「生来」の意味や使い方は?「元来」との違いや例文・類語も解説

「生来」は、その人の能力やある特定の期間を説明するときに使う言葉です。かしこまった表現ですが、「生来気の強い」などよく日常会話の中でも使われています。2通りある読み方の1つが「将来」と同じため、場合によっては表現の仕方に配慮が必要です。今回はこの「生来」の意味や使い方の例文、似た表現「元来」との違いなどを解説していきます。

「生来」の意味とは?

「生来」の意味は「生まれつきの性質」「生まれてこのかた」

「生来」の読み方は「せいらい」、または「しょうらい」です。意味は大きく分けて以下の2通りがあります。

意味:

  1. 生まれてからの生き物(主に人間)の能力や性質、生まれつき
  2. 生まれてこのかた、生まれてから今まで

「生来」に「生」という漢字が入っているように、この言葉には“生まれる前とその後”が関係しています。

読み方次第では「将来」と間違われる

先ほど解説したように、「生来」には「せいらい」「しょうらい」の2通りの読み方があります。とくにどちらの読み方の方が頻繁に使われているなどはありません。しかし、口語的に使った場合は同音語「将来」と間違われる可能性があります。

“近い未来”を表す「将来」と「生来」は意味が異なるため、文章の流れを把握していれば間違うことはありません。ただ人によっては「生来」の意味がわかっていなかったり、話をよく聞いていないことで「将来」と混同してしまうことがあります。

こういったことを避けるためにも、大事な内容には補足の言葉や文章を付け加えて話すことをおすすめします。

「生来」と「元来」の違いは?

「元来」との違いは「本質的なものかどうか」

「生来」と似た意味を持つ言葉に「元来(がんらい)」があります。

それぞれの意味:

  • 「生来」・・・生まれてからの能力や性質、生まれつき
  • 「元来」・・・もともと、最初からそういう性質・状態である

これらの意味からわかるように、「生来」と「元来」は何かの性質を表す点は同じです。異なる点は、「生来」は“生まれ持った本質的なもの”、「元来」は“以前からそうであるもの”というニュアンスの違いにあります。例をあげてわかりやすく説明すると、以下の通りです。

例:

  • 「生来」の場合

「彼女は生来の幸運の持ち主である」・・・彼女は生まれつき幸運の持ち主である

  • 「元来」の場合

「このピアノは元来母の物である」・・・このピアノはもともと母の物である

ビジネスシーンでは「生来」を使う方が一般的とされています。なぜなら、生まれ持った能力や性質について表現する機会が多いからです。ただ場合によっては「元来」を使うこともあるので、文章の内容と合った方を選べるようそれぞれの意味を理解しておきましょう。

「生来」の使い方と例文は?

「生来」は副詞的に使う

「生来」は、「生来の〇〇」というように名詞などを修飾する形で使います。基本的に「生来」のみで使うことはありません。

人の名前としても使われる

「生来」は人の名前として使われることもあります。通常の読み方である「せいらい」や「しょうらい」以外にも「みく」と読ませるものもあり、男性・女性どちらにも名付けられています。

「生来」を使った慣用句

「生来」には、以下のような使用頻度の高い慣用句が2つあります。ビジネスシーンや日常会話でもよく使われるので、使い方は覚えておきましょう。

『生来の性格』

→「容姿も生来の性格も良く、おまけに仕事もできる。彼女は本当に非の打ちどころのない女性だ」

『生来の気質』

→「彼の生来の気質から、上京したいという思いは一時的なものだと判断した」

「生来」の例文

  • 「私の母は生来気の強い女性であった」
  • 「私はクレジットカードが嫌いで生来持ったことがない」
  • 「彼は生来の慌て者として近所でも有名だ」
  • 「私は生来正直に生きてきたと自信を持って言える」
  • 「姉の生来の性格は面倒見が良いところだ」
  • 「父の生来の気質は頑固なところである」

「生来」の類語と対義語は?

類語は「根っから」「元々」

「生来」の類語には、「根っから」と「元々」を紹介します。

  • 「根っから(ねっから)」

意味は「はじめから」「もとから」です。「生来」と同じく、“今現在よりも前から”という意味を持っています。ただ、「根っから」には「生来」のような“生まれつき”というニュアンスはありません。

  • 「元々(もともと)」

意味は「はじめから」「行動を起こす前となんら変わりがないこと」です。「元々」も「生来」と似た意味を持っていますが、“生まれつき”というニュアンスはありません。

対義語は「後天」

「生来」の厳密な対義語は今のところありませんが、“生まれた後の能力”という意味で考えたときの対義語はあるのでここで紹介します。

  • 「後天(こうてん)」

意味は「生まれてから後に身につけること」「生後に人が経験や学習などの結果として得るもの」です。生まれる前の能力や性質を表す「生来」とは反対の意味を持っています。

「生来」の英語表現は?

「生来」の英語表現は「innate」「congenital」

「生来」を英語表現するなら「innate」か「congenital」が適切です。どちらも形容詞として使います。

  • 「innate」・・・生来の、先天的な、生得の

※基本的に能力や性質などに対して使う

  • 「congenital」・・・生まれつきの、先天的な

※基本的に病気や欠陥などに対して使う

  • 「先天的(せんてんてき)」・・・生まれつきであること
  • 「生得(しょうとく・せいとく)」・・・生まれつき身に備わっているもの

カジュアルな表現なら「natural」「inborn」

カジュアルな表現なら「natural」「inborn」でも表現できます。馴染みのある単語なので、「innate」や「congenital」よりも覚えやすいでしょう。こちらも形容詞として使います。

  • 「natural」・・・生得の、生まれつきの、自然的な
  • 「inborn」・・・生得の、生まれつきの、先天的な

まとめ

「生得」は生まれる前から身についている能力や性質、また生まれてから今までの期間を表すときに使う言葉です。「元来」や類語で紹介した「根っから」「元々」とは非常に意味は似ていますが、“生まれつき”というニュアンスはどれもないので混同しないよう気をつけましょう。

口語的に使う際は同音語である「将来」と間違われないよう、補足の言葉や文章を付け加えることをおすすめします。聞き間違いなどが減り、正しい情報が伝わりやすくなります。