「順不同」とは「順序がそろっていないこと」を意味し、ビジネスメールやテストの解答欄などで目にする言葉です。「意味と使い方が知りたい」「敬称略との関係を知りたい」という方に向けて、「順不同」の意味と使い方、類語・対義語を紹介します。
「順不同」の意味とは?
「順不同」の意味は”順序がそろっていないこと”
「順不同」の意味は、”順序がそろっていないこと”です。「順序不同」が省略された言葉であり、「じゅんふどう」と読みます。
「順序」が「定められた並び方」を意味し、「不同」が「同じでないこと」「そろっていないこと」を意味しています。
ビジネスシーンでは人の名前を並べるシーンで使用されますが、名前以外にも商品や案などに対して使用される言葉です。例えば、「明日の会議で提出する案を、順不同でまとめてあります」という例文の場合、まとめた案の順序に意味はなく、無作為に並べたことを表しています。
「順不同」の使い方とは?
「順不同」は順序がそろっていない状況で使用
「順不同」は順序がそろっていない状況で使用できます。例えば、会議へ参加した人の名簿を作るとします。多くの人が会議へ参加する場合、参加者リストをなんらかの順番で作成するのは大変な作業です。
また、作業に手間がかかるだけでなく、順番によっては「なぜこの人が下に記されているのか」「自分は役職的に上に表記されるべきだ」などの苦情がくることも考えられます。上記のことを避けるためにも「順不同」が使われるのです。
「順不同」は「ご了承」などお詫びの言葉と併せて使う
名前に対して「順不同」を使うときは、「ご了承」や「ご理解のほど」などお詫びの言葉と併せて使用されます。本来であれば50音順や役職順で並べますが、労力などを考えて順不同に並べることに対し、お詫びをしています。
「順不同」であることを詫びた「順不同で失礼します」
「順不同」であることに対し、お詫びを入れるシーンで使われるのが「順不同で失礼します」という言葉です。「順不同で失礼します」の他にも、「順不同にて失礼いたします」「順不同となっておりますことをお許しください」などがあるため、状況に応じて使用しましょう。
「順不同」はテストの解答欄でも使われる
「順不同」はテストの解答欄でも使用されています。解答欄で使用される場合、「答えの順番を問わない」という意味で使われています。例えば、問題1の答えが「AとB」の2つだったとしましょう。「順不同」と記されている場合、答えが「A・B」でも「B・A」でも両者が正しい答えということになります。
「順不同」をメールで使う場合
「順不同」をメールで使う場合は注意が必要
「順不同」はメールでも使用される言葉です。例えば、複数の取引先にむかって一斉にメールを送らなければならないとします。上記の状況で、「順不同」を使用することにより「名前の順番に深い意味はない」ことを意味し、取引先に優劣はつけていないことを表せます。
ただ、使用には注意が必要です。社内・社外の人にまとめてメールを送る状況や、相手の役職がはっきりと分かっている状況では、「順不同」を使用すると失礼と捉えられることがあります。社外の人の名前を優先したり、役職者を上に記したりと失礼のないようにしましょう。
メールで「順不同」を使う場合の例文
メールで「順不同」を使う場合の例文をご紹介しましょう。
- 本日ご参加いただく方をご紹介いたします。ご紹介は順不同となりますが、ご理解のほどよろしくお願いいたします。
- 我が社の問題点を、順不同で構わないから挙げていこう
「順不同」の類語表現とは?
「順不同」の類語は”敬称略”
「順不同」の類語には「敬称略」が当てはまります。
「敬称略」とは「敬称を省略すること」を意味しており、「様」や「役職名」を省略して名前を表示することを表します。「順不同」と併せて、「順不同、敬称略」と使用されることもあり、社内文書や社外の人へ宛てたメールでも使用できる言葉です。
「順不同」の対義語とは?
「順不同」の対義語は”あいうえお順・先着順”
「順不同」の対義語には「あいうえお順」や「先着順」が当てはまります。「順不同」が「順序がそろっていないこと」を意味するため、反対に「特定の規則に従って並んでいること」が対義語に当てはまります。
「順不同」の英語表現とは?
「順不同」は英語で”Random order”
「順不同」の英語表現には「Random order」が当てはまります。
「Random」が「無作為・無原則」を意味し、「Order」が「順序」を意味しています。例えば、「Listed in random order」という例文。上記の例文は「以下、順不同」という意味になります。
まとめ
「順序がそろっていないこと」を意味する「順不同」という言葉。ビジネスシーンだけでなく、テストの解答欄やメールでも使用される言葉です。順序がそろっていないことへのお詫びとして「順不同で失礼します」などの使い方をし、類語の「敬称略」と併せて使用することもあります。
場合によっては「順不同」が失礼となることもあるため、状況によって使用しましょう。