「陶器」と「磁器」の違いとは?5つの見分け方をわかりやすく解説

世代や年齢に関わらず趣味の一つとして注目されているのが「焼き物」です。「焼き物」と言えば「陶器」や「磁器」ですが、これらの特徴や違いは一体どのようなものなのでしょうか?

ここでは「陶器」と「磁器」の違いやそれぞれの特徴、見分け方のポイント、英語表現についてわかりやすく解説させていただきます。



「陶器」と「磁器」の違いとは?

使用する材料が違う

「陶器」は別名「土もの」と呼ばれ、粘土である「陶土(とうど)」という素材を使います。この「陶土」に「珪石(けいせき」や「長石(ちょうせき)」を混ぜて使うのが一般的です。陶土は白色で腰が強く仕上がりがタフ、乾燥しても縮みにくいという特性を持ちます。また、陶土には堆積性のある「木節(きぶし)粘土」「蛙目(がえめ)粘土」や、風化する性質を持つ「ホンコンカオリン」「耐火粘土」などがあります。

一方「磁器」は「石もの」と呼ばれ、「石英(せきえい)」や「長石」などを砕き、粘土と混ぜ合わせて使います。「石英」は「クオーツ(quartz)」とも呼ばれ、ガラス光沢を持つ透明な水晶を指します。

焼く時の温度と焼き方が違う

「陶器」は窯内の温度800度~1250度で焼き上げます。「陶器」は窯内に十分な酸素をめぐらせ、少しずつ温度を上げていく「酸化焼成(さんかしょうせい)」という焼き方か、もしくは不完全燃焼の状態で焼き上げる「還元焼成(かんげんしょうせい)」という焼き方を用います。

一方「磁器」は、陶器より400度以上高い1200度~1400度で焼いていきます。焼き方は「還元焼成(かんげんしょうせい)」のみとなります。

「酸化焼成」と「還元焼成」の違い

  • 「酸化焼成」:十分な酸素が供給され青白っぽい炎が立ち上がります。
  • 「還元焼成」:窒息状態で燃焼が進み、赤い炎や黒煙、一酸化炭素が発生するのが特徴。燃料供給のタイミングが難しく、熟練された技術が求められます。

割れやすいのは「陶器」

「陶器」と「磁器」では「陶器」の方が素材や焼き方の影響で割れやすくなります。「陶器」は粘土の暖かい風味が特徴ですが、一定の衝撃を受けると飲み口や取っ手などの部分にヒビが入ったり、欠けや割れを起こしてしまうことがあります。「磁器」は堅焼きであるため、「陶器」に比べ衝撃に強く頑丈であると言えるでしょう。

「陶磁器」とは「陶器」と「磁器」の総称

「陶磁器」という言葉がありますが、これはシンプルに「陶器」と「磁器」を組み合わせた呼び名となります。

一般的には「焼き物」と言えば「陶磁器」という認識が高いようです。さらに趣味の域になると、それぞれの特徴を理解したうえで「陶器」と「磁器」を上手に使い分け、その日の気分や用途にあわせて風合いを楽しむこともできます。

「陶器」と「磁器」の5つの見分け方

「陶器」は低くにぶい音「磁器」はキンキンと澄んだ音

スプーンで軽く叩いてみると、「陶器」はゴンゴンと低くにぶい音がしますが、「磁器」はキーンキーンという金属的で高い音が出ます。陶器は粘土で出来ているため音に広がりがありませんが、「磁器」はガラス素材が入っているため美しく音が響くのが特徴です。

「陶器」は土のぬくもり「磁器」はガラスのなめらかさ

風合いの観点から見てみると、「陶器」は土から生まれる独特の温かさやぬくもりがありますが、「磁器」は繊細でエレガント、そして輝くようなガラスの光沢となめらかさが印象的です。がっちりと重みを感じ、厚手で素朴なのが「陶器」で、細かいデザインが生きてくるのが「磁器」とも言えるでしょう。

「陶器」は色合いが豊富「磁器」はほとんど白

見た目で最も判断しやすいのは「色」の違いです。「陶器」は赤、黒、緑、黄色、青、白などおよそ80色以上の色合いで焼き上げることができますが、「磁器」はほとんど白色です。「陶器」も白色を醸し出すことができますが、オフホワイトやグレーがかった白など「純白」ではない様々なタイプの「白」を生み出すことができます。

「陶器」は高台が土色で荒く「磁器」は薄く繊細

器の底につけられた円状の輪の部分「高台(こうだい)」からも、「陶器」と「磁器」の見分け方のヒントがあります。

「陶器」は茶色く土っぽくザラザラとした感触がありますが、「磁器」は薄くサラッとし、なめらかで綺麗なのが特徴です。表からは見えない部分となりますが、高台は素材や焼き上げの過程で差が出てくる部分でもあります。「陶器」か「磁器」が見分けがつかない場合は、器をひっくり返し高台をチェックしてみましょう。

「陶器」は光を通さない「陶器」は光を通す

「陶器」は光を通しませんが、「磁器」は光にあてると少し透けて光が見えることがあります。磁器の透明感が生まれるのは「光が透ける」という点にあるのかもしれません。

また「陶器」では実現できませんが、「磁器」を太陽の光がさす窓際に磁器を飾ると、ほんのりと光を通すため独特の輝きと光沢を生むことがあります。

「陶器」と「磁器」を英語で表現すると?

「陶器」は「crockery」磁器は「china」

「陶器」は英語で「crockery」や「earthenware」です。粘土で作られたという意図で表現する時は粘土素材のという意味の「clay」を使いましょう。趣味として一般的に陶器を意味する場合、たとえば「陶器に夢中になる」という例文なら「be into pottery」というように「pottery(ポタリー)を使います。

また「磁器」は「china(チャイナ)」や「porcelain(ポーセリン)」が一般的です。

英語圏では「陶磁器」として「ceramics」で一括り

英語圏では日本のように「陶器」と「磁器」を区別する習慣や文化がないという国が多いと言えます。そのため、「陶磁器」としてひとまとめで「ceramics(セラミックス)」と称する場合がほとんどでしょう。

たとえば、「日本製の陶磁器は素晴らしい」と表現するなら「Japanese ceramics are fantastic」となります。

まとめ

「陶器」と「磁器」の違いは「原材料、焼く時の温度、焼成方法」などです。仕上がりや見分けについては、「陶器」は暖かくぬくもりがあり、「磁器」は繊細で薄くガラスのような光沢があるのが特徴でしょう。

「陶器」や「磁器」は、それぞれ風合いが異なりますが、用途や目的、また自分自身の好みによって選ぶことができるのも楽しみの一つとも言えるかもしれません。

また、万が一「陶器」や「磁器」が割れてしまった場合は、陶器よりも磁器の方が割れ口が鋭くなります。ケガをしないよう気にを付けましょう。

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某私立大経営学部卒、大手旅行会社、商社を経て、豪州へ移住。米国PCメーカーのカスタマー部に勤務後、カンガルーやエミューのいるNSW州の片田舎で生活を開始。田舎暮らしをきっかけにフリーランス(ライター・翻訳)に転身し現在に至る。趣味はゴルフ、料理、ローカルとのゴシップ、キャンプ。