「他言無用」の意味とは?敬語での使い方や例文・類語を解説

「他言無用」とは、「他人に話してはいけない」の意味を持つ言葉。ビジネスの場や日常生活において、「他言無用でお願いします」と依頼を受けた経験を持つ方もいるのではないでしょうか。

今回は「他言無用」の意味をはじめ、敬語での使い方と例文を紹介。「口外無用」などの類語に加え、英語における表現もお伝えします。

「他言無用」の意味や読み方とは?

「他言無用」の意味は”他人に話してはいけない”

「他言無用」の意味は、“他人に話してはいけない”です。

「他言」とは、「他人に秘密を漏らす」「口外する」の意味を持つ言葉。「無用」は「用をなさない」「してはいけない」の、2つの意味を持ち、「他言無用」においては「してはいけない」の意味合いとして使われています。

「他言無用」の読み方は”たごんむよう”

「他言無用」の読み方は、“たごんむよう”です。

「他言」という言葉は「たごん」「たげん」の2つの読み方を持ち、「他言無用」を「たげんむよう」と読む場合もあります。しかし「他言無用」は、「たごんむよう」が一般的な読み方となるで覚えておきましょう。

「他言無用」の3つの敬語表現とは?

「他言無用」は目上の人に対して失礼

「他言無用」は敬語ではありません。そのため、目上の人に対して「この件は他言無用です」と使うことは失礼にあたります。また「無用」と言う言葉は禁止の意味合いも含むため、威圧的な印象を与える場合もあります。

上司や取引先などの目上の人はもちろん、同僚に対しても威圧的な言い方とならないようにするためには、敬語表現を使いましょう。

他言無用の敬語表現1「他言無用でお願いします」

「お願いします」は、「お願いする」の言葉に、尊敬となる「します」の補助動詞がついた言葉。したがって「他言無用でお願いします」は、丁寧表現となります。

また、「お願いします」を「お願いいたします」とした「他言無用でお願いいたします」は、より丁寧な表現となります。しかし「他言」の持つ意味合いからすると、同僚や親しい間柄にとどめて使うことがおすすめです。

他言無用の敬語表現2「ご他言はお控えいただけますようお願いします」

「ご他言はお控えいただけますようお願いします」は、「他言無用」より柔らかなニュアンスを持つ敬語表現です。「他言を控える」は、「他言することを自制する」と言う意味を持つ「他言無用」の類語。したがって、「他言無用」の禁止の意味合いまでは持たず、相手に押し付ける印象を与えにくくなります。

他言無用の敬語表現3「ご内密にお願いいたします」

「他言無用」という表現を目上の人に使う場合には、「ご内密にお願いいたします」など「ご内密(御内密)」の言葉を使うのがよいでしょう。

「ご内密」とは「秘密」や「うちうち」を意味する「他言無用」の類語。したがって「ご内密にお願いいたします」は、「他言してはいけない」という禁止のニュアンスではなく「秘密にしてほしい」という希望を伝える表現となります。

「他言無用」の使い方とは?

「他言無用」を使った例文

「他言無用」を使った例文をいくつかご紹介しましょう。

  • どんな場合においても、今日の話は一切他言無用でお願いしたい
  • 他言無用の案件であることは承知したが、なぜこのような事態になってしまったかを説明してくれないと協力することはできない
  • 社長室にあった焼酎の瓶を誰が割ってしまったかについては、他言無用です。知らなかったことにしてください。
  • 我が社では本来は副業禁止なので、劇団に所属して活動していることは、他言無用でお願いします

「他言無用」の類語・類義語とは?

先の「敬語での使い方」においてご紹介した「他言を控える」「ご内密」以外の、「他言無用」の類語について紹介します。

類語①「口外無用」は”他言無用”と同じ意味

「口外無用」(こうがいむよう)は、「他人に話してはいけない」の意味を持つ言葉。「他言無用」の類語として使うことができます。

「口外」は「口に出して言う」「他人に話す」を意味する言葉。したがって、辞書における言葉の定義では、「口外」と「他言」はほぼ同じ意味合いとなります。しかし、実際に使う場合においては、「口外無用」より「他言無用」をよりやわらかな表現として使っているのが一般的です。

類語②「ここだけの話」の意味は”この場だけの内緒の話”

「ここだけの話」は、「ここだけの話でお願いしたいのですが」「ここだけの話に留めていただきたいのですが」などと使う口語表現。「ここだけ」は「今だけ」「この場だけで」をさしています。したがって、「ここだけの話」は「この場だけの内緒の話」「他人には秘密の話」を意味する、「他言無用」と近い意味合いの言葉と言うことができます。

「他言無用」の英語表現とは?

「他言無用」の英語表現は数多くあります。今回は「Don’t」という表現を使う場合と使わない場合の表現をそれぞれ紹介します。どちらの表現も、相手に禁止や命令をする強いニュアンスの表現となります。

英語で「他言無用」は”Don’t tell anyone”を使う

英語で「他言無用」を表現する場合は「Don’t tell anyone」を使うのが適しています。「Don’t tell anyone」は、「他言無用」と同じ「他の誰にも話してはいけない」という意味を持っています。

「keep a secret」も「他言無用」の英語表現

「keep a secret」も、「他言無用」の英語表現として使うことができます。「keep a secret」とは、「秘密にしてください」「口外しないでください」の意味。「秘密にしていただけますか?」と相手に依頼する場合には、前に「Will you」をつけて、「Will you keep a secret?」と使います。

まとめ

「他言無用」は、「他人に話してはいけない」という意味を持つ言葉。「無用」という言葉は「してはいけない」という禁止の意味を持つため、会話やビジネスメールなどにおいて実際に使う場合には配慮が必要です。相手に失礼にならないことや威圧的になりすぎないことを意識しながら、敬語や言い換え表現などとあわせて適切に使うようにしてください。