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「かたわれどき」の意味とは?「かわたれ時」との違いや類語も解説

「かたわれどき」は、ある有名アニメーション映画の中で生まれた辞書上にはない言葉です。朝方など1日の中のある特定の時間を表していて、“かわたれ時”などと同じように使います。今回はこの「かたわれどき」の意味や由来、使い方の例文や類語・英語表現までを詳しく解説していきます。「かわたれ時」など、ほかの表現についても紹介します。

「かたわれどき」とは?

「かたわれどき」の意味は”黄昏時”

「かたわれどき」の意味は、“昼でも夜でもない薄暗い時間帯”です。辞書上にある言葉で表すなら「黄昏時(たそがれどき)」、もっと噛み砕いた言葉なら「夕暮れ時」や「夕方」と表現します。

「かたわれどき」の由来はアニメーション映画”君の名は。”

「かたわれどき」の由来は、2016年に公開された長編アニメーション映画「君の名は。」です。映画の中で「かたわれどき」は、ヒロイン『宮水三葉』の住んでいる“糸守町(いともりまち)”の方言という設定で使われています。もちろん“糸守町”は実在しません。

「かたわれどき」は「昼でも夜でもない薄暗い時間帯」という意味の他にも、「世界の輪郭がぼんやり柔らかくなる」という抽象的な意味合いで、主人公2人が出会う大事な場面に使われています。

「かたわれどき」の語源は”彼は誰?”と”片割れ”

  • 「彼は誰?」

「かたわれどき」は夕暮れ時を表す「黄昏時」の方言とされていますが、大元は万葉集にある「誰そ彼(だれそかれ)」が語源です。太陽が沈みかけ薄暗く辺りが見えずらくなることから、以下のように変化していったと言われています。

「彼は誰?」→「彼そ誰」→「誰そ彼」→「たそがれ」→「黄昏時」→「かたわれどき」
※「かたわれどき」は映画内のみで使われている言葉

  • 「片割れ(かたわれ)」

別の考えでは、はっきりと物体が見えない、または影しか見えない薄暗い中相手を見失い、「片割れ」になってしまったという状況が語源であるとも言われています。

「彼は誰時(かわたれどき)」と混同されやすい

「かたわれどき」と似た言葉に「彼は誰時(かわたれどき・かはたれどき)」があります。「彼は誰時」は「かたわれどき」と同じく薄暗い時間帯を表しますが、基本的に“夕方”ではなく“明け方”のことを指します。「黄昏時」と違い言葉の響きも似ているため、非常に混同しやすいので使う時は注意しましょう。

「かたわれどき」の使い方と例文とは?

「かたわれどき」は現実世界では使えない

先ほどお話したように、「かたわれどき」はアニメーション映画「君の名は。」の劇中で使われている実在しない言葉です。そのため、基本的には現実世界では使えません。しかし、「君の名は。」はあの宮崎駿監督の名作「千と千尋の神隠し」の人気を抜いた記録を持っています。今後、新語として定着する可能性はあるでしょう。

「かたわれどき」を使った例文

「かたわれどき」を使った例文をいくつかご紹介しましょう。

  • 「不思議だが、かたわれどきに君に会えることが多い」
  • 「僕は、かたわれどきの風景が1番好きだ」
  • 「かたわれどきが何時かやっとわかった」
  • 「かたわれどきの君は、いつにも増して色っぽい」
  • 「かたわれどきに思い出すことはいつも決まっている」

「かたわれどき」の類語や対義語とは?

「かたわれどき」の類語は”黄昏時・夕暮れ時”

「かたわれどき」の類語は、「黄昏時」と「夕暮れ時」です。「かたわれどき」の「昼でも夜でもない薄暗い時間帯」と同じ意味を持つため、同義語としても使えます。「かたわれどき」と違い実在する言葉です。

「かたわれどき」の対義語は”かわたれ時・明け方”

「かたわれどき」の対義語は、「かわたれ時」と「明け方」です。「黄昏時」や「夕暮れ時」の逆の時間帯を表す言葉なので対義語と言えます。この2つの言葉は実在しています。

「かたわれどき」の英語表現とは?

「かたわれどき」の英語表現は”dusk”

「かたわれどき」の英語表現には、名詞“dusk”を使うといいでしょう。“夕暮れ”や“夕闇”、また“(たそがれの)薄暗がり”という意味を表現できます。

  • 「dusk」・・・夕暮れ、夕闇、(たそがれの)薄暗がり

「twilight」でも表現できる

「かたわれどき」は、“(日の出前・日没後の)たそがれ時“を意味する名詞「twilight」でも表現できます。”たそがれの“のように形容詞としても使えます。

  • 「twilight」・・・(日の出前・日没後の)たそがれ時、薄明、薄暮

まとめ

「かたわれどき」は、世界的ヒットを記録した日本のアニメーション映画「君の名は。」の中で使われている“黄昏時”を表す言葉です。新語として今後認知される可能性はありますが、今のところ辞書上には掲載されていないため正式な日本語としては使われていません。

「彼は誰時(かわたれどき)」と言葉の響きが似ているため混同しやすいですが、「彼は誰時(かわたれどき)」は“明け方”、「かたわれどき」は“夕暮れ時”と全く異なる時間帯を表すので間違えないよう気をつけましょう。