「無念」とは「悔しいこと」を意味する言葉で、「無念を晴らす」「無念極まりない」のような使い方をします。「四字熟語の無念無想とは?」「残念との違いは?」という方に向けて、「無念」の意味や「無念」を使った四字熟語、類語「残念」との違いを解説します。
「無念」の意味とは?
「無念」の意味は”悔しいこと”
「無念」の意味は、“悔しいこと”です。なにかを失ったり、目的を遂行できずに悔しい思いをしたりする状況で使用しましょう。
読み方は「むねん」です。「ぶねん」とも読まれることがあります。ただ、「ぶねん」と読む場合「考えが足りないこと」を表すため、「悔しいこと」とは意味が異なります。また、「考えが足りないこと」を意味する「ぶねん」は、「不念」とも表記するため一般的に「無念」は「むねん」と読まれます。
仏教で「無念」は”何も思わないこと”を意味する
「無念」は仏教用語としても使われる言葉です。仏教用語では「何も思わないこと」「念が残っていないこと」を意味しています。マイナスな意味で使用されるのではなく、「やるべきことをやったため、思い残すことがない」という意味で使用されます。
「無念」の使い方と例文とは?
「無念だ」「無念でございます」のように使用
「悔しいこと」を意味する「無念」という言葉。「無念だ」や「無念でございます」のように使用されます。例えば、「1年かけたプロジェクトが失敗に終わるなんて無念だ」という例文。
上記の例文は、プロジェクトが失敗におわったことを悔しんでいる文章となります。
「無念さ」は”無念な状態”で使用する
「無念さ」は”無念な状態”であるときに使用できます。「無念」の後ろについている「さ」は「接尾語」といい、「○○な状態であること」を表します。静かな状態を表す「静かさ」や、暑い状態を表す「暑さ」と同様に無念な状態を表しているのです。
「無念を晴らす」は”悔しさを晴らすこと”を表す
「無念」の使い方の1つが「無念を晴らす」です。「悔しさを晴らすこと」を意味しており、悔しいという感情を心の中から取り除く状況で使用できます。例えば、「親の無念を晴らすために、あなたを探し続けていた」という例文。
上記のように「○○の無念を晴らす」と使用する場合、「自分がもっている悔しい思い」ではなく、「○○に当てはまる人が与えられた悔しさ」を晴らすことになります。
「無念極まりない」は”とても無念に思うこと”を表す
「無念極まりない」は”とても無念に思うこと”を表します。「極まりない」とは「この上なく」という意味があるため、「無念極まりない」は「とても悔しい」「この上なく悔しい」状況で使用しましょう。
「無念の死」は「悔しい思いで死ぬ状況」で使用
「無念の死」は”悔しい思いをしながら死ぬこと”を意味します。本当は死にたくなかったり、なにか心残りがあったまま死んでしまったりした状況で使用できます。例えば、「会社を創立するという目標がありながら、無念の死を遂げてしまった」という例文。
上記の例文は、会社を設立するという目標を達成せずに亡くなったため、心残りがあることを表しています。
「無念」を使った例文
「無念」を使った例文をご紹介しましょう。
- 無念の死を遂げた友人のために、必ず優勝旗を持ち帰る
- 家族の無念を晴らすためにここまでやってきた
- 自分の力もここまでだと思うと、無念極まりない
「無念」を使った四字熟語とは?
「無念無想」は”無心になること”を意味する
「無念」を使った四字熟語に「無念無想」があります。「むねんむそう」と読み、「良くない思いを捨てて無心になること」を意味します。また、「無心になること」以外に「単に何も考えていないこと」という意味もあり、悪い意味でも使用される四字熟語です。
例えば、「どんな状況でも無念無想でいることを心に決めている」という例文。例文の場合、「無念無想」は「無心になること」を意味しています。
「無念至極」は”とても悔しいこと”を意味する
「無念至極」も「無念」を使った四字熟語です。読み方は「むねんしごく」で、「この上なく無念なこと」を意味します。例えば、「こんなところで負けてしまうとは、無念至極でございます」のように使用できます。
「無念」の類語「残念」との違いとは?
類語「残念」との違いは”悔しさの大きさ”
「無念」の類語に当てはまるのが“残念”です。「残念」とは”期待通りにならず心残りがある様子・悔しいこと”を意味する単語で、思い通りにいかずに悔しい様子を表していることから、「無念」の類語となります。
似た意味をもつ「無念」と「残念」ですが、2つには違いがあります。両方とも「悔しいこと」を意味しますが、「悔しさ」の度合は「残念」よりも「無念」の方が大きいのです。悔しいという気持ちが大きい場合は「無念」を、小さい場合は「残念」を使い分けましょう。
「無念」の英語表現とは?
「無念」は英語で”regret”
「無念」の英語表現は“regret”です。「後悔する・遺憾に思う」を意味する単語で、「To be regret」で”無念に思う”という文章になります。「regret」の他にも「復習」を意味する「Revenge」を使った「Revenge oneself」で「無念を晴らす」と表すことができます。
まとめ
「無念」とは「悔しいこと」を意味する言葉で、「無念を晴らす」や「無念極まりない」のような使い方をします。四字熟語では「無念無想」や「無念至極」という言葉があり、類語には「残念」が当てはまります。
「残念」は類語ではあるものの、「悔しさ」の度合いは「無念」の方が大きいため、どのくらい悔しいかによって使い分けましょう。