「推測」の意味と使い方とは?予測や推察などの類語との違いも解説

「推測」という言葉を使ったことがあるでしょうか。かしこまった響きのある言葉であり、さらに予測や推定など類語も多く使いにくい言葉ではないでしょうか。

今回は「推測」の意味や使い方を例文と併せて解説し、類語の意味と推測との違いに加えて英語表現も紹介します。これを機会に「推測」を使ってみてはいかがですか。

「推測」の意味とは?

「推測」の意味は”ある事柄をおしはかり考えること”

「推測」の意味は、“ある事柄や情報について想像して考えること”です。ある事柄や情報についていろいろと考えをめぐらすことで、その事柄や情報のままからはわからない一面などを導き出すことができます。

たとえば、リンゴが一つあった時、そのりんごの色や形を見て、大事に育てられたりんごだと思うことが推測です。対象となるリンゴを観察して、自分の想像力で思いを巡らし大事に育てられたという考えにまで達する思考の過程を「推測」と言います。

「推測」の使い方と例文とは?

「推測」を使った例文

「推測」を使った例文をいくつかご紹介しましょう。

  • 「事故が起きた原因を推測する」
  • 「犯行の動機を推測する」
  • 「私の推測では、今回のプロジェクトは数カ月かかるだろう」
  • 「思った通り、今日の仕事が長引くという推測が当たった」

「推測する」や「推測できる」のように動詞化した使い方もできる

「推測」は名詞ですが、語尾に「する」をつけて動詞化させた「推測する」という表現もよく使われます。ある物事や情報をおしはかって考える状態を表現するときに使われますが、やや硬い表現ですのでビジネスシーンなどでも使われます。

「推測する」を使った例文

「推測する」を使った例文をいくつかご紹介しましょう。

  • 「私はこのように推測します」
  • 「今後の売り上げは、次のように推測されます」
  • 「社員の何人かは、今回のプロジェクトがとん挫することを推測していたようです」
  • 「水分をろくに摂取しなかったようなので、患者は熱中症にかかったと推測される」
  • 「彼の服装や持ち物から、年齢は30代から40代だと推測できる」

「推測」の類語とその違いとは?

「推測」の類語は数々ありますので、ここでそれぞれの類語の意味と推測との違いを説明します。

類語①「予測」とは”未来のことを推測する”という意味

「予測」とは”ある事柄についてこれから起こることや成り行き、結果などを推測すること”という意味です。

おしはかって考えるという点で「推測」と共通しているのですが、「推測」する時間的方向性がないのに対して、「予測」は将来に何かが起こることを推測する場合にだけ使われます。

類語②「推察」とは”人の気持ちをおしはかること”

「推察」とは”人の気持ちや事情をおしはかること”という意味です。「推測」は現在までに分かっている事柄から想像力などを駆使しておしはかって考えることですが、「推察」は目に見ることができない感情や事情などを思いやります。

相手の気持ちがわからないとき、その人の気持ちや事情をおしはかるとき「推察」が使われます。

類語③「推定」とは”おしはかって決めること”

「推定」とは”ある事柄を推測して決めること”という意味です。「推測」との違いは、ある事柄をいろいろと考えたうえで決めるという確定という意味まで含まれることです。

「予算は推定100万円」と言えば予算が100万円になることが確実なのに対して、「予算が推測100万円」なら予算に100万円必要かもしれないけれど実際のところはわからないという未定の意味合いが含まれます。

類語④「憶測」とは”根拠のないいい加減な推測”

「憶測」とは”根拠のないいい加減な推測”という意味になります。「推測」は推測した対象には確かな理由が根拠にあり、それに基づいておしはかっていくことですが、「憶測」にはそうした確かな理由や根拠はなく、個人の感覚を頼りに推測していきます。そのため「憶測」は「推測」よりもより主観的な考え方です。

「推測」を使った用語とは?

「推測航法」や「推測統計学」のように「推測」を使った用語もあります。

「推測航法」の意味

「推測航法」とは自立航法とも呼ばれる航法で、船や飛行機が現在位置を推算しながら進む方法です。

現在位置の確定は、星の位置や地上にあるものを目標にして推算することができますが、「推測航法」では、コンパスなどの測程器を使いて現在地に針路や速度を測算します。

「推測統計学」の意味

「推測統計学」とは「推計学」とも呼ばれる統計学の一種です。

統計分析において部分から全体を推論をするための学問で、対象となる集合「母集団」の特徴を知るために、その一部を標本として取り出し分析します。その分析結果を確立論で応用して、母集団の本質を掴もうとする学問です。世論調査や薬品の効用の調査、品質管理など多岐にわたって利用されています。

「推測」の英語表現とは?

「推測」は英語で”speculation”

「推測」は英語で“speculation”が使われ、「起こった出来事や事実から思いを巡らして考えること」という意味です。公式な文書にも使われる硬い表現になります。

「推測する」なら「speculate」が動詞形で、推測する内容の前に「about」や「on」などの前置詞を付けます。

プライベートの会話でも使えて、憶測の意味に近いような主観として「推測」を英語で表現するならば「guess」や「supposition」のほうがいいでしょう。

「推測」を使った英語例文

「推測」を使った英語例文をご紹介しましょう。

  • “He speculates about what is going to happen in the project.”
    「彼はそのプランに何が起こるのを推測する」
  • “We all speculated why she resigned yesterday.”
    「私たちの誰もがなぜ彼女が昨日辞職したのかを推測した」

まとめ

「推測」とは「ある事柄に基づいて思い入れて考えること」という意味です。「推察」などの類語も多いのですが、「推測」は感情や事情ではない根拠ある事柄をおしはかり、将来や過去など時間軸にとらわれない考え方だと理解すれば、類語との違いも分かりやすくなるでしょう。

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「難解なワードでもわかりやすく」をモットーに、常識ワードからビジネス用語、時には文化・アート系など、幅広く記事を書かせていただいています。ドイツ在住で2児の母。好きな食べ物はビターチョコレートとナッツ類。