「天眼」や「天眼通」の意味とは?仏教界や中国での使われ方も紹介

「天眼」は、仏教用語として使われる機会が多い言葉です。日常会話の中で用いられることもありますが、かしこまった表現なため、会話や文章自体は真面目な事柄のことがほとんどです。今回はこの「天眼」の意味や使い方の例文、類語に英語表現まで詳しく解説していきます。中国での「天眼」とは何かもあわせて説明します。



「天眼」と「天眼通」とは?

「天眼」「天眼通」の意味は「千里眼」

  • 「天眼」の意味

「天眼」の読み方は、「てんげん」または「てんがん」です。基本的な意味は「すべてを見通すことのできる眼」ですが、「けいれんで眼球がつり上がること」を意味する場合は「てんがん」と読みます。

  • 「天眼通」の意味

また「天眼」を使った言葉「天眼通」の読み方は、「てんげんつう」か「てんがんつう」です。こちらの意味は、過去・現在・未来などあらゆることを自由自在に見通すことができる力そのものを意味しています。

  • 千里眼(せんりがん)・・・将来のことや遠方の出来事など通常では見えないことを見通す能力、またその能力を持つ人

仏教においては「五眼の1つ」

仏教においての「天眼」は、“物を見る5種の作用”である『五眼(ごがん)の1つ』、または仏眼の呼び名を意味します。『五眼』には以下があります。

五眼:

  • 肉眼(にくがん)・・・通常の人・人間が持つ目。現実世界の形のあるものしか見ることができない眼。
  • 天眼(てんげん)・・・色界の天人がもっている眼。あらゆることを見通すことができる眼。
  • 慧現(えげん)・・・二乗の人が“現象は一切空である”と見抜ける眼。真理の平等を見抜く眼。
  • 法眼(ほうげん)・・・菩薩の持つ眼。人々を救い、悟りの境地に導くためにすべての物事を見極める眼。
  • 仏眼(ぶつげん)・・・「肉眼」「天眼」「慧眼」「法眼」のすべてをそなえた眼。
  • 色界(しきかい)・・・煩悩(ぼんのう)や欲はないが、肉体や物質の束縛からは逃れていない世界
  • 二乗(にじょう)・・・「縁覚乗(えんがくじょう)」と「声聞乗(しょうもんじょう)」のこと。
  • 縁覚乗(えんがくじょう)・・・釈迦の教えを直接聞き、そのことをそのまま実践すること
  • 声聞乗(しょうもんじょう)・・・悟りを単独で開く実践のこと

中国の電波望遠鏡「fast」の通称でもある

中国で「天眼」は、2018年9月から稼働している電波望遠鏡「fast」の通称を指しています。この「fast」は世界最大規模と言われていて、大宇宙の草創期を探れる可能性があると期待されています。

「天眼」の使い方と例文は?

「天眼」は名詞的に使う

「天眼」は意味からわかるように名詞的に使います。前後の会話や文章の流れによって、仏教用語として使われているのか、通常の言葉として使われているのか判断できます。

「天眼」の例文

  • 「天眼を得るにはどのような修行が必要だろうか」
  • 「僕が天眼をもっていたら、君の嘘も見破れたのに」
  • 「天眼という時別な眼をもっていても決して誇らない」
  • 「すべてを知る必要がないと思っているので、天眼が欲しいと思わない」
  • 「仏教用語で天眼は、五眼の1つである」

「天眼」の類語は?

「天眼」の類語は「透視」

「天眼」の類語には「透視」があげられます。

  • 「透視(とうし)」

意味は「過去や未来、また遠方で起こった出来事・対象を超感覚的に知る」です。千里眼を持つ「天眼」とほぼ同じ意味を表します。異なる点は、仏教用語としてはとくに使われていないことです。

「ESP」も似た意味を持つ言葉

「ESP」という言葉も「天眼」の類語にあげられます。「ESP」とは“extra sensory perception”の略語で、日本語では「超感覚的知覚」と表現します。通常では感じることができない刺激を感じることができる「テレパシー」や「予知」、また類語で紹介した「透視」などの総称を指しています。仏教用語ではなく、超心理学用語として使われています。

「天眼」の英語表現は?

「天眼」の英語表現は「clairvoyant」

「天眼」の英語表現には、形容詞「clairvoyant」が適切です。厳密に「天眼」を表すわけではありませんが、十分伝えたい内容を伝えることはできます。

意味:

  • 「clairvoyant」・・・千里眼の、透視の、鋭い洞察力のある

※名詞で使う場合、意味は「千里眼の人」となります。

「second sight」でも表現できる

「天眼」は、名詞「second sight」でも表現できます。「感覚的にはっきりしていない事柄を知覚する明白な力」という意味より、「千里眼」や「透視力」と訳され使われています。

意味:

  • 「second sight」・・・透視力、千里眼

まとめ

「天眼」は通常の人間がもっている肉眼とは違い、「遠方の出来事や過去・未来などあらゆることを見通すことができる」という意味で、日常会話や仏教用語として使われています。仏教用語として使わないのであれば、類語で紹介した「透視」や「ESP」で置き換えることも可能です。

使う機会は少ないかもしれませんが、時代物の映画や文書にはよく登場しますので覚えておくと便利です。

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パーティーコーディネーターとして勤務後、10カ国以上で様々な文化を体験。帰国してからはライターに転職し、ライフスタイルからビジネスまで幅広く執筆しています。趣味は1人旅。好きな国はニュージーランドです。