「包括的」の意味と使い方とは?類語「総括的」や対義語も解説

「包括的」とは「全てをひっくるめている様子」を意味する言葉です。「包括的に見る」や「包括的に捉える」などの使い方をしますが、類語でもある「総括的」とはニュアンスが異なることをご存知でしょうか。

今回は「包括的」の意味や使い方の例文、類語・対義語を解説します。英語表現も併せて紹介しているため、ぜひ参考にしてください。

「包括的」の意味とは?

「包括的」の意味は”全てをひっくるめている様子”

「包括的」の意味は、“全てをひっくるめている様子”です。読み方は「ほうかつてき」で、「包」が”覆いくるむ”ことを意味し、「括」が”ひとまとめにする”を意味しています。

「包括的」は、複数の内容で構成されている事柄の、全体をまとめる状況で使用されます。例えば、「包括的な解決策」という場合、「全ての問題に通用するような解決策」を表しています。「包括的」が加えられているため、個人間の悩みを解決するための策ではなく、全ての問題が解決するような策である必要があるのです。

「包括的」の使い方と例文とは?

「包括的に見る」「包括的に考える」のように使う

「包括的」は「包括的に見る」や、「包括的に考える」などの使い方をします。「包括的に見る」とは、全体の一部分を切り取って見るのではなく、全体をまとめて見ることを表しています。また、「包括的に考える」は「内容の全体をまとめて考える」という意味があるため、部分的ではなく全てについて考える場合に使用しましょう。

「包括的に捉える」とは”物事の全体を捉える”こと

「包括的に捉える」とは、「物事の全体を捉えること」を意味しています。物事を細かく分けて部分的に捉えるのではなく、1つの物事として全体を捉えるのです。例を挙げてみると、

「彼は問題を包括的に捉えることができるため、視野が広い」

→「彼は問題の全体を捉えることができるため、視野が広い」という意味になります。

「包括的」を使った例文

「包括的」を使った例文をご紹介しましょう。

  • 状況を正しく理解するためにも、包括的な調査が必要だ
  • 高齢者をいかに包括的に支援できるかが、わたしたちの課題だ

「包括的」の類語と対義語とは?

「包括的」の類語は”総括的”

「包括的」の類語に当てはまるのが“総括的”です。「総括的」とは「全体を1つにまとめること」を意味する言葉で、読み方は「そうかつてき」です。「総括的な○○」や「○○の総括」などの使い方をします。

例えば、「総括的な意見」という例文の場合、「全体の意見をまとめた意見」を意味します。

「包括的」と「総括的」の違いは”結論の有無”

「包括的」の類語にあたる「総括的」ですが、2つには違いがあるため使い分けることが大切です。「包括的」が「全てをひっくるめている様子」を表しているのに対し、「総括的」は「全体をひっくるめて、結論を出す」ことを表しています。

単に「全てを含む」「全体をまとめる」のが「包括的」で、「全体をまとめて、締めくくる」「結論を出す」のが「総括的」なのです。

「包括的」の対義語は”個別的”

「包括的」の対義語には“個別的”が当てはまります。「個別的」とは「他のものに関係なく、単体で存在していること」を意味する言葉です。「包括的」の「全てをひっくるめている様子」と、「個別的」の「他に関係なく単体で存在している様子」が、反対であるため対義語に当てはまります。

「包括的」を使った言葉とそれぞれの意味とは?

「包括的・継続的ケアマネジメント」の意味は”高齢者への様々な支援”

「包括的・継続的ケアマネジメント」とは、「高齢者への多方面・継続した支援」を意味します。高齢者への多方面・継続的な支援を行うためには、担当医だけでなくケアマネジャーや関係機関と連携する必要があります。

「包括的核実験禁止条約」とは”全ての核爆発を禁止する条約”

「包括的核実験禁止条約」とは、宇宙空間や水中、地下などあらゆる場所での実験的爆発・核爆発を禁止する条約です。1996年9月10日に採用された「包括的核実験禁止条約」ですが、それまでは「部分的核実験禁止条約」が用いられていました。

「包括的自立支援プログラム」とは介護での手法を表す

「包括的自立支援プログラム」とは、「高齢者が自立するための計画」を意味し、介護で行われている手法の1つです。現在行われているケアプラン(介護サービスの計画)を見直し、サービスの把握・改善を行います。食事や入浴など、自立した生活に必要な要素から、社会性などを全体的に把握して、包括的に高齢者の自立を支援していきます。

「包括的」の英語表現とは?

「包括的」は英語で”Comprehensive”

「包括的」の英語表現には“Comprehensive”が当てはまります。例えば、「Comprehensive negotiation」だと「包括的な交渉」に、「Comprehensive analysis」だと「包括的な分析」になります。状況に応じて使用してみましょう。

まとめ

「包括的」とは「全てをひっくるめている様子」を意味する言葉です。「包括的に見る」や「包括的に考える」などの使い方をし、全体をまとめる状況で使用されます。「包括的」の類語には「総括的」が当てはまりますが、「結論を出すか出さないか」の違いがあるため、使い分けが大切です。

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hana
大阪在住の新人ライターです。学生時代にビジネスマナーや医療事務・秘書などの検定を取得し、前職は医療秘書として医院勤めでした。料理とスポーツが得意なので、いつか記事にできたらなと思っています。よろしくお願いします。