益々(ますます)の意味とは?正しい使い方と例文!類語との違いも

普段の会話や文章中に出てくる「益々」という言葉、ふとしたときに「増々」「ますます」と書き方に迷ってしまいませんか?今回はビジネスシーンで頻繁に使う「益々」という言葉について解説します。「益々」「ますます」の違いや正しい使い方について一緒に確認しておきましょう。

「益々」の意味とは?

「益々」の意味は「さらに」「もっと」

「益々」の読み方は「ますます」で、意味は現状の物事や人の様子が、これから「さらに」「もっと」良い方向へ変化することを表す言葉です。「益」という字は「利益」「収益」などにも使われており、「儲け」「利得」という意味を持っています。

実際に「益々」という言葉は、事業の拡大や利益の増大など、金銭的メリットに繋がる話題で使われることが多いです。「御社の利益は益々増えているようですね」「事業拡大で益々繁盛ですね」などが主な使い方でしょう。今よりももっと良い方向へ向かうということを指しています。

この他にも、健康や個人・家庭の繁栄などについても「益々」は使われます。いずれにしても、おめでたいことに使われる言葉です。

「益々」の正しい使い方

「益々」はポジティブな内容に使う

「益々」を言葉にすると、物事が「増す」という意味にも取ることができなくはないので、つい良くない変化についても「益々困ったことになりました」などと使いたくなるものです。しかし、これは誤りです。

「益々」という言葉が、利益に繋がることや、お祝いごとに使われるということはお伝えしました。つまり、ポジティブなことに使われるのが「益々」という言葉です。したがって、良くない変化に対しては「益々」は使いません。別の言葉で表すことになります。

敬語での使用は「益々」の後を選ぶ

ポジティブな内容について使われる「益々」は、目上の方にも使うことができます。「益々のご繁栄」「ますますのご活躍」などです。ここでのポイントは「益々」という言葉ではなく、その後に続く言葉です。「益々」の後には相手を称える言葉を付けます。

称える言葉は、相手にとって喜ばしいことが基本です。こちらにとっては良いと思えることでも、相手にとってはそうでないこともあります。たとえば、ご年配の方へ「ますますお元気で」と使うことがありますが、本人としてはまだ元気であることが当然の年齢である場合などです。この感覚には個人差がありますので、安易に選ばず相手のことをある程度理解した上で判断した方が良いでしょう。

「益々」と「ますます」の違い

状況によって使い分ける

「益々」を平仮名で「ますます」と書いても意味は同じですし、特に相手へ失礼になることもありません。むしろ、金銭イメージが強い漢字よりも、平仮名の方がやわらかくて好感が持てるという方も多くいます。そのため「益々」の漢字と平仮名の使い分けは明確ではありません。

たとえば、ビジネスレターやメールなどで、クライアントの発展に繋がるお祝いごとについて使うのであれば「益々」の方が良いでしょう。企業の発展は利益に直結するためです。他にも相手のお子さんの入学や卒業のお祝い、長寿のお祝いなど、おめでたいことであれば「益々」でも良いですし、「ますます」と平仮名にしても問題ありません。

「益々楽しみ」は「ますます」を使う

何かを楽しみに待っている状況で、さらにその事柄についての良い知らせが入った場合などに「さらに楽しみになってきた」という気持ちを表すことがあります。そんなときにも「ますます」は使えます。「ますます楽しみになってきました」などとすれば、楽しみに胸が躍る気持ちを伝えることができるでしょう。

しかし、この場合は漢字ではなく平仮名の「ますます」の方が合っています。「益々」でも間違いではありませんが「楽しみ」という心情は、おめでたいというニュアンスとは違いますし、利益との直接的な関係も薄いためです。もし、利益に関係する楽しみであるのなら「益々見通しが明るくなってきました」などが適切でしょう。

「益々頑張る」は「ますます頑張る」

相手の更なる努力を表す場合にも「ますます」を使うことができます。「頑張る」という言葉を目上の方に向けることはほとんどないので、相手は自分と同等または目下の方ということになります。「ますます頑張ってください」と相手に伝えることで、今も頑張っていることは知っているけれど、さらに頑張ってくれると信じています、という心情を伝えられます。

この場合も「ますます」と平仮名で書くことになります。努力が実って、その結果として利益に繋がることはありますが、それは結果であり、言葉をかける時点ではそこまで見込んでいないことがほとんどだからです。

「益々」「ますます」を使った例文

  • 「(結婚式で)両家の皆様の、益々のご繁栄を祈念いたしております」
  • 「ご子息はますますご立派になられましたね」
  • 「子供が歩けるようになり、ますます手を焼いています」
  • 「今回のプロジェクトが成功すれば、御社が益々繁盛されるのは間違いありません」
  • 「この数年、夏はますます暑くなっているように感じます」

「益々」の類語表現

「益々」と「増々」の違い

「益々」という言葉を「増々」と書くのではないか?という意見がありますが、実際には「増々」という言葉はありません。「ますます」は「益々」のみです。「益々」が持つ「もっと」「さらに」という意味が、ニュアンス的に「増」という字に結びついているのだと思われます。

しかし「増々」と書いていても、意味は理解してもらえることが多いでしょう。そういう意味では、一種のスラングのようなものだと考えて良さそうです。

「一層」は前よりも程度が増すこと

「益々」と似た意味の言葉で、使いやすいのは「一層」です。「一層」という言葉には、前のものに比べて、ひとつ層を重ねたように充実、または劣化したという意味があります。変化の善し悪しは問いません。

「益々」はポジティブな意味にしか基本的には使いませんので、ネガティブなことを表したい場合に使いやすいでしょう。「一層の注意が必要です」「一層厳しくなります」などと使います。

もちろん、ポジティブな意味にも使うことができます。「一層のご活躍を」「一層のご繁栄を」としても、さらに上昇していく様子を伝えることができるでしょう。

「一際」は他と比べて際立つこと

「益々」という言葉は比較対象が過去や現在でしたが、「一際」は他のものと比較をした上で、より優れている、より目立っているということを表します。たとえば「○○様からいただいたお花は大変豪華で一際目立っております」などです。他のたくさんの花の中で、もっとも目を引くという意味で使われます。

「一際」はポジティブな意味で使われることが多い言葉ですが、それを逆手に取って敢えて悪い意味で使うこともあります。「君の営業成績はチームの中でも一際だね」などと言うと、営業成績がずば抜けて良い、もしくはとても悪いということです。このように「一際」は嫌味に使われることもあるので、使い方を間違えないようにしましょう。

まとめ

人付き合いでは相手の活躍や繁栄を「もっと」「さらに」と願うこと自体が、相手への礼儀でもあります。「益々」という言葉は、とても縁起の良い言葉です。使える場面に遭遇したら、口頭でも文章でも意識的に選んでみましょう。正しく使って、相手の幸せを自分のことのように喜べるような関係を築いていけたらすてきですね。