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「知ったかぶり」の意味や語源とは?類語やことわざも紹介

「知ったかぶり」は、実際に詳しくないことを相手に「知っている」と見せるときに使う言葉です。基本的に良い印象を与える言葉ではないため、嫌みのように捉えられることもあります。今回はそんな「知ったかぶり」の意味や語源、類語や似た意味のことわざなどを解説していきます。英語表現や「知ったかぶり」をする人の特徴もまとめています。

「知ったかぶり」の意味と語源とは?

「知ったかぶり」の意味は”知っている素振りをする”

「知ったかぶり」の意味は、“そのことについて知らない、または詳しくないにも関わらずあたかも知っているかのような素振りをすること”です。「知ったかぶり」は、「知ったか振り」や「しったか振り」、また「知った振り」とも表現されることもあります。意味はどれも同じです。

語源は「しったぶり」「四板被り」

「知ったかぶり」には、以下のような2つの語源があります。

  • 「しったぶり」

1つ目の語源は、昔使われていた表現「しったぶり」「しったふり」という言葉だと言われています。この2つの言葉は、「知ったかぶり」と同じ意味で使われていたそうです。現在のような「しった」と「ぶり(ふり)」に『か』が入る形になったのは、江戸時代の頃とされています。

  • 「四板被り(しいたかぶり)」

2つ目の語源は、東北の山奥に住んでいた“四板さん”という人が関係していると言われています。この四板さんは、何かと知ったかぶりばかりする嫌われ者だったそうです。そんな四板さんの髪の毛は薄くカツラを被っていたことから、地元ではカツラ自体を「四板被り」と呼ぶようになり、時間が経つにつれて「知ったかぶり」と置き換えられたとされています。

「知ったかぶり」の使い方と例文とは?

知っているような素振りを説明する時に使う

「知ったかぶり」は、知らないことや詳しくないことをあたかも知っているかのように見せる素振りを説明する時に使います。自分自身に使う場合はちょっとした罪悪感を、誰かに使う場合は嫌みや面倒くさいという感情が混ざっていることが多いです。

「知ったかぶり」を使った例文

「知ったかぶり」を使った例文をいくつかご紹介しましょう。

  • 「知ったかぶりをする男性って本当にうざいと思う」
  • 「女性の知ったかぶりは、場合によっては可愛く思える」
  • 「同僚の知ったかぶりにはいつもイライラさせられる」
  • 「大事な仕事で知ったかぶりをされるとトラブルに繋がる」
  • 「とあるテストで、僕は知ったかぶりをする人間と診断された」

「知ったかぶり」は印象が悪い

「知ったかぶり」は、無意識や知っているつもりでしてしまう場合と、無知であることが恥ずかしいという気持ちから自分を大きく見せてしまう場合の2通りがあります。

人によっては無意識にやってしまっていることを、可愛らしいと思うこともあるかもしれません。しかし基本的には、「うっとうしいな」「面倒だな」などと思われてしまいます。

「知ったかぶり」をする人の特徴とは?

特徴1:プライドが高い

「知ったかぶり」をする人はプライドが高いことが多いです。例えば高学歴であることを誇りに思っている人や、自分を良く見せたい・凄い人と思われたいと思っているなど、人よりも優れていたいという心理がよく働く人は、知らないという事実を恥ずかしく思い、強がって知ったかぶりをしてしまう傾向があります。

特徴2:負けず嫌い

プライドが高いと似ていますが、負けず嫌いも知ったかぶりをする人の特徴の1つにあげられます。負けず嫌いな人は、自分以外の人に指摘されることを嫌がります。また相手が自分よりも知っているということが負けているようで許せないと思ってしまい、つい知ったかぶりをする傾向があります。

特徴3:気が弱い人・寂しがり屋

気が弱い人やさみしがり屋の人は、仲間内で話していることについていけないと寂しさや恐怖を感じることがあります。一人ぼっちにならないように、または仲間外れにならないようにと、自分が輪の中心に入れるよう必死に皆と話しを合わせ知ったかぶりになってしまう人もいます。

「知ったかぶり」の類語や似た意味のことわざとは?

「知ったかぶり」の類語は「大ボラ吹き」「通ぶる」

  • 「大ボラ吹き(おおぼらふき)」

意味は「実際よりも物事を大げさに表現すること」「大きな嘘をつくこと」です。実際には知らないのに、知っているように振る舞う「知ったかぶり」と似た意味をもっています。「知ったかぶり」よりも印象の悪い言葉なので使う相手は選びましょう。

  • 「通ぶる(つうぶる)」

意味は「ある事柄に精通している人ぶる」です。自分がよく知っているということを相手にわかるよう振る舞うことを表しています。「知ったかぶり」の、詳しくもないのに知っているよう振る舞う様子と似ている言葉です。

似た意味のことわざは「知る者は言わず言う者は知らず」

意味は「本当によく知っている人は多くを語らず、よく知らない人は口に出して言うものだ」です。このことわざには、知ったかぶりの人に対する嫌みや皮肉の意味合いが込められています。

「知ったかぶり」の英語表現とは?

「知ったかぶり」は英語で”know-all”と”charlatanism”が適切

「知ったかぶり」の英語表現には「know-all」と「charlatanism」が適切です。「charlatanism」は類語で紹介した“大ボラ吹き”の意味合いが強い単語です。どちらも名詞として使います。

  • 「know-all」・・・物知り顔をする人、知ったかぶりをする人
  • 「charlatanism」・・・大ボラ、インチキ

「wise cracks」でも表現できる

「wise cracks」でも「知ったかぶり」を表現できます。形容詞「wise」には”優れた“や”賢い“、名詞「crack」には”冗談“という意味がそれぞれあります。

  • 「wise cracks」・・・知ったかぶり

まとめ

「知ったかぶり」は、実際は詳しくないのに「私は知っている」と振る舞う様子を表す言葉です。基本的にネガティブな印象を与える言葉なため、言われて嬉しいことはありません。また自分自身に使う場合も「実は知らない」という事実がわかっているため、本人は多少の罪悪感を感じています。

日常会話やビジネスシーンとさまざまな場面で使われることがありますが、相手との関係性が悪くなるかもしれない言葉なため、頻繁に使うのは避けた方がいいでしょう。