「準委任契約」とは?再委託や成果物など、請負契約との違いを解説

会社と契約して仕事をする場合「準委任契約」や「請負契約」を結ぶことになります。しかし、「準委任契約」と「請負契約」のどちらを選ぶべきなのか、違いは何なのか、わかりにくい部分が多いのではないでしょうか。今回は、準委任契約とはどのようなものかを、請負契約と比較しながら解説します。



そもそも「準委任契約」と「請負契約」とは?

「準委任契約」とは事務処理を行う契約

「準委任契約」とは、事務処理を行う契約のことを指します。事務処理と言っても範囲は広く、何らかの仕事や作業などをすることで、報酬をもらう契約です。

例えば、「営業電話を50件かける」という準委任契約をした場合、電話をかければ、報酬がもらえることになります。

「請負契約」とは仕事を完成させる契約

準委任契約と比較される契約に「請負契約」があります。請負契約は、頼まれた仕事を完成させる契約です。

例えば、「営業電話をかけて、アポを5件とる」という請負契約をした場合は、アポが取れなければ報酬がもらえませんが、アポが5件とれれば、かけた電話が5件でも1000件でも、報酬は同じです。

「準委任契約」と「請負契約」の違いとは?

準委任契約には「瑕疵担保責任」がなく「善管注意義務」がある

「瑕疵担保責任」とは

「瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)」とは、出来上がったものに、欠陥や不具合などがあった場合に、その責任を負わなければならないという意味です。

準委任契約には瑕疵担保責任がありませんので、事務処理を行ってできあがったものに欠陥や不具合があっても、基本的に責任は負いません。

※ただし、実際の契約では準委任契約であっても、欠陥や不具合があった場合に責任を負わせるような契約内容にすることが可能なので、契約書を確認してみることが重要です。

「善管注意義務」とは

準委任契約であっても「欠陥や不具合のある仕事をしてもよい」という意味ではなく、欠陥や不具合がないように気を付ける義務はあるとされています。この欠陥や不具合がないように気を付ける義務が「善管注意義務」です。

請負契約には瑕疵担保責任がある

反対に、請負契約には瑕疵担保責任があるので、出来上がったものに欠陥や不具合があれば、欠陥や不具合がなくなるように直したり、損害賠償をするなどの責任が伴います。

【契約解除の違い】準委任契約は契約の解除が可能

準委任契約は、いつでも、どちらからでも契約の解除をすることが可能です。仕事を依頼している側でも、仕事を請け負っている側でも、契約の解除ができますので、仕事をしている最中に唐突に契約が解除になる可能性もあります。報酬がもらえなくなるリスクがありますので注意しましょう。

これに対して請負契約では、仕事を依頼している側が契約を解除するときには損害賠償をするのが基本です。

実際の契約では、準委任契約であっても、契約を解除するときには、一定の金額を支払うことや、損害賠償をしなければならないなどの規定を盛り込むことが可能です。

【再委託の違い】準委任契約は第三者へ再委託できない

準委任契約は、依頼された仕事を第三者へ再委託ができません。お互いの信頼関係に基づいた契約になっているためです。

例えば、Aさんが書類の作成をするように依頼されていた場合、依頼した側はAさんを信頼して頼んだのであって、別の人が作業をするのであれば頼まなかったというのが根本的な考え方です。

別の人に再委託したいときには、契約書に再委託が可能であることを盛り込む必要があります。

請負契約では、再委託が可能

請負契約とは仕事を完成させて、出来上がったものを手に入れるのが目的の契約です。きちんと手に入れば問題ないというのが根本的な考え方です。

例えば、家を作成してもらう請負契約を結んだときに、誰が作ったかよりも、欠陥や不具合のない家が完成していることが重要になります。

作る人を限定させたい場合には、再委託をしてはいけない旨を契約書に盛り込む必要があります。

準委任契約のメリットとは?

準委任契約には成果物が不要

基本的に、準委任契約は事務処理を行う契約ですので、成果物は必要ありません。成果物とは、作成して出来上がったもののことをいいます。

例えば、準委任契約をして「広告を作成する」という事務処理を行った場合、机に向かって広告を作成する作業を行うことが必要ですが、出来上がった広告は必要ありません。

出来上がった広告が必要なときは、成果物の提出が必要になる請負契約を結んだ方がよいでしょう。

準委任契約は契約書に印紙が不要なものが多い

準委任契約の契約書は、基本的に印紙の貼り付けが不要です。ただし、準委任契約であっても「第1号文書」と「第7号文書」に該当するものは印紙が必要になります。

「第1号文書」とは「無体財産権の譲渡に関する契約書」です。例えば、著作権や特許権などを譲渡する場合です。

「第7号文書」とは「継続的取引の基本となる契約書」です。販売店契約書や代理店契約書などです。

まとめ

準委任契約とは、事務処理を行う契約のことを言います。頼まれた仕事を完成させる請負契約との違いも含めて、理解しておくとよいでしょう。準委任契約のポイントは、瑕疵担保責任がないこと、契約の解除が可能なこと、第三者へ再委託できないことです。しかし、実際の契約では、契約内容を変更することが可能なため、瑕疵担保責任を負う場合や契約の解除ができない場合などもあります。契約書をしっかりと確認して不利な契約にならないようにすることが大切です。