「お門違い」の意味とは?語源や使い方・類語「筋違い」との違い

「お門違い」とは「お門違いも甚だしい」「お門違い発言」などの使い方をし、目をつけるところを間違えている状況で使用されます。「意味や語源を知りたい」「筋違いとの違いを知りたい」という方に向けて、「お門違い」の意味や語源、類語の「筋違い」や「見当違い」を解説します。

「お門違い」とは?

「お門違い」の意味は”目をつけるところを間違えていること”

「お門違い」の意味は、“見当違い・目をつけるところを間違えていること”です。例えば、「本屋へ、森林伐採に対するお門違いなクレームが入った」という例文。例文は、森林伐採を反対する人からのクレームですが、紙を使用しているからといって本屋へクレームを入れるのは間違っています。

上記のように非難するべき的を間違えている、目をつけるところを間違えている状況を「お門違い」と呼びます。

「お門違い」の読み方は”おかどちがい”

「お門違い」の読み方は“おかどちがい”です。「門」は「もん」とも読めることから、「おもんちがい」と読まれることがありますが、間違った読み方です。とくに話し言葉として使用する場合、読み間違えは相手に失礼となるため注意しましょう。

「お門違い」の語源は「門」の意味にある

「お門違い」の語源は「門」にあります。「門」は「もん」とも読み、「家の出入り口」または「家そのもの」を指す言葉です。

本来は「訪ねる家を間違えている」という意味で「お門違い」が使われていましたが、転じて「目をつけるところを間違えていること」という意味で使用されるようになりました。

「お門違い」の使い方と例文とは?

「お門違い」は間違った言葉や態度をとられた状態で使用

「お門違い」は間違った言葉を投げかけられたり、間違った態度をとられたりする状況で使用します。例えば、自分は悪くないと分かっているのに非難された場合、「わたしを非難するのはお門違いだ」と指摘できます。

「お門違いも甚だしい」は「過度な間違い」を表す

「お門違い」の使い方の1つが「お門違いも甚(はなは)だしい」です。「甚だしい」は「程度が激しい」「過度」を意味するため、「お門違いも甚だしい」は「過度な間違い」を意味します。「明らかに間違っている」「誰がどう見ても間違っている」という状況で使用できます。

「お門違いな発言」は間違った発言を指摘するときに使用

「お門違いな発言」も「お門違い」のよくある使い方です。「間違った発言」を意味しており、「発言するべきではないシーン」や「言うべき相手を間違えているシーン」で使用できます。例えば、「それはお門違いな発言だ」という例文の場合、間違った発言であることを相手に指摘する状況で使用できます。

「お門違いかもしれませんが」は目上に使える

「お門違いかもしれませんが」は上司や取引先など、目上の人へ使用可能です。相手に何か伝えたいことがある状況で使用され、「お門違いかもしれませんが」と前置きしておくことで「もしかするとわたしの発言が間違っているかもしれませんが」と、主張を和らげることができます。

「お門違い」を使った例文

「お門違い」を使った例文をご紹介しましょう。

  • 給料を上げてほしいことは分かったが、それを一般社員のわたしに言うのはお門違いだ
  • 部長へ申すのはお門違いかもしれませんが、一応報告としてお伝えします
  • 自分のミスなのに他人を攻めるとは、お門違いも甚だしい

「お門違い」の類語とは?

「お門違い」の類語①”筋違い”

「お門違い」の類語にあてはまるのが「筋違い」です。読み方は「すじちがい」で、「道理から外れること」を意味しています。「お門違い」との違いは、「お門違い」は「目をつけるところを間違えている」つまり「目をつけるところは他にあること」を表していますが、「筋違い」は単に「道理から外れていること」を表しているという点です。

発言や態度が道理から外れている場合は「筋違い」を、発言する状況や態度が間違っている場合は「お門違い」を、使用しましょう。

「お門違い」の類語②”見当違い”

「見当違い」も「お門違い」の類語です。「お門違い」の意味を辞書でひくと「見当違い」と出てきますが、詳しく説明すると意味が少し異なります。「見当違い」とは「推測・判断を誤ること」を意味しており、「お門違い」のように「目をつけるところは別にありますよ」という意味合いは含まれていません。

また「見当違い」よりも「お門違い」の方が、間違っていることを強く否定するシーンで使用されるという違いがあります。

「お門違い」の英語表現とは?

「お門違い」の英語は”Barking up the wrong tree”

「お門違い」の英語表現に当てはまるのが“Barking up the wrong tree”です。「Bark」は「吠える」を、「wrong tree」は「間違った木」という意味があるため、直訳すると「間違った木にむかって吠える」という意味になります。

上記の意味が転じて、「お門違い」「見当違い」を表す言葉として使用されています。

まとめ

「お門違い」とは「目をつけるところを間違えていること」を意味する言葉です。「お門違いも甚だしい」や「お門違いな発言」などの使い方をし、相手から非難の言葉や態度をとられた状況で使用できます。

類語には「筋違い」や「見当違い」が当てはまりますが、「筋違い」は「道理から外れていること」を意味し、「見当違い」は「推測・判断を誤ること」を意味しており、意味が異なるため混同に注意しましょう。

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hana
大阪在住の新人ライターです。学生時代にビジネスマナーや医療事務・秘書などの検定を取得し、前職は医療秘書として医院勤めでした。料理とスポーツが得意なので、いつか記事にできたらなと思っています。よろしくお願いします。