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フィナンシェとマドレーヌの違いとは?名前の由来やカロリーも比較

手土産やお茶菓子として人気の「フィナンシェ」と「マドレーヌ」。どちらも似たような洋菓子ですが、この二つには決定的な違いがいくつかあります。

ここでは甘くて柔らかい「フィナンシェ」と「マドレーヌ」の特徴を挙げながら、それぞれの魅力を解説させていただきます。名前の由来にもぜひ注目してみて下さい。

「フィナンシェ」と「マドレーヌ」の違いとは?

「フィナンシェ」と「マドレーヌ」の違い①名前の由来

「フィナンシェ」と「マドレーヌ」の違いは“名前の由来”にあります。

「フィナンシェ(financier)」はフランス語で「金持ち」「金融家」

「フィナンシェ」にはフランス語の「financier」のことで、フランスを起源とする焼き菓子の一つです。そもそもフランス語で「financier」は「金持ち」や「金融家」という意味を持ち、色や形ともに「金」をストレートにイメージする「金塊」に似た「小さな台形の金型」で焼き上げるのが特徴となっています。

「マドレーヌ(madeleine)」は召使いの女性の名前が由来

一方「マドレーヌ」はフランス語の「madeleine」のことで、フランスを発祥とする焼き菓子、バターケーキの一つです。1755年にロレーヌ公スタニスラスの館に従事する召使「マドレーヌ・ポルミエ」という女性が、ありあわせの材料と厨房で見つけたホタテ貝の焼き型を使って作ったのが、最も知られる名前の由来となっています。

その他、1661年に料理人「マドレーヌ」が揚げ菓子を作る時のベースを使い、別の焼き菓子を作ったのが由来であるという説もあります。はっきりした名前の由来をわかっていませんが、いずれにしても「マドレーヌ」という女性が作ったということは明確であるようです。

「フィナンシェ」と「マドレーヌ」の違い②材料・味・食感

「フィナンシェ」と「マドレーヌ」の違いは“材料・味・食感”にもあります。わかりやすく、下記にまとめてみましょう。

「フィナンシェ」はアーモンドプードルを使いサクサク食感に

  • 材料:薄力粉・砂糖・アーモンドプードル・焦がしバター・卵白
  • 味・風味:アーモンドの香ばしさと焦がしバターの風味
  • 食感:表面はサクサクし中はしっとり。

「マドレーヌ」はベーキングパウダーでしっとり焼き上げる

  • 材料:薄力粉・砂糖・ベーキングパウダー・全卵・溶かしバター(ブランデーを入れる場合も)
  • 味:濃厚なバターの香りと卵の甘さがある
  • 食感:表面、中身ともにしっとりとして柔らかい

フィナンシェとマドレーヌの「どっちが好きか?」と聞かれたら、アーモンドが好きな人は香ばしい香りが特徴のフィナンシェだと答えるでしょう。反対に、甘くて濃厚なバターの風味が好みであればマドレーヌ派の方が多いかもしれません。

「フィナンシェ」と「マドレーヌ」の歴史上の違いとは?

「フィナンシェ」はパリの金融街から広まった

「フィナンシェ」はフランス・パリの金融街から少しずつ名前が広がったと言われています。「金塊」に似た形であるため、銀行や証券取引所など「金」に関係する焼き菓子として知られるようになりました。金塊の形をした「フィナンシェ」が、運や縁起などをかつぐお菓子として人気を博したことは容易に想像できるでしょう。

ちなみに「フィナンシェ」の形は金塊ですが、純粋な長方形ではなく、上部分から底のほうに向かって少しずつ面積が狭くなっているのが特徴的です。

「マドレーヌ」は日本で菊型が広まった

世界で見る「マドレーヌ」はやや縦長の整った貝殻の形が有名ですが、加えて日本では、平たく菊型(円形)のマドレーヌもよく見かけるようになりました。もともと、フランスから「マドレーヌ」が日本に伝わった時に、焼き型を貝殻の形と菊型と混同してしまったことから、現在も名残が継続しているとされています。

平たい貝殻や菊の形で焼き上げるマドレーヌは、中央部をふっくらと焼き上げるのが特徴です。

「フィナンシェ」と「マドレーヌ」のカロリーの違いとは?

カロリーは「マドレーヌ」のほうが高い場合が多い

さまざまな洋菓子店で見るカロリーを比較してみると、全体的にやや「マドレーヌ」の方がカロリーが高いと言えます。「マドレーヌ」はバターを多く使用するため、全体的なカロリー総数も高くなるとも分析できます。

店によっては「フィナンシェ」のほうがカロリーが少し高い場合もあるため、あくまでも作り方や店のこだわりなどが反映されているケースがほとんどのようです。

食べ方はどちらも「紅茶」と一緒がおすすめ

焦がしバターの濃厚な風味とアーモンドの香ばしさが魅力的な「フィナンシェ」と、バターの風味としっとりとした食感が人気の「マドレーヌ」は、どちらも紅茶と相性が合うのが特徴です。

「フィナンシェ」も「マドレーヌ」も独特の風味や味わいを持つため、紅茶のようなさっぱりとした飲み物といただきましょう。

まとめ

「フィナンシェ」と「マドレーヌ」は、バターケーキや焼き菓子という同種のカテゴリーに位置していますが、手土産やお茶菓子でどちらかを選ぶとき、どちらにするべきか迷ってしまうこともあるでしょう。「フィナンシェ」は焦がしバターと卵白のみを使い、一方「マドレーヌ」は溶かしバターと全卵を使うのが特徴です。

オシャレでおもてなしの機会にもピッタリの「フィナンシェ」と「マドレーヌ」。材料の違いで風味や食感が微妙に異なってきますが、ぜひ好みや趣向にあわせて選んでみてはいかがでしょうか?