「鋭意」の意味と使い方!鋭意努力は頑張ります?使える例文も紹介

「鋭意」という言葉を聞いたことがあっても、使ったことがないという人は多いのではないでしょうか?今回は「鋭意」という言葉について解説します。「鋭意」の意味や使い方を知れば、いつも言葉に困っていた場面にスマートに対応できるようになるかもしれませんよ。ぜひ、この機会に「鋭意」を使えるようになりましょう。

「鋭意」の読み方と意味

「鋭意」はひたすら取り組む様子

「鋭意」という言葉は「えいい」と読みます。「一生懸命に」「集中して」という意味です。自分がすることや、現在進行形でしていることに対して、ひたすらに力を注いでいる状況を表します。

「鋭意」は「鋭い(するどい)」「意」と書きます。自分の意思や気持ちを鋭くして、事に当たるという意味です。気持ちを鋭くするというのは、生半可な気持ちではなく、自分を律して取りかかるという状況を表します。

「ちゃんとやっています」「頑張ります」という言葉は、伝わりやすい反面ビジネス感に欠けてしまいがちです。人や状況によっては、子供っぽい表現だと受け取られるでしょう。そんなときに「鋭意」を使うことで「私(私たち)は自分のやるべきことをしっかりやります(やっています)」という状況と気持ちを、ビジネス感を持った状態で伝えられます。

「鋭意」は前向きな誠意を表す

「鋭意」という言葉が「一生懸命」などの意味ということをお伝えしましたが、実は少しだけニュアンスが異なります。「鋭意」は、使う人のポジティブな心情が乗ります。

たとえば「鋭意努力します」と言えば「頑張って努力します」という意味ですが、日常生活で「頑張る」「一生懸命にやる」という言葉を使うとき、その心情は必ずしも前向きなものとは限りません。「いやだけど」「上手くいくかわからないけど」など、ネガティブな心情を持った状態でも、それらの言葉を使うことはあります。

しかし「鋭意努力します」という言葉には「きっと上手くやります」「前向きに努力をします」という、使う人の「やる気」があることが前提で「鋭意」を使います。そのため「鋭意」という言葉を受けた人は「きっとしっかりやってくれるだろう」と安心していられるのです。

「鋭意」の類語表現

専念・専心は「それだけに取り組む」

「鋭意」という言葉が持つ意味を「専念」または「専心」という言葉で表すこともできます。どちらにも「専」という字が用いられており「専ら(もっぱら)それに集中する」という意味です。似た言葉で「専一(せんいつ)(せんいち)」は「それだけに気をつける」という意味で、「まずは安全専一に取り組んでおります」などと使うこともできます。

精進・邁進は「より良い方向へ進む」

「専念」「専心」が「そこに留まって集中してことに当たる」というニュアンスを持つことに比べて、「精進」「邁進」には「さらに進んでいく」という心情を表すことができます。進むというのは、より良い方向へという意味です。「今期の目標に向けて邁進して参ります」などとすれば、目指す目標に向けて進み続けるという強い意思を表すことができます。

精一杯・ひたむきは「気持ちを注ぐ」

「専念・専心」が取り組む内容についてのことを指し、精進・邁進が進む様子を指すとしたら「精一杯」「ひたむき」はそのときの気持ちを表す言葉です。「精一杯の気持ち持って専念する」「ひたむきに精進する」とすれば、具体的な行動とそのことに対する自分の気持ちを一緒に伝えられます。

ビジネスでの「鋭意」主な使い方

進捗報告に使う「鋭意準備中です」

ビジネスの場で、上司やクライアントへ状況の報告をすることがあります。その場合に「まだ取りかかることができていない」「まだ完成しそうにない」というのは伝えにくいものです。相手にとっても、あまりネガティブな報告は受けたくないでしょう。

そんなときに「鋭意準備中でございます」などと伝えると「まだ準備中である」ということは伝わりますし「前向きに取り組んでいる」というこちらの気持ちも相手に届けることができます。そうすれば、相手も必要以上の心配をしなくて済みます。

意気込みを伝える「鋭意取り組みます」

上司やクライアントから、責任ある仕事を任されたときに「かしこまりました」とだけ言って引き受けるのと「鋭意取り組ませていただきます」と言葉を添えるのでは、相手の受ける印象が大きく変わります。

やる気はあっても、それを何という言葉で表せば良いのか、というのは難しいものです。「鋭意」を上手く使ってみましょう。

「鋭意進める所存です」で決断を示す

自分が決めていることを相手に伝えたり、このまま事を進めるという決断を示したい場合には「この計画を鋭意進める所存です」などとすることもできます。「これで行こうと思います」という意味ですが、言い方が違うだけで決断の強さを表すこともできるのです。

ビジネスの場では、特にイニシアチブを取って、上司やクライアントを引っ張っていかなければならないこともあります。そんなときに使えば、言葉に品格もあるので失礼にもなりません。

「鋭意努力いたします」は頑張ります

たとえば、会議やビジネスのパーティなどの席で、スピーチをすることがあったとします。そんなときに締めの言葉が浮かばずに困ることはありませんか?ビジネスについてのスピーチをした後に「鋭意努力して参りますので、何卒ご指導のほどお願いいたします」などとすれば、場を締めやすくなります。

スピーチの中で話す仕事についての内容が、難しい内容であるのに、最後だけ「頑張ります」では温度が合いませんが「鋭意」を使えば、違和感もありません。

やっています、は「鋭意作成中です」

上司やクライアントから頼まれた資料や作成物について「今作っているところです」と伝えたいときには「鋭意作成中でございます」などと伝えることができます。「鋭意」を使うだけで「一生懸命作っています」と、自分の気持ちを乗せることもできるので、とても便利です。

ビジネスにおいての提出物は、早い仕上がりが喜ばれやすくはありますが、内容も重要です。丁寧に作っている、という状況を「鋭意」を使って伝えれば、相手も安心して待ちやすくなるでしょう。

「鋭意検討いたします」は期待して

クライアントとの打ち合わせの場などで、先方から要望をもらうことがあります。内心「とても良い内容だ」と思っていても、自分ひとりで決断できないことは多いでしょう。そんなときに「鋭意検討させていただきます」などと伝えることができます。

ビジネスの「検討」に多いのは「前向きに検討いたします」という言葉です。意味としては「積極的に検討します」ということですが、捉え方によってはその場しのぎの常套句にも聞こえやすいものです。そのため、本当に前向きに検討したいと思っている、期待して待っていて欲しい、という気持ちは「鋭意」を使うと伝わりやすくなります。

成長を約束「鋭意邁進して参ります」

上司やクライアントから「期待しています」「頑張ってください」など、励ましの言葉を掛けられたときには「鋭意邁進いたします」などと答えることができます。期待に応えられるような成長をします、という約束の意味で相手に伝えることができるでしょう。

自分で自分がこれから成長することを約束する、というのはおこがましいようで応えにくいものです。そんなときに「鋭意」を使えば、そのおこがましく思っている気持ちまでくみ取ってもらえる可能性もあります。

自信がない時の「鋭意尽力いたします」

仕事の内容や状況によっては、すぐに「承知いたしました」などと明確には応えられないことがあります。しかし、引き受けないわけにはいかない…というときは「鋭意尽力いたします」と伝えてみましょう。意味は「やるだけやってみます、頑張ってみます」です。

「尽力」は、相手の尽力に対して使うときは「大きな力を尽くしてくれた」という意味で用いますが、自分に対して使うときは「私の力では尽くしても足りないかもしれない」というニュアンスを持っています。「鋭意」と組み合わせて使うと、前向きに力を尽くす様子が伝えられます。

「鋭意」を使うときの注意点

「鋭意」は自分や身内に対してのみ使う

「鋭意」は目上の方へ、自分や自分の身内の頑張る様子を伝える言葉です。反対に、相手が「鋭意」の気持ちで行ったことを表す場合には「鋭意」という言葉は使いません。「尽力」など、別の言葉を使いましょう。たとえば「○○様のご尽力により、難局を逃れました」などが適切です。

「鋭意」には「鋭い意識を持ってやらなければできない」という、謙遜に近いイメージがあります。これを相手に当てはめると、相手の実力を軽く見ているようにも受け取られるためです。

「鋭意」を使った例文

  • 先日ご依頼いただいた、新商品のパンフレットは鋭意作成中でございます。
  • 温かいお言葉をいただき御礼申し上げます、○○様のご期待に添うよう鋭意精進して参ります。
  • この度は大変画期的なご提案をいただきありがとうございました、現在社内にて鋭意検討させていただいております。
  • 今回のプロジェクトを成功させるべく、チーム一丸となって鋭意進めて参ります。
  • 今回のお取引を担当させていただくことになりました、至らない点が多々あるかと存じますが、鋭意努力いたしますので、ご指導のほどお願い申し上げます。

まとめ

誰だって、できればいつもポジティブな言葉を使っていたいと思っているのではないでしょうか。ビジネスの場となればなおさらです。「鋭意」という言葉には、前向きに頑張る様子だけでなく、物事をしっかりと受け止めている責任感のようなものも感じ取ってもらえます。「鋭意」を使って、自分の気持ちをダイレクトに伝えられると良いですね。