「アンダードッグ」の意味とは?効果は?恋愛・ビジネスの例も解説

「アンダードッグ」または「アンダードッグ効果」という言葉を聞いたことがありますか?決して有利とは言えない「負け」の状態から、人間の複雑な心理により最終的には逆転勝利を収めることもある、というようなニュアンスで使われる言葉です。

ここでは興味深い効果「アンダードッグ」の意味を中心に、言葉の使い方と具体的な例を挙げて解説していきます。



「アンダードッグ」とは?

最初に「アンダードッグ」の意味と言葉が生まれた背景などを紹介します。

「アンダードッグ」の意味は「判官びいき効果」

「アンダードッグ」は「判官びいき効果」という意味を持つ言葉です。試合や選挙活動で、どう見ても劣勢と判断される方に人々の心が動き、同情が集まることで応援や票数を予想以上に獲得できることなどを指します。

つまり「アンダードッグ」は人間の心理作用に関わる言葉であり、人々からの情けや感情票を引く要素でもあると言えます。

「アンダードッグ」とはアナウンスメント効果の一つ

「アンダードッグ」は「アナウンスメント効果の一つ」で、英語では「underdog(s)」と表記します。「アナウンスメント効果」とは選挙活動や経済活動において、新聞やラジオなどのマスメディア報道が人々の心理状態に作用し、行動や思考に変化をもたらすことを指します。

さまざまな世論調査を実施した結果、「アンダードッグ」は1940年代にアメリカで発見された、いうことがわかっています。人種のるつぼと呼ばれるアメリカでは、州によっても支持する政党や求める政策が異なりますが、誰の目からも劣勢と思われる政党が優勢党を負かした歴史もいくつかある程です。

アメリカでは激しい攻防戦が繰り広げられるのが通常ですが、劣勢の立場ながら、あえて「アンダードッグ効果」を有効的に利用して票を獲得する施策も珍しくありません。

英語の「アンダードッグ(underdog)」は「敗残者」を指す

一方、英語での「underdog(s)」は、日本で理解される意味とは多少異なる点があります。英語圏ではスポーツ試合や選挙などの場面で「相手に到底勝ち目のないチームや人」を意味し、状況によっては「人生における敗残者、敗北者、弱者」のようなニュアンスで使うことがあります。

しかし、「underdog charm(アンダードッグチャーム)」という表現になると、判官贔屓(はんかんびいき)という意味になり、日本のカタカナ語で使われる意味とほぼ同じになります。

「アンダードッグ」「underdog(s)」また「under charm」など、日本語と英語での使い方に気を付けて、相手に誤解を与えないようにしましょう。

「アンダードッグ」の使い方と例文

続いて「アンダードッグ」の使い方と例文について解説します。

「アンダードッグ」は「負け犬」ではない

英語では人生における敗北者や弱者という意味を持つ「アンダードッグ」は、日本でも過去に意味を「負け犬」と理解していた時期がありました。しかし、「負け犬」には「喧嘩をする以前に、しっぽを巻いてとっとと逃げるみじめな様子」を表す言葉であるため、相手に誤った意図や内容を伝えてしまうことがあります。

「負け犬」は、相手を小ばかにしたようなニュアンスを生む言葉でもあり、ビジネスや社交場では用いるべきではない表現です。「アンダードッグ」は「負け犬」という意味で使うのは適切ではありませ。あくまで「アンダードッグ」で期待される効果をひくるめて、「判官びいき」を意味するということを忘れないようにしましょう。

「アンダードッグ」を使った例文

  • 選挙戦ではアンダードッグを狙った同情票を数パーセント期待している。
  • 劣勢と言われた弱小チームが決死の死闘を見せ、アンダードッグ効果を生んだ。
  • アンダードッグでは弱いモノが戦う姿さえ、ある種の感動を呼び集める。

「アンダードッグ効果」が期待できる場面とは?

それでは「アンダードッグ効果」が期待できる場面や状況において解説します。

恋愛での「アンダードッグ」は相手の熱意に負ける

アンダードッグは恋愛でも有効的に影響することがあるようです。恋愛に奥手でなかなか意中の異性に思いを伝えられない、交際まで発展させることができないという人もいるでしょう。恋愛の形は十人十色であり、恋愛上手だから素晴らしい恋が実るとは限りません。

しかし、恋愛下手であっても、アンダードッグの効果で相手の心を動かすことができることもあります。もちろん、相手に強制的に同情を求めるような行為は適切ではありませんが、恋愛の場面で「弱者」となる人でも、相手に自分の気持ちを素直に伝えれば、自分の思いがこだまして返ってくることもあるということです。

ビジネスでの「アンダードッグ」で王者を打倒する

市場を独占する企業を打倒するには生半可のビジネス戦略では太刀打ちできません。しかし、「弱小でも、ここは負けない!」という技術を前面に打ち出し、商品やサービスに対する思いを消費者にガツンとぶつけることができれば、「アンダードック」の効果も期待できます。

たとえば、夫婦二人だけで切り盛りする下町の小さな町工場を想像してみましょう。何十年も愛用している古いマシンや器具を毎日ピカピカに磨き、最高の技術力と経験を活かして作られる商品は、決してダイナミックなビジネスとは言えません。

しかし、消費者の視点では同情に勝る「頑張れ!」という気持ちが生まれることがあるでしょう。これこそ、アンダードッグにおける心理作用が働いた瞬間です。このようにビジネスシーンでも「アンダードッグ」のパワーが、最終的に勝者へと導くことがあります。

まとめ

「アンダードッグ」は「判官びいき効果」のことで、劣勢の人やチームの頑張りや思いが人々の心理に影響し、人々の心や意識に変化をもたらすことを指します。「アンダードッグ」は同情を呼ぶ要素としても機能し、場合によっては選挙や試合において最終的にトップを負かして勝利を収めることもあります。

「弱さは強味」。ビジネスでは弱小でも王者に勝る技術や経験を武器に、強者にひるまない強いチャレンジ精神を表すようにし、決して「負け犬」という意味では使わないようにしましょう。

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某私立大経営学部卒、大手旅行会社、商社を経て、豪州へ移住。米国PCメーカーのカスタマー部に勤務後、カンガルーやエミューのいるNSW州の片田舎で生活を開始。田舎暮らしをきっかけにフリーランス(ライター・翻訳)に転身し現在に至る。趣味はゴルフ、料理、ローカルとのゴシップ、キャンプ。