「布石」の意味とは?「布石を打つ」などの使い方や類語を紹介

「将来のための備え」を意味する「布石」という言葉。本来は囲碁用語として使用されている「布石」ですが、比喩表現からビジネスでも使用されています。「意味や語源が知りたい」「使い方を知りたい」という方に向けて、意味や語源、「布石を打つ」などの使い方を紹介します。例文も紹介しているため、参考にしてください。

「布石」とは?

「布石」の意味は”将来のための備え”

「布石」の意味は、“将来のための備え”です。未来に何が起こるかを考え、備える状況で使えます。例えば、「老後への布石として、資産運用を始める」という例文。上記の例文は、「老後の備えとして資産運用を始める」という意味になります。

「布石」は囲碁における比喩表現が語源

「布石」は元々囲碁で使われる用語で、「戦いの序盤に、先の戦いを考えて石を配置すること」という意味があります。囲碁や将棋では、現代でも上記の意味合いで使われています。「先の戦いを考えて石を配置する」という意味に比喩表現を用いて、「将来のための備え」という意味になりました。

「布石」の読み方は”ふせき”

「布石」の読み方は“ふせき”です。

「布」と「石」を訓読みにすると「ぬのいし」となりますが、「布石(ぬのいし)」とは建築用語で「布敷(ぬのじき)」に使われる石を指します。「布石を打つ」などの使い方をする「布石」とは異なる物になるため、とくに話し言葉で「布石」を使用する場合は、「ぬのいし」と読まないよう注意しましょう。

ビジネスシーンでの「布石」の使い方と例文とは?

営業で使われる「布石を打つ」

ビジネスシーンで使われるのが「布石を打つ」という使い方です。とくに営業では、契約をとるために布石を打つことが大切となっており、契約をとるためにあらかじめ策を用意しておくことを意味しています。

例えば、「今日こそは契約を取らなければならないため、布石を打っておいた」という例文。上記の例文は「今日こそ契約を取らなければならないため、あらかじめ策を用意しておいた」という意味になります。

「布石を置く」「布石を投じる」とも言う

「布石を置く」や「布石を投じる」も、よく使われる「布石」を使った言い回しです。囲碁を打つ様子を「置く」や「投じる」に言い換えているだけで、「布石を打つ」と使い方は同じです。例えば、「明日のプレゼンが成功するよう布石を打つ」という文章を、「布石を置く」や「布石を投じる」で言い換えることができます。

ビジネスシーンで使える「布石」を使った例文

ビジネスシーンで使える「布石」を使った例文をいくつかご紹介しましょう。

  • 志望する部署へ配属されるために布石を打っておいたが、どうなるかわからない
  • 一見するとリスクが大きいように感じられるが、次期幹部になるための布石なのだ
  • ライバル会社との競争を勝ち抜くためには、布石を投じる必要がある
  • 今はつらい仕事だが、将来のための布石となることを願い働いている

「布石」の類語表現とは?

「布石」の類語は”伏線を張る”

「布石」の類語には「伏線を張る」が当てはまります。「伏線を張る」とは、「今後の展開が上手く進むように、あらかじめ備えておくこと」を意味する言葉で、「あらかじめ備えておく」という点で「布石」の類語となります。

ただ、「伏線」は「今後の展開をほのめかす」という意味もあり、小説や漫画などでストーリーを面白くするために使われる技法の1つです。「布石」には、「今後の展開をほのめかす」という意味はないため、シーンによって使い分けましょう。

“対策”や”準備”も「布石」の類語

「対策」や「準備」も「布石」の類語に当てはまります。「対策」が持つ「物事に対応するためにとる手段や策略」という意味と、「準備」が持つ「備え」という意味が「布石」の類語となる理由です。

例えば、「必ず優勝するために布石を打つ」という例文を類語で言い換えると、「必ず優勝するために対策を練る」や「必ず優勝するために準備する」となります。状況に応じて類語へと言い換えてみましょう。

「布石」の英語表現とは?

「布石」は英語で”preparation”

「布石」の英語表現には“preparation”が当てはまります。日本語にすると「準備」を意味する単語で、「布石」の代わりに使用できます。例えば、「preparation for victory」という例文。上記の例文は、「勝利のために準備する」という意味になります。

また、「対策」を意味する「measures」も「布石」の英語表現として使用でき、「Take measures for victory」などの使い方ができます。

まとめ

「布石(ふせき)」とは囲碁用語で「戦いの序盤に今後の展開を考えて石を配置すること」を意味する言葉で、転じて「将来のための備え」を意味する言葉として使用されています。ビジネスシーンでも多く使われる言葉であり、「布石を打つ」や「布石を投じる」「布石を置く」などの使い方をします。

類語には「伏線を張る」や「対策」「準備」が当てはまるため、状況に応じて言い換えてみましょう。

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hana
大阪在住の新人ライターです。学生時代にビジネスマナーや医療事務・秘書などの検定を取得し、前職は医療秘書として医院勤めでした。料理とスポーツが得意なので、いつか記事にできたらなと思っています。よろしくお願いします。