「慈しみ」の語源は「うつくしむ」

「慈しみ」の語源は、平安時代の言葉「うつくしむ」が転じた言葉と言われています。「うつくしむ」の“可愛がる”や“大切にする”、“愛する”と言う意味が、現在使われている「慈しみ」に反映されています。

仏教の世界で「慈しみ」は“無償の愛”を表す

仏教の世界においての「慈しみ」は、ギブアンドテイクのような“渇愛(かつあい)”ではなく、ギブギブの見返りを求めない“無償の愛”を表現します。

「渇愛」・・・喉が渇いて水を求めるような激しく執着心のある愛

「慈しみ」の花言葉をもつ花は「ロウバイ」

1〜2月に黄色の花を咲かせる木『ロウバイ』の花言葉は「慈しみ」です。花の少ない冬の時期に奥ゆかしく咲いている姿が由来と言われています。「慈しみ」の他にも、「ゆかしさ」「先導」「先見」という花言葉も持っています。

「ゆかしさ」・・・心が惹かれること、恋しいこと

「先導(せんどう)」・・・先に立ち導くこと

「先見(せんけん)」・・・将来をあらかじめ見抜くこと

「慈しみ」の使い方と例文とは

「慈しみ」は基本的に“人”に対して使う

仏教の世界では一切の生物に対して「慈しみ」を使いますが、日常的に使う場合は“人”に対して使います。その具体的な対象は、以下の通りです。

具体的な対象:

  • 自分の子供
  • 自分の両親
  • 旦那・奥さん
  • 恋人
  • 教え子     など

年齢性別に関係なく、“幸せになってほしい”や“守ってあげたい”と心から想う相手に対して使います。

「慈しみ」の例文

  • 「夫婦間で大事なことは、お互いが慈しみの心を持つことだと思っている」

→夫婦間で大事なことは、相手に対し深い愛情や思いやりを持ち、尊重し合えることだと思っている

  • 「嫁いだ後も、昔と変わらず両親の慈しみを感じる」

→結婚して離れても、両親の深く温かい愛情を感じる

  • 「どうか我が子のように、慈しみの目で彼女を見てほしい」

→彼女のことを我が子のように温かく見守ってほしい

  • 「慈しみに満ちたホストファミリーのおかげでホームシックにならなかった」

→本物の家族のように愛情を向けてくれるホストファミリーのおかげで、ホームシックにならなかった

  • 「お互いに慈しみ合うことができていたら、今頃結婚していただろう」

→お互いを損得なく思いやることができていたら、別れることもなく結婚していただろう

  • 「慈しみ育ててきた我が子がついに自立した」

→愛情を注ぎ大事に育ててきた我が子が、ついに自立した

  • 「慈しみ深い人は寛大な心を持っている人が多い」

→愛情深く相手を大事にしようとする人は、寛大な心を持っている人が多い

“慈しみの心”を持つ人の3つの性格

“慈しみの心”を持っている人は、以下のような3つの性格を持ち合わせていることが多いです。

ただ優しいだけではなく、相手の良い部分も悪い部分も含め愛している。そんな“相手のためならなんだってできる”といった性格の持ち主が、「慈しみの心」を持っている人の特徴とも言えます。

見返りを求めず人のために一生懸命になれる

損得勘定がなく、本当に相手にしてあげたいという気持ちがある

理不尽に相手を怒ったり責めたりしない

いつも相手にとっての最良の道・方法を考えている。必要であれば叱ったり、突き放すこともある。

相手ときちんと向き合う

あるがままの相手を受け入れる。受け入れ難いことがあっても逃げず、愛し続ける。

「慈しみ」の類語や似た意味の熟語は?

「慈しむ」の類語は「思いやり」「可愛がる」

「慈しみ」の類語には、日常的なシーンに取り入れやすい「思いやり」と「可愛がる」を紹介します。

  • 「思いやり」

意味は「相手の身になって考えること」です。「慈しみ」と同じく、相手のことに気を配っている様子を表します。ただ「思いやり」には「同情」という意味も含まれているため、心から愛しているといったニュアンスはありません。

  • 「可愛がる」

意味は「可愛く思い優しく扱う」「目をかけてやる」です。「慈しみ」の“慈愛”の意味合いと似ている言葉ですが、「可愛がる」には“無償の愛で相手に接する”のような意味はありません。

似た意味を持つ熟語なら「愛情」「愛心」

「慈しみ」と似た意味を持つ熟語なら、「愛情」「愛心」があげられます。

  • 「愛情(あいじょう)」

意味は「深く愛する心」「特定の相手を恋い慕う感情」です。「愛情」は、相手に深い愛を向けるという意味で似ている熟語と言えます。「慈しみ」と違う点は、“一方的な愛で相手に嫌な思いをさせる”といった自分本位な愛も含まれているということです。

  • 「愛心(あいしん)」

意味は「慈しんで愛する心」です。意味からわかるように、「慈しみ」と同義語とも言える熟語です。口語的というよりも、仏教関係の書物や小説など文語的に使われることが多いです。

「慈しみ」の英語表現は?

「慈しみ」の英語表現は「affection」

「慈しみ」を英語にする場合、「affection」という名詞で表現できます。

  • 「affection」

「affection」は、「(人が妻や子供などに示すような)愛情」「優しい思い」を意味する言葉です。温かく永続的な愛情のニュアンスが含まれているため、「慈しみ」と非常に近い意味を表現できます。

「love」でも「慈しみ」を表現できる

「慈しみ」は、身近な言葉「love」でも表現できます。

  • 「love」

「love」は、「(家族・友人・祖国などに対する)愛情」「愛する」「可愛がる」を意味する言葉です。相手や対象になるものに対し、強い愛情があることを表現します。名詞でも動詞としても使えます。「affection」の“永続的な愛情”といったニュアンスはありません。

まとめ

「慈しみ」は損得勘定がない“無償の愛”を表す言葉であるため、恋愛感情というよりも、我が子や教え子を思う親心などの感情を表します。類語でも説明したように、自分本位の愛というニュアンスが含まれる「愛情」とは少し違う部分があるので、区別して使えるようになりましょう。