「想像に難くない」とは、「簡単に想像できる」の意味を持つ言葉。「○○は想像に難くない」「○○であることは想像に難くない」などと使うのが一般的です。今回は「想像に難くない」と言う言葉について意味を詳しく解説し、使い方の例文を紹介します。また、類語と対義語に加えて、英語における表現もお伝えします。
「想像に難くない」の意味や読みとは?
「想像に難くない」の意味は”簡単に想像できる”
「想像に難くない」の意味は、“簡単に想像できる”ことです。世の中の状況を考えたり日頃の状況を見ていることで、予想ができることを表した言葉です。
「想像に難くない」を分解すると、「想像」「に」「難く」「ない」の4つの言葉に分けることができます。「○○に○○ない」と言う文法を使った「○○に難くない」の言葉には、「察するに難くない」「理解に難くない」などが他にあります。
「想像に難くない」の読みは”そうぞうにかたくない”
「想像に難くない」の読み方は、“そうぞうにかたくない”です。「難」と言う漢字は、音読みでは「なん」、訓読みでは「むずかしい」「かたい」「がたい」など複数の読み方をすることができます。「想像に難くない」の言葉における「難くない」については、「かたくない」が正しい読み方です。
「想像に難くない」の使い方と例文とは?
「想像に難くない」を使った短文の例文
「想像に難くない」を使った短文の例文をいくつかご紹介しましょう。
- このまま放置していると失敗に終わることは想像に難くない。
- 彼がいずれ出世することは、想像に難くない。
- 二人が意気投合するであろうことは想像に難くない。
- 彼の自信過剰な振る舞いを見ていると、いずれ大きな失敗をまねいてしまうであろうことは想像に難くない。
「想像に難くないだろう」を使った例文
「想像に難くないだろう」を使った例文をご紹介しましょう。
- 長年先方が望んできた条件を出せば、契約に飛びついてくることは想像に難くないだろう。しかし、万一取り返しのつかないことになればと考えると決断しきれない。
- 彼は仕事ができるというだけでなく、社内外いずれにおいても人望が厚い優秀な人物です。将来的には社内の重要なポストについて、会社を引っ張っていく人材となることは、想像に難くないであろうと存じます。
「想像に難くない」の類語・類義語とは?
類語①「想像に容易い」は”想像に難くない”と同じ意味
「想像に容易い」(そうぞうにたやすい)とは、「想像に難くない」と同じ「簡単に想像できる」の意味を持つ言葉です。「容易い」とは「簡単であること」「やさしいこと」を意味します。なお「容易」は「ようい」と読むことが多い言葉ですが、「想像に容易い」の「容易い」については「たやすい」が正しい読み方となります。
類語②「想像が付く」の意味は”想像できる”
「想像が付く」(そうぞうがつく)は、「想像に難くない」と同じ意味を持つ類語。「想像できる」の意味を持つ言葉です。「付く」と言う言葉は、「ものが接着する」「跡が残る」など数多くの意味合いを持っていますが、「想像が付く」においては「予想できる」の意味となります。
類語③「想定内」の意味は”あらかじめ予想した範囲内”
「想定内」(そうていない)とは、「結果があらかじめ予想していた範囲であること」を意味します。事前に想像ができることから、「想像に難くない」と近い意味を持つ言葉と言えます。
「想像に難くない」の対義語とは?
対義語①「想像し難い」は”想像に難くない”の反対の意味
「想像し難い」(そうぞうしがたい)と言う言葉の意味は、「簡単に想像できない」「想像するのは難しい」です。「想像に難くない」とは反対の意味を持つ言葉となります。
対義語②「想像に及ばない」の意味は”想像する力がない”
「想像に及ばない」(そうぞうにおよばない)の意味は、「想像できない」こと。「及ばない」と言う言葉は、「する必要がない」との意味を持ちます。「想像に及ばない」とは、自分には「想像するまでの力がない」ことから「想像できない」「想像が難しい」ことを表す、「想像に難くない」の対義語となります。
対義語③「想像を絶する」は”想像をはるかに超えている”
「想像を絶する」(そうぞうをぜっする)とは、「はるかに想像を超えていること」を意味する言葉です。物事の状態が想像できる範囲を超えているほどである場合に使い、「想像に難くない」の反対の意味を持ちます。
対義語④「想像に余りある」の意味は”想像しきれない”
「想像に余りある」(そうぞうにあまりある)も、「想像に難くない」の反対の意味を持つ言葉です。「余りある」とは、「十分ではないこと」「余裕があること」を意味する言葉。つまり「想像に余りある」とは、物事が「想像しきれないこと」であることを表しています。
「想像に難くない」に関するその他の豆知識
「想像するに堪えない」は類似しているが意味が異なる
「想像に難くない」に類似した表現として、「想像するに堪えない」という言葉があります。「堪えない」とは、物事を「せずにいられない」という気持ちが昂ぶっていることを意味する言葉。
したがって「想像するに堪えない」は、「想像せずにはいられない」ことを表しており、「想像に難くない」とは異なる意味合いを持ちます。
英語で「想像に難くない」は”be easy to imagine”
「想像に難くない」の英語表現は、「be easy to imagine」を使うことが適しています。「be easy to imagine」は、「想像することは容易である」の意味を持つフレーズです。
「想像に難くない」は小説『山月記』でも使われる
「想像に難くない」とは、ビジネスや日常の会話、映画や小説のセリフなど幅広く使われている言葉です。
虎になってしまった男を描いた中島敦の小説『山月記』においても、「想像に難くない」の言葉が使われています。
まとめ
「想像に難くない」とは、「簡単に想像できる」の意味を持つ言葉です。「○○であることは想像に難くない」「○○することは想像に難くない」など、ある物事についてあらかじめ簡単に想像ができることを表す場合に使います。「想像に容易い」「想像が付く」などの類語表現や、「想像し難い」を始めとした対義語も数多くあります。