「相乗効果」の意味とは?使い方の例文と類語・対義語を解説

「相乗効果」の意味とは、「複数の要素が合わさり、高い結果が出ること」。それぞれの結果を足して合わせるよりも高い結果が出ることを表し、ポジティブな意味合いとして使われる言葉です。

今回は「相乗効果」の意味を詳しく解説し、使い方と例文を紹介。また、類語と対義語に加え、英語と中国語での表現もお伝えします。

「相乗効果」とは?

「相乗効果」の意味は”複数が合わさってより高い結果が出ること”

「相乗効果」の意味は、“複数の要素が合わさり、単体で得る以上の高い結果が出ること”です。「相乗」は、”2つ以上の要素が合わさること・掛け合わせること”の意味を持ちます。また、「要素」には、人をはじめとして条件や物・事などあらゆるものが当てはまります。

「相乗効果」においては”1足す1”は2以上

「相乗効果」を説明する場合に、例えられることが多いのは、「1足す1は2」という計算式。要素に基づく結果を1としたとき、個別の要素の結果である1同士を足すと2の結果が生まれます。しかし「相乗効果」においては、要素が合わさることにより、「1足す1は2」ではなく2を超える結果が生まれることを意味しています。

「相乗効果」の使い方と例文とは?

「相乗効果を生む」「相乗効果が生まれる」

「相乗効果を生む」「相乗効果が生まれる」とは、「相乗効果がつくり出される」こと。複数の要素を合わせることにより、「高い効果が新たにつくり出される」という意味です。

  • 早寝と早起きの習慣が相乗効果を生み、見違えるほど健康になった。
  • ライバル同士を同じチームにしたことにより、個人の能力を引き出すことだけでなくチーム全体を活性化させるという相乗効果が生まれている。

「相乗効果を得る」「相乗効果が得られる」

「相乗効果を得る」「相乗効果が得られる」とは、「相乗効果を手に入れる」の意味。「相乗効果を生む」「相乗効果が生まれる」の場合は要素が主語となるのに対し、「相乗効果を得る」「相乗効果が得られる」の場合、結果の受け取り手を主語とします。

  • 日本舞踊とタップダンスの両方にチャレンジしたことにより、体幹が鍛えるだけでなく表現力が広がる相乗効果を得ることができた。
  • 同じ性格ではなく異なる性格同士の人を組み合わせるほうが、高い相乗効果が得られるのではないだろうか。

「相乗効果をもたらす」

「相乗効果をもたらす」という言葉は、「相乗効果を実現させる」の意味として使います。「もたらす」とは「持ってくる」「実現させる」などの意味を持った言葉です。

  • 充実した仕事と恋愛が、彼女をより魅力的にする相乗効果をもたらした。
  • 動物性と植物性の素材が相乗効果をもたらし、出汁にはなんとも言えない味わいが生まれている。

「相乗効果を図る」「相乗効果を狙う」

「相乗効果を図る」「相乗効果を狙う」という表現は、いずれも「相乗効果が生まれることを期待して何かを行うこと」を意味しています。「図る」は「意図する」「計画する」、「狙う」は、「あることを目標にする」の意味をそれぞれ持っています。

  • 効率よく減量するためには、運動と食事制限の両方で相乗効果を図るのがよい。
  • 認知をアップするために、政治家と芸人の組み合わせで相乗効果を狙ったようだ。

「相乗効果を高める」

「相乗効果を高める」とは、「相乗効果から生まれる結果を、さらに高くする」ことの意味で使います。「高める」という言葉は「物事の度合いを高くする」の意味を持っています。

  • テレビと雑誌へ同時に広告を行ったことで、相乗効果を高めるとともにコスト削減を図ることができた。
  • なんでも良いというわけではなく、相乗効果を高めるため組み合わせを見極めることが必要だ。

「相乗効果を発揮する」

「相乗効果を発揮する」の「発揮」という言葉は「内に秘めていた能力や性質を表に出す」の意味を持ちます。したがって、「相乗効果を発揮する」とは、偶然の結果「相乗効果」が生まれるというよりは、ある程度予想された結果として「相乗効果が生まれた」場合に使います。

  • 性格が違う二人は日頃は喧嘩ばかりしているが、いざという時には相乗効果を発揮し、チームを盛り上げてくれる。
  • 新しい組み合わせが相乗効果を発揮するようになるには、時間がかかることもあるだろう。

「相乗効果」の類語とは?

類語①「シナジー効果」は”相乗効果”と同じ意味

「シナジー効果」の意味は、「相乗効果」と同じ。後ほどご紹介する英語表現「synergy」のカタカナ表現ですが、ビジネスにおいて覚えておくことが必要な言葉です。例えば、複数の企業が協業する場合や、企業が多角的な経営を行う場合、協業や多角経営により高いビジネス効果が生まれる場合に使われます。

類語②「相乗作用」は”お互いが影響し高い結果が出ること”

「相乗作用」(そうじょうさよう)も、「相乗効果」の言い換えとして使うことが可能な近い意味を持った言葉です。いくつかの物事がお互いに影響しあうことによって、より高い結果が出ることを意味しています。

類語③「相互作用」の意味は”お互いが影響し合うこと”

「相互作用」(そうごさよう)とは、2つ以上の物事や人が、お互いに影響を及ぼすことを意味する、「相乗効果」と近い意味を持つ言葉です。しかし、ポジティブな影響だけでなくネガティブな影響を及ぼす場合もあります。

「相乗効果」の対義語とは?

対義語①「相殺」は”お互いが影響し合い効果が薄まること”

「相殺」(そうさい)とは、「物事がお互いに影響し合うことにより効果が薄まること」を意味しています。複数の物事が合わさることにより効果が高まるのではなく、むしろ薄まることになり、「相乗効果」とは反対の意味を持つ言葉となります。

対義語②「中和」の意味は”お互いが性質を打ち消し合うこと”

「中和」(ちゅうわ)とは、「物質が混ざり合い互いの性質を打ち消し合うこと」や「どちらかにかたよらないこと」を意味しています。「中和」は、互いを打ち消しあった結果別の物を生むこともありますが、「相乗効果」のような高い結果という意味では使わない言葉です。

「相乗効果」の英語と中国語表現とは?

「相乗効果」は英語で”synergy”

「相乗効果」の英語表現では、“synergy”を使います。類語表現でご紹介したカタカナの「シナジー」と同様に、ビジネスシーンにおいては一般的に使われています。

「相乗効果」は中文で”相乘效果”

「相乗効果」を中国語で使う場合は、“相乘效果”を使います。「乘」という漢字は「乗」の旧字体です。他に「加乘作用」なども、「相乗効果」の意味として使うことができます。

まとめ

「相乗効果」とは、「複数の物事が合わさることで、より高い結果が生まれること」を意味するポジティブな言葉。計算式においては「1足す1は2」となりますが、「相乗効果」における「1足す1」は2以上となります。「相乗効果」は、ビジネスの場面ではもちろん、人間関係などあらゆる場面において生まれる可能性があります。