「かねてから」の意味と使い方とは?類語「かねてより」も解説

「かねてから」とは「以前から」を意味する言葉で、「かねてからの強い望み」や「私はかねてから」などの使い方をします。「かねてからは誤用なのか?」「かねてからを使った短文を知りたい」という方に向けて、「かねてから」の意味や使い方、類語の「かねてより」を説明します。

「かねてから」とは?

「かねてから」の意味は”以前から”

「かねてから」の意味は、“以前から”です。「以前」が指す期間はとくに定まっておらず、過去から継続してなにかを行っている状況で使用されます。例えば、「私はかねてから教育に興味がある」という例文。

例文の場合、以前から継続して教育に興味があることを表しています。

漢字では「兼ねてから」よりも「予てから」を使用

「かねてから」を漢字表記にすると「予てから」になります。「兼ねてから」とも表せるのですが、「兼ねてから」には「以前から」という意味の他に「2つ以上の事柄をあわせる」という意味もあるため、「予てから」が適しています。

一般的には平仮名で表記されるため使用頻度は高くありませんが、漢字では「予てから」を使用すると覚えておきましょう。

「かねてから」の使い方と例文とは?

「かねてから」は継続している状況で使用

「かねてから」は、「以前からなにかを継続している状況」で使用されます。昔は行っていたが、現在は中断しているという状況では使用できないため、注意しましょう。

例えば、「かねてからの願い」という使い方をする場合、以前から現在にかけて願い続けている状況で使用できます。

「かねてから」は履歴書でも使える

「かねてから」は、履歴書の志望動機や自己PR欄でも使用可能です。「以前から」を意味する言葉のなかでも「かねてから」は硬い表現であるため、日常会話ではなくビジネスや履歴書など、かしこまったシーンに適しています。

例文
  • かねてから医療に携わることが夢でした。
  • 憧れである医療従事者になるため、かねてから医学を学んでいました。

履歴書では上記のような使い方ができます。

「かねてからの強い望み」は”以前からの望み”を表す

「かねてから」の使い方の1つが「かねてからの強い望み」です。以前から強く望んでいた状況で使用できます。例えば、「かねてからの強い望みである医療に、やっと携わることができた」などの使い方ができます。

「かねてから」の例文を短文で紹介

  • かねてから交際が噂されていた2人が、ついに入籍したようだ
  • ○○さんのご高名はかねてから伺っております。お会いできて光栄です
  • かねてから進めていた事業だが、なかなか思い通りにいかない

「かねてから」の類語とは?

「かねてから」と同じ意味をもつ”かねてより”

「かねてから」の類語には「かねてより」が当てはまります。意味や使い方に違いはなく、「かねてから」を使用するシーンで「かねてより」に言い換えることができます。ただ、「かねてより」も意味が重複している「重ね言葉」に当てはまるため、人によっては過剰な表現と捉えられることを覚えておきましょう。

「以前から」「前々から」はくだけた表現として使用

「かねてから」の類語には、「以前から」や「前々から」も当てはまります。「かねてから」と比べるとくだけた表現であるため、日常生活や親しい相手など「かねてから」が堅苦しいと感じる状況で使用できます。

「かつてから」は誤用であり類語ではない

「かねてから」と音が似ている「かつてから」という言葉。「かつてから」は「以前」を意味する「かつて」へ、助詞である「から」を加えた言葉ですが、正しい使い方ではありません。「かつて」は単に「以前」を意味する言葉であるため、継続を表す「から」を加えることは間違いとなります。

「かねてから」と音が似ていることもあり、「以前から」を表すと間違えられることがありあますが、誤用であるため注意しましょう。

「かねてから」は誤用?

「かねてから」は正しくはないが使用可能

「かねてから」という言葉は、同じ意味の言葉が重なっている「重ね言葉」に当てはまります。重ね言葉は「間違っている」と断言できませんが、日本語の使い方としては正しくなく、受け手としても「過剰だ」と捉えられる可能性がある表現です。

「かねて」は単体で「以前から」という意味があり、「から」も「以前」を表しているため意味が重複していることになります。しかし、重ね言葉を間違っているとは言い切れないことに加え、古くから使用されている言葉でもあるため、新聞紙など一部を除いては使用されています。重ね言葉が気になる場合は、「から」を省いた「かねて」のみを使用しましょう。

「かねてからの懸案事項」は誤用のため使えない

「かねてからの懸案事項」は誤用であるため使用できません。「懸案」とは「以前から問題とされていながら、まだ解決されていない問題」という意味があります。「懸案」にすでに「以前から」という意味が含まれているため、「かねてから」を省いて使用しましょう。

「かねてから」の英語表現とは?

「かねてから」は英語で”For some time”

「かねてから」は英語で“For some time”です。「しばらくの間」や「しばらく前から」という意味があり、「しばらく」の期間は定められていません。例えば、「Have known each other for some time」という例文の場合、「かねてからの知り合い」という意味になります。

まとめ

「かねてから」とは「以前から」を意味する言葉で、「かねてからの強い望み」や「私はかねてから」などの使い方をします。意味が重複している「重ね言葉」ではあるものの、古くから使用されていることもあり、新聞紙など一部を除いて使用されています。

「かねてから」が堅苦しいと感じるシーンでは、類語の「以前から」や「前々から」など柔らかい表現へと言い換えましょう。

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hana
大阪在住の新人ライターです。学生時代にビジネスマナーや医療事務・秘書などの検定を取得し、前職は医療秘書として医院勤めでした。料理とスポーツが得意なので、いつか記事にできたらなと思っています。よろしくお願いします。