「面目」の意味とは?「面目ない」「面目躍如」や三字熟語も解説

「面目(めんぼく)」とは「世間での立場」を意味する言葉で、「面目ない」や「面目をつぶす」などの使い方をします。四字熟語の「面目躍如(めんもくやくじょ)」でも知られていますが、そもそもは仏教用語の「面目(めんもく)」から転じた言葉です。

今回は「面目」の意味や語源、使い方を解説。「面目」を使った四字熟語や三字熟語、類語、英語表現をまとめて紹介します。

「面目」の意味とは?

「面目」の意味は「世間での立場」

「面目」の意味は「世間での立場」「世間からの評価や名誉」です。立場を保ったり、立場を失ったりする状況で「面目」が使用されます。また、「面目」は古くから使用される言葉であり、古語としては「顔」「顔の様子」を意味します。

「面目」の読み方は「めんぼく」「めんもく」

「面目」の読み方は2通りあり、「めんぼく」または「めんもく」と読みます。読み方は異なっても、どちらも同じ意味の言葉として使用されます。

ただ、四字熟語の「面目躍如(めんもくやくじょ)」「面目一新(めんもくいっしん)」は「めんもく」と読むため、「めんぼく」と読まないよう注意しましょう。

「面目」の語源は仏教用語にあり

「面目」の語源は仏教用語にあります。仏教用語では「面目」を「めんもく」と読み、「人間の真の姿」「命のありさま」を意味します。「真の姿」「ありさま」という意味が転じ、「世間での立場」「世間からの評価」を意味するようになりました。

「面目」の使い方と例文

「面目ない」は「合わす顔がない」を意味する

「面目」の使い方の1つが「面目ない」です。「面目無い」とも表記され、「恥ずかしさから合わせる顔がないこと」を意味します。

失敗や失態から恥ずかしいと感じた状況で使用できる「面目ない」ですが、言葉自体に謝罪の意味はありません。単に「合わせる顔がないこと」を表す言葉であるため、謝罪が必要な場合は謝罪の言葉をくわえる必要があります。

「面目を保つ」は「立場を保つこと」を意味する

「面目を保つ」は「立場や評価を保つこと」を意味します。

恥をかかずにすんだ状況や、自分の立場や評価を守れた状況で使用しましょう。

例文と意味
社員同士の揉め事を沈めることができ、なんとか年長者としての面目を保つことができた。

・意味:「社員同士の揉め事を沈めることで、年長者としての立場を保つことができた」

「面目が立つ」「面目を施す」も「立場を保つこと」を意味する

「立場を保つこと」を表す言葉には、「面目を保つ」以外にも「面目が立つ」や「面目を施(ほどこ)す」が当てはまります。「施す」とは、「あることを成し遂げて高い評価を保つこと」を意味します。

「面目を保つ」と同じ状況で使用できるため、「面目を保つ」という表現が続く場合は言い換えてみましょう。

「面目をつぶす」は「立場に傷を負うこと」を意味する

「面目をつぶす」は「立場や評価に傷を負うこと」を意味します。

何かに失敗して恥をかいたり、立場が危うくなったりする状況で「面目をつぶす」を使用します。誰かに傷を負わされる場合は、「面目をつぶされる」と表現を変えて使用しましょう。

また、「面目をつぶす」と同じ意味をもつ言葉に「面目を失う」があります。「立場や評価に傷がつくこと」を意味しており、「面目をつぶす」と同じ使い方ができます。

「面目」を使った例文

  • 君にはいつも迷惑をかけてしまい、面目無い気持ちでいっぱいだ
  • なんとか契約までこぎつけたが、一時は面目を失うかと思ったよ
  • 新人の前で大きなミスをしでかすなんて、これでは先輩としての面目が立たない

「面目」を使った四字熟語・三字熟語

「面目躍如」は「本来の姿が現れている」様子

「面目」を使った四字熟語の1つが「面目躍如」です。「めんもくやくじょ」と読み、「本来のいきいきとした姿が現れている様子」を意味します。また、「実力を発揮し、世間に認められている様子」という意味もあり、第三者から評価を得た状況で使用されます。

例文
  • 入社3カ月にして予想外の働きをしたため、面目躍如だと褒められた
  • 彼の面目躍如たる活躍には毎回驚かされる

「面目一新」は「高い評価をうけるようになること」を表す

「面目一新」も「面目」を使った四字熟語の1つです。読み方は「めんもくいっしん」で、「世間の評価が変わり、高い評価をうけるようになること」また、「外見や内容が変わること」という意味を持ちます。

今までは高くなかった評価が、なにかを期に高くなる状況や、外見や中身が一新される状況で使用しましょう。

例文
  • A社が面目一新だと言われているのは、現社長のおかげだ
  • 彼の面目一新した姿を見れば誰もが驚くだろう

「面目玉」は「面目」と同じ意味

「面目玉」とは「めんぼくだま」と読みます。意味は「面目」と同じで、「世間での立場」を表します。使い方としては「面目玉を踏みつぶす」という言い回しで、「面目をつぶす」を指しています。古典作品や小説などで使われる表現です。

「不面目」は「面目をつぶすこと」を表す

「不面目」の読み方は「ふめんぼく」です。意味は「面目をつぶすこと」「名誉が傷つけられること」を指します。たとえば「彼は金メダル確実と言われていたが、不面目な結果で終わってしまった」といった表現ができます。

「面目」の類語表現と英語表現

「面目」の類語「体裁」「世間体」

「面目」の類語には、「体裁(ていさい)」や「世間体(せけんてい)」が当てはまります。「体裁」とは「世間から見た自身の状態」を意味し、「世間体」は「世間の人から見た自身の状態」を意味します。

どちらも「世間からの評価」や「立場」を意味する言葉であるため、「面目」が伝わりにくいと感じた状況で言い換えてみましょう。

「面目」は英語で「Honor」

「面目」の英語表現は「Honor」です。「Honor」とは「名誉」や「面目」「体裁」を意味する単語で、「One’s honor(面目)」とも表します。

例文と意味
Lose personal honor.

・意味:「面目を失う」

まとめ

「面目」とは、「世間に対する立場」「世間からの評価や名誉」を意味する言葉です。「面目ない」や「面目をつぶす」などの使い方があり、四字熟語では「面目躍如」「面目一新」があります。

類語には「体裁」「世間体」が当てはまるため、「面目」が伝わりにくいと感じる場合は、言い換えてみましょう。

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hana
大阪在住の新人ライターです。学生時代にビジネスマナーや医療事務・秘書などの検定を取得し、前職は医療秘書として医院勤めでした。料理とスポーツが得意なので、いつか記事にできたらなと思っています。よろしくお願いします。