「目途」の意味とは?使い方の例文と「目処」との違いを解説

「目途」とは「目標」「目的」を意味する言葉で、「○○を目途に」「目途が立つ」などの使い方をします。「目処とは何が違うの?」「類語を知りたい」という方に向けて、「目途」の読み方や使い方の例文、類語を解説します。

「目途」の意味や読み方とは?

「目途」の意味は”目標・目的”

「目途」の意味は、“目標・目的”です。「目途」はお役所言葉の1つであり、公的な文書などかしこまったシーンで使用されます。公的な文書で「目途」を使用する場合、読み方は「めど」ではなく「もくと」と読まれることが多くあります。

例えば、「月末の完成を目途に、業務を進めてくれ」という例文。上記の例文だと、「月末完成を目標に業務を進めてくれ」という意味になります。

「目途」の読み方は”もくと”

「目途」の読み方は“もくと”です。「めど」と読まれることもありますが、正式には「もくと」と読みます。「目途」は「目処(めど)」をもとに作られた言葉で、本来は「もくと」という読み方だけだったのが、後から「めど」とも読まれるようになりました。

「目途」と「目処」の違いとは?

「目処」の意味は「見当」

「目途」とよく似た言葉が「目処」です。「めど」と読み、「見当」「目標」を意味します。とくに「目処」は「見当」を意味する場合が多く、物事の見通しがつく状況で使用されます。例えば、「回復の目処が立つ」という例文。

上記の例文だと、「回復の見通しが立つ」を意味する文章となります。意味の似た「目途」と「目処」ですが、「目途」は「目標」を意味する場合が多く、「目処」は「見通し」を意味する場合が多いと覚えておきましょう。

「目途」と「目処」の違いは意味や使うシーン

「目途」とよく似た言葉の「目処」ですが、2つには違いがあります。「目途」と「目処」の違いを、表でまとめてみたので見てみましょう。

目途目処
読み方もくと(めど)めど
意味目標見当(見通し)
使うシーン公用文書ビジネス会話

「目途」は主に「目標」を意味する言葉として使用され、「目処」は「見通し」を意味する言葉として使用されます。使用されるシーンですが、「目途」は「公的な文書」で使用されるのに対し、「目処」の「処」は常用漢字ではないため公文書では使用されません。

「目途」と「目処」は読み方だけでなく、意味や主に使用されるシーンも異なります。かしこまったシーンで使用される「目途」に対して、「目処」はビジネスシーンから日常会話まで、幅広く使用されるという違いがあるのです。

「目途」の使い方と例文とは?

「○○を目途に」のように使用

「目途」の使い方の1つが「○○を目途に」です。めざすべき期限が定まった状況で使用され、「○○を目途に納品」や「○○を目途に発表」などの使い方ができます。例えば、「10月末を目途にシステム導入を開始する」という例文。

上記の例文の場合、「10月末を目標にシステム導入を開始する」という文章になります。注意が必要なのは、「目途」は公文書などで使用されるかしこまった表現であるということです。日常生活で使用するとかたくるしいと感じられる場合があるため、注意しましょう。

「目途がつく」は使用を控えた方が良い

「目途」の使い方として「目途がつく」があげられますが、使用するには注意が必要です。「目途」とは多くの場合が「目標」を表していると説明しましたが、「目途」を「目標」と言い換えると、「目標がつく」と不自然な日本語になります。

また、本来「○○がつく」は「目処がつく」という慣用句で使用されている表現であるため、「目途がつく」は「不適切だ」と捉える人もいます。「目途」にも「見込み」という意味が含まれているため、「間違っている」とは言い切れませんが、「不適切だ」と感じる人もいるということを覚えておきましょう。

「目途が立つ」「目途を立てる」は目標を立てる状況で使用

「目処が立つ」「目途を立てる」も「目途」の使い方の1つです。「目途が立つ」とは「目標が立つ」を意味し、「目途を立てる」は「目標を立てる」を意味しています。ただ、「目途が立つ」は「目処がつく」から生まれた表現であるため、「目途がつく」と同じく「目途が立つ」も不適切だという意見があります。

ビジネスシーンや日常会話では「目処」が多く使用されるため、「目途」の使用頻度はあまり多くはありません。しかし、使用する機会があるときは「不適切と捉えられる表現であること」を忘れないようにしましょう。

「目途」を使った例文

「目途」を使った例文をご紹介しましょう。

  • イベント開催5日前を目途に、会員の皆様へお知らせメールをお送りいたします
  • 近日中に復旧するとのことだが、それがいつなのか目途が立たないらしい

「目途」の類語表現とは?

「目途」の類語”目標”や”目的”など

「目途」の類語に当てはまるのが“目標”“目的”です。「目標」「目的」は「目途」の意味にも含まれている単語であるため、「目途」という言葉が伝わりづらいと感じた状況で「目標」「目的」へと言い換えてみましょう。

例えば、「5月納品を目途とする」という例文の場合、「5月納品を目標とする」へ言い換えることができます。

「目途」の英語表現とは?

「目途」は英語で”Objective”

「目途」の英語表現は“Objective”が適しています。「Objective」とは”目標”を意味する単語で、ビジネスや行政で目標を定めるシーンで使用されます。「目標」を意味する単語は、他にも「Goal」や「purpose」がありますが、「Objective」はかしこまったシーンで使われるため、「目途」を意味する単語として適しているのです。

まとめ

「目途」とは「目的」「目標」を意味する単語で、多くの場合が「目標」を表すシーンで使用されます。「目処」とは意味が似ているものの、主な意味や使用シーンが異なります。「目途」が伝わりにくいと感じる状況では「目標」や「目的」など、類語へと言い換えてみましょう。

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hana
大阪在住の新人ライターです。学生時代にビジネスマナーや医療事務・秘書などの検定を取得し、前職は医療秘書として医院勤めでした。料理とスポーツが得意なので、いつか記事にできたらなと思っています。よろしくお願いします。