「次点」の意味や使い方は?例文や「2番目」などの類語も紹介

「次点」は、選挙やコンテストなど当選・受賞が関係する場面で使われる言葉です。言葉自体に悪い印象はありませんが、「次点」ということで、手放しで喜べない少しネガティブな感情が混ざるケースがあります。今回はこの「次点」の意味や使い方、類語や英語表現などを詳しく解説していきます。現在とは異なる「訓点」としての使われ方もあわせて紹介します。

「次点」とは?

「次点」の意味は”2番目にあたる点やそれを獲得た人”

「次点(じてん)」の意味は、“2番目にあたる点やそれを獲得した人”のことです。「最高点の次の点数やそれを獲得した人」、また「当選者や入賞者の次の得票数・得点やそれを獲得した人」を表す言葉です。

しかし「次点」は、1、2、3番目などと後に順位が続いていくものを表しているわけではないので、2番目以降にあたる言い方はありません。本命候補の次に続く点・人というイメージです。

「次点」は訓点の一つでもある

「次点」は、詩歌や文章などを書物に書きあらわす撰者5人『梨壺(なしつぼ)の五人』が万葉集につけた訓点の一つでもあります。「古点」→「次点」→「新点」の順に形を変えつけられていました。「次点」は、平安後期から鎌倉初期にかけて使われていたと言われています。

  • 「訓点(くんてん)」・・・漢文を国語文法に従って読むために付け加える記号や文字のこと。送り点や返り点など。
  • 「古点(こてん)」・・・万葉集につけられた訓点の一つ。主に平安時代のものを指す。
  • 「新点(しんてん)」・・・古点・次点のよみを改めたもの。鎌倉時代から万葉集に施されている訓点。

「次点」の使い方と例文とは?

1番の次であることを説明する時に使う

「次点」は、最高点やそれを獲得した人、また1番の得票数を得た当選者や入選者の後に続くものであることを説明する時に使います。1、2、3位など順位を表すような使い方はしません。あくまでも、「1番にあたる点やその人の後に続くものを表す時」と間違えないように気をつけましょう。

「次点」を使った例文

「次点」を使った例文をいくつかご紹介しましょう。

  • 「次点で採用されても嬉しくない」
  • 「大事なコンテストで次点となるなんて涙が出てくる」
  • 「合格基準次点の方には、後ほど改めてご案内いたします」
  • 「話し合いの結果、次点者である〇〇さんを繰り上げ入選とする」
  • 「落選かと思った次点の〇〇氏がわずかの差で当選。選挙は何が起こるかわからない」

「次点」の類語とは?

「次点」の類語は”2番目”や”二着”

「次点」の類語には、日常的なシーンで使いやすい「2番目」と「二着」を紹介します。

  • 「2番目(にばんめ)」

意味は「ある順位が2位であること」です。「次点」と同じく、1番目にあたる物や人の次であることを表しています。「次点」と違い順位が関係しているため、3番目、4番目と後に続く言葉があります。

  • 「二着(にちゃく)」

意味は「(競争などで)2番目になること」「2番目に到着、または着手すること」です。「二着」も「2番目」同様に、「次点」と似た意味をもっています。しかし「二着」の場合は行動し出た結果そのものを指すため、選挙・コンテストのような第三者が関係する競争に対しては基本的に使いません。

「次席」も似た意味を持つ言葉

「次席」も「次点」と似た意味を持つ言葉としてあげられます。

  • 「次席(じせき)」

意味は「席次が2番目であること」「2番目の席次の人」です。“席次(せきじ)”には成績や地位などの順位という意味があるため、「次席」は「次点」のように、1番にあたる人の次といった意味を表す言葉と言えます。下座や上座などの席順に関して使う言葉です。

「次点」の英語表現とは?

「次点」の英語表現は”runner-up”

「次点」の英語表現には、“runner-up”という慣用句が適しています。「runner-up」の場合、最高点の次の点数を獲得した人、当選者や入賞者の次の得票数・得点を獲得した人そのものを表現します。

意味:

  • 「runner-up」・・・次点の人、(競争や試合などでの)2位の人またはチーム、(選挙の)次点候補者

「proxime accessit」でも表現できる

「次点」は「proxime accessit」という慣用句でも表現できます。「proxime」には“次点者”や“2位(の人)”という意味、「accessit」には“努力賞”という意味がそれぞれあります。「accessit」は学業の成績に関係する単語でもあるので、「proxime accessit」の表現は試験などの次点者というニュアンスが強いです。

意味:

  • 「proxime accessit」・・・(試験や競争などの)次点者、2位、または2位の人

※略語は「prox.acc」

まとめ

「次点」は日常的に使うというより、選挙やコンテスト・試験などといった得点や投票数が関わるシーンによく使われます。「1番にあたる点・人の次」ということを表すだけなので、1位、2位、3位などの順位付けの意味合いはありません。

決して悪い意味を持つ言葉ではありません。しかし、“本命候補や1番の次”ということで、人によってはネガティブな印象を持つことがあるので十分注意して使いましょう。