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「無粋」の意味とは?使い方の例文と類語・対義語について解説

「無粋」とは、「粋でないこと」の意味を持つ言葉です。「無粋な質問」や「無粋な人」など「無粋な○○」の形で使われることが多く、ビジネスの場というより会話において使う言葉と言えます。今回は、「無粋」という言葉の意味と使い方をわかりやすく解説し例文を紹介。また、類語と対義語に加え、英語表現もお伝えします。

「無粋」とは?

「無粋」の意味は”粋でないこと”

「無粋」の意味は、“粋ではないこと”です。「男女の間など人の気持ちに疎いこと・世の中の様子に通じていないこと」や「服装や態度などが洗練されていないこと」を表すときに使います。また、「面白みがない・遊び心がわからない」などの意味合いとしても使うことができます。

「無粋」は、会議などビジネスの場においてよりは、どちらかと言えば会話の中で使う言葉です。以下に、イチロー選手の引退会見における記者とのやりとりを、例として紹介しましょう。

イチローがキャンプ入りに着るTシャツは、ユニークな言葉やイラストが描かれている事から長年話題を呼んでいました。Tシャツの文字は心情を表していたのかと質問が上がったとき、答えることは「無粋」であると記者に返しています。もし心情を表していたとしても、今になって告げるのは「無粋」なことであるというのが、イチローの答えでした。

「無粋」の読み方は”ぶすい”

「無粋」の読み方は、“ぶすい”です。「無」という漢字は、「む」と「ぶ」のどちらの読み方も可能ですが、「無粋」においては「むすい」ではなく「ぶすい」が正しい読み方となります。

「無粋」は”不粋”とも書く

「無粋」という言葉は、「無」の漢字を「不」に変えて「不粋」と書くこともあります。なお、「不粋」の読み方は「ふわく」ではなく、「無粋」と同じ「ぶすい」が正解です。

「無粋」の使い方と例文とは?

「無粋な質問」のように物事や人に対して使う

「無粋」は、「無粋な○○」と使うことが多い言葉です。「○○」には事や物、人を入れて使います。

たとえば「無粋な質問」とは、「気のきかない質問」のことです。記者会見や会議中など、その場の雰囲気や流れを理解せずに発した質問のことを表す場合などに使います。知恵袋などの掲示板においては、「無粋な質問ですが」「無粋な質問をします」など、前置きの言葉として使っている例を多く見受けます。

また、「無粋な人」や「無粋な男」とは、発言や行動が「粋でない人」に対して使う言葉です。この場合の「粋でない」とは、「真面目で面白みのない人」を意味しています。

「無粋な○○」の例文

「無粋な〇〇」を使った例文をいくつかご紹介しましょう。

  • 記者会見を見ていても無粋な質問ばかりで、うんざりさせられた。もっと気のきいた、これぞと言う質問をなぜできないのだろうか。
  • 無粋な人と敬遠されているようだが、付き合ってみると面白いところもあることがわかった。
  • 彼は無粋な男だから、女性の気持ちがわからないのは仕方がないと諦めるしかない。
  • 他人の恋愛ごとに口を出すような無粋な真似はしたくないが、そろそろ口を挟んでおかないと、話がこちらにまで飛び火しそうな気がする。

「無粋だ」「無粋だった」の例文

「無粋」と言う言葉は、「無粋な○○」の形で使うだけではなく、「○○は無粋だ」「○○とは無粋だった」と使うこともあります。

  • 他の女性が気になると言いながら、気のある振りをするとは無粋だ。
  • 久しぶりに会った彼女に対して、昔と全く変わっていないと言ったのは褒め言葉のつもりだったが、無粋だったかもしれない。

「無粋」の類語・類義語とは?

無粋の類語①「野暮」

「野暮」(やぼ)とは、「無粋」と同じ意味を持つ類語です。「人の心の動きに機敏でないこと」や「洗練されていないこと」「洗練されていない人」などを意味しています。

したがって、「そんなことを聞くとは野暮だ」を「そんなことを聞くとは無粋だ」など、言葉を言い換えて使うことができます。

無粋の類語②「無骨」

「無骨」(ぶこつ)とは、「無粋」と近い意味を持つ言葉です。「無骨者」などと使い、「洗練されていないこと」や「無作法であること」の意味を持ちます。

無粋の類語③「ナンセンス」

「ナンセンス」と言う言葉は、「ばかげたこと」「意味のないこと」「つまらないこと」を意味しています。「センスがない」の意味ではないので注意が必要です。「無粋」の持つ「面白みがない」「遊び心がない」の意味は、「ナンセンス」の持つ「つまらない」と類似していると言えます。

「無粋」の対義語とは?

無粋の対義語①「粋」

「無粋」の対義語は、「粋」(すい)です。「粋」は、「男女間など人の気持ちに通じていること」「世の中の様子に通じていること」や「服装や態度などが洗練されていること」の意味を持っています。

無粋の対義語②「垢抜けている」

「垢抜けている」(あかぬけている)とは、”洗練されていること”を意味する言葉。姿や服装などが洗練されていることを表す場合に使うことが多い言葉です。

「無粋」の英語表現とは?

「無粋」の英語表現は”tactless”や”boorish”を使う

英語で「無粋」を表現する場合には、「機転が利かない」の意味を持つ「tactless」の言葉を使うことができます。たとえば、「無粋な質問」は「a tactless question」、「無粋な行い」は「a tactless act」となります。

また「boorish」と言う言葉は「野暮」や「粗野」の意味を持っており、「無粋」の英語表現として使うことができます。「boorish」とは、「野暮な男」「田舎者」の意味を持つ「boor」に、「〜のような」「〜の性質の」を意味する接尾辞の「ish」がついた言葉です。

まとめ

「無粋」とは、「粋でないこと」を意味する言葉。「垢抜けしていない」「面白みがない」ことを意味する言葉として、「無粋な質問」「無粋な人」「無粋な男」など、物や事・人に対して使います。