社会人になると「喝を入れて」行動をしなければなないことがありますが、「喝を入れる」は「活を入れる」とどう異なるのか疑問に思ったことはありませんか?
ここでは「喝」と「活」の正しい意味や使い方を例文を使って紹介しています。元気の出る名言、類語や英語表現も解説していますので参考にしてみて下さい。
喝を入れる(活を入れる)の意味・類語
「喝を入れる(活を入れる)」の意味は元気付けること
「活を入れる」とは元気付けること、活力を与えるなどの意味があります。「喝を入れる」は「活を入れる」の誤用・誤用変換です。
「活を入れる」での類語は「ムチを入れる」など
正しい漢字である「活を入れる」での類義語は「ムチを入れる」「やる気を出させる」「モチベーションを上げる」「動機付けをする」などがあります。
やる気を高めエネルギッシュに行動させることを表しています。状況や相手によって上手に使い分けをしましょう。
正しい漢字は?「喝」と「活」の違いは?
原則的に正しいのは「活を入れる」
「かつを入れる」を変換する時に「喝を入れる」か「活を入れる」で迷ったことはありませんか?口語ではよく使う言葉ですが、文章にして漢字に置き換えるとどちらも正解のような気もするでしょう。
しかし「喝を入れる」と「活を入れる」で原則的に正しいほうは「活を入れる」です。それは「喝」と「活」という2つの言葉の意味の違いを知ることで明らかになります。
「喝」は「大声で叫ぶさま」
「喝」は僧侶が修行者を叱責するときに放たれる言葉で、警策(きょうさく)という竹の棒で肩を「バシッ」と叩くことで修行僧の仏性になげかけることを指します。それは「以心伝心」の世界であり「禅」に通じる教えであるといわれています。
この世には言葉では表すことができない「絶対の真理」があり、それを「喝」という叫びで表現しているのです。
「活」は「気合」「生きる鼓動」
「活」は「喝」と違い「気合」「やる気」「モチベーション」「生きる力」などの意味があり、「命の鼓動がある」「元気に働く」そして「生き生きとすること」を表しています。
また、格闘技やボクシングの試合で気絶した人を生き返らせたり、転んで元気をなくした人を励まし勇気づけることも意味しています。これを「活を入れる」と言います。
元気がない時に「活を入れる」のは相手にやる気やモチベーションを与えて元気になってほしいという気持ちがあるからであり、決して大声で怒鳴ることではありません。
勘違いせず理解する方法は?
「喝」は寺での修行で肩を叩く際に、和尚が「喝」と声を高く響かせるイメージがあるため、「喝という気合を他人の入れ込む」というニュアンスで「喝を入れる」と誤用してしまいがちです。
「喝を入れる」は正しい漢字ではなく「活を入れる」が正しいと解説をしましたが、勘違いせず理解するには「喝」と「活」のもともとの意味の違いを把握しておくことが大切です。
「喝」は「一喝」という言葉がある通り「大声」「叱る」を意味し、「活」は「気合」を表していると覚えておきましょう。
「喝」を使った例文
「喝を入れる」は「活を入れる」の誤用となりますが「喝」を使った言葉はいくつかあります。例文をみてみましょう。
例文①「喝を飛ばす」
「喝を飛ばす」は励ましの言葉を相手に送るときに使う言葉です。似た言葉に「檄(げき)を飛ばす」がありますが、「檄(げき)」は古代中国で信義や主張を書き記したもので、「檄を飛ばす」で人々に向かって考えを告げて堂々と立ち上がるさまを表現しています。
- 第一志望に落ちた弟に喝を飛ばした。
例文②「自分に喝を入れる」
「自分に喝を入れる」は気弱になって元気のない自分に「がんばれ!」と生きる力を送ることです。仕事で失敗しモチベーションがダウンしているときや、プライベートで悲しい出来事があったときは「自分に喝を入れて」自分の心を奮起させましょう。
- 就職活動に難航している自分に喝を入れた
「かつを入れる」の英語表現と英文例
最後に「喝を入れる」の英語表現についてみてみましょう。職場でモチベーションを上げるために気合の一言を英語で表現してしましょう。
「かつを入れる」の英語表現は「fire up」
「かつを入れる」は英語でいくつかの表現に分かれます。たとえば「気合を入れる」は「fire up」「奮起する」は「get hyped up」、また多少やわらかい表現で「励ます言葉をかける」の「give a pep talk」や「活気を出す」の「breathe life into」と表現します。
「かつを入れる」の英文例
- Fire up!
- Let’s do this!
- We are going to smash it!
気合を出していこう!やっつけよう! - I gave one of my staff member a pep talk because he was so upset with his error.
ミスで落ち込んでいた部下に喝を入れた
「喝を入れる言葉」と名言
くじけそうになった時、逃げ出したくなった時、あなたはどうしますか?ここでは「かつを入れる言葉」と「心に響く名言」を紹介します。
試練は人を選ぶもの
何度やっても失敗ばかりしてしまうとき「なぜ私ばかり試練は訪れるのだろう」と泣きたくなることがあります。試練ばかりにぶち当たっているとき、その重さにつぶされないようにこう奮い立たせてみてください。「
「試練は決して乗り越えられない人にはやってこない」
弱い自分には試練すら近寄ってこないということでしょう。「自分は誰よりも強い」「選ばれた特別な人」だと信じるのです。
決して退くべからず
幕末から明治にかけて活躍をした教育者「福沢諭吉」の名言です。どのような試練が待ち構えていても「やり続けることが大切」という教えを説いた言葉です。
「進まざる者は必ず退き、退かざる者は必ず進む」
現状維持をしているだけでは衰退するのみであり、チャレンジし続けさえすれば状況は良くなるという意味です。
まとめ
「かつを入れる」の正しい漢字は「活を入れる」となり「喝を入れる」は誤用となりますので気を付けるようにしましょう。
「喝」は座禅で和尚が大声で叫ぶ言葉であり、「活」は「気合」や「生き生きとする」という意味があります。両者とも間違えやすい言葉ですが、意味から使い方を導いて正しく使うようにこころがけましょう。