「楽しみにしています」は敬語?使い方の例文と英語表現を解説

別れ際の挨拶やメールの締めの言葉で「〇〇を楽しみにしています」というフレーズ、よく使っていませんか?ビジネスシーンでもカジュアルな場面でも、同じように「楽しみにしています」としている人が多いと思いますが、敬語表現として問題はないのでしょうか?ビジネスでの正しい使い方を解説します。

「楽しみにしています」の意味と使い方

日常よく使用する「楽しみにしています」というフレーズですが、その意味をきちんと確認する機会はあまりないでしょう。正しい意味と使い方をみてみましょう。

「楽しみにしています」の意味は「そのことが早く実現することを心待ちに思っている」

「楽しみにしている」は「そのことが早く実現することを心待ちに思っている」という意味です。そのことが実現するまで心待ちの思いが継続しているという意味合いが含まれるため、「楽しみです」とするよりも「ずっとそのときまで思っていますよ」という気持ちを伝えることができます。

また、面会した際に別れ際の挨拶として「また次にお会いできるのを楽しみにしています」と言う場合には、あなたのことをその時まで忘れず思っています、という気持ちを伝えるとともに、次に会うのが楽しみなくらい今日は楽しかったという気持ちも伝えることができます。さらに、これで終わりではなくこれからも関係を続けてゆきましょう、という関係を継続させたいという気持ちも表すことができます。

「楽しみにしています」という言葉は、相手に好意を持っていることを伝えるのに便利な表現であるため、日常のコミュニケーションを円滑にする上で大切な表現だといえます。またビジネスシーンでのコミュニケーションにおいても上手に使いこなしたい言葉です。

「楽しみにしています」の使い方は状況を具体的に述べてから

「楽しみにしています」は「そのことが早く実現することを心待ちに思っている」という意味なので、前提として心待ちに思うことがある状態になります。例えば、次に会うことを楽しみにしている、結婚式などのイベントを楽しみにしている、相手の状況が発展すること(会社の上場や事業が成功することなど)を楽しみにしている、などの状況です。そのような心待ちの目的となる行為を具体的に述べてから「…を楽しみにしています」と続けます。

「楽しみにしています」の敬語での使い方

友人や同僚との会話であれば躊躇なく「楽しみにしています」と使えますが、取引先や目上の人に対しても同じ使い方で問題ないのでしょうか。

「楽しみにしております」が丁寧な表現

「楽しみにしています」は「です・ます」の丁寧語表現となっているため、敬語としては問題ありませんが、「しています」を「しております」とした方がより丁寧な表現となります。取引先や目上の人に対しては「…を楽しみにしております」とするのがよいでしょう。

さらに、楽しみにしていることについての言い方も丁寧な表現にします。次に会うことを楽しみにしているのであれば、「お会いできるのを」でも問題ありませんが、「お目にかかれるのを」とするとより丁寧な敬語表現になります。

次に会うことを楽しみにしている、という表現の丁寧な敬語表現は「お目にかかれるのを楽しみにしております」となります。

「楽しみにしています」の例文

前述したように、「楽しみにしている」という言い回しはビジネスでも積極的に使いたいポジティブな言葉です。シーンごとの使い方を例文で説明します。

面会する約束を取りつける時

メールなどのやりとりで、実際に面会する約束を取りつける際の締めの言葉として用いることができます。相手に対して好感を持っていることを伝えるとともに、そのビジネス案件についても前向きに期待しているという気持ちを伝えることができます。

  • 明日、お目にかかれるのを楽しみにしております。
  • 展示会でお会いできることを楽しみにしております。

プロジェクトが終了した時など、終わりの挨拶の時

プロジェクトが終了した時の挨拶では、取引先との関係がそれで終了するのではなく、今後も取引を続けていきたいという気持ちを表現します。

  • またご一緒できることを楽しみにしております。

イベントなどの催し物の案内状に添える

相手に対して、来ていただくことを楽しみにしているので是非足を運んでください、という来場を促す言葉として用いることもできます。但し、この場合は親睦会など、肩の凝らないカジュアルなイベントの時のみ使用するのがよいでしょう。

  • 皆様のご来場を弊社社員一同楽しみにしております。

「楽しみにしています」の類語表現

「楽しみにしています」の類語表現について意味と使い方を説明します。

類語①「心待ちにしています」

「心待ちにしています」は「楽しみにしている」とほぼ同じ意味になりますが、より改まった場で用いられるのが「心待ち」です。期待しながら待っているという意味を伝える奥ゆかしい言葉のため、相手に上品な印象を与えることができます。

類語②「待望しています」

「待望」は「それが実現や出現するのを待ち焦がれる」という意味です。楽しみにしているというよりも、期待して待つという意味になります。例えばなんらかの状況で会えない人に対して「再会を待望しています」などのように、用いられる状況が断定的になるといえるでしょう。

「楽しみにしています」の英語表現

「I’m looking forward to …」「I look forward to …」の2通りがある

英語で習ったフレーズとして、「I’m looking forward to …」を暗記している人が多いかと思います。もうひとつの言い方として「I look forward to …」も同じ意味になります。どちらもジネスでも使える表現です。

「お目にかかれるのを楽しみにしています」は「I hope to meet you again」

ビジネスの場面で、「またお目にかかれるのを楽しみにしています」と別れ際に言う場合、実際の意味は「またお会いしましょう」の方に近い場合があります。その場合は、「I’m looking forward to meet you」ではなく、「I hope to meet you again」と言った方がストレートに意味が伝わります。

まとめ

「楽しみにしています」はビジネスシーンでも積極的に使いこなしたい便利な表現です。ビジネスだから機械的な対応でよいということはなく、どのような時でも相手の気持ちに寄り添って気を遣うことは、社会人の常識ともいえます。是非「楽しみにしています」を上手に使いこなして、取引先や顧客との関係を良好に保ちましょう。