「家賃補助」とは?会社・自治体・無職で異なる家賃補助制度の内容

会社の福利厚生のひとつに「家賃補助」がありますが、家賃補助には自治体による家賃補助や、家賃補助が受けられる特定優良賃貸住宅などもあります。

今回は家賃補助の仕組みについて、会社による家賃補助と自治体による家賃補助をそれぞれ解説します。また無職の方を対象にした家賃補助制度についても紹介します。



「家賃補助」とは?

「家賃補助」とは住宅手当とも言われる住宅費の補助

「家賃補助」とは住宅費の補助のことで、住宅手当とも呼ばれています。

家賃補助には2種類あり、ひとつは会社の福利厚生のひとつで従業員の家賃の一部を補助するために支給される手当です。

もう一つは、市区町村などの自治体が実施する家賃補助です。各自治体により対象者やその条件、内容等は違い、募集も不定期に行われます。募集者が多い傾向があります。

会社から支給される家賃補助は課税?非課税?

会社から支給される家賃補助は課税対象

会社からの家賃補助は給与収入の一部なので、他の手当と同様に課税対象です。所得税が家賃補助に課せられ、所得税分が差し引かれた家賃補助が給与と合わせて支給されます。

税金対策には社宅や特定優良賃貸住宅を利用する

税金対策には、社宅や借り上げ社宅に住むことが考えられます。社宅や借り上げ住宅なら、税金対策ができるだけでなく、所得税を差し引かれた家賃補助を受けて賃貸物件の家賃を支払うよりも安いことがあります。

また「とくゆうちん」と略されることもある特定優良賃貸住宅なら、家賃に国や市区町村の補助金制度が適用されます。中堅所得者向けで設備などが充実した優良物件で、所得が国内全世帯の下位25%~50%の範囲内が応募の対象者で、家賃補助の受給期間は10年または20年です。不動産会社を通して募集を行っています。

自治体の家賃補助制度とは

家賃補助制度の条件や内容はいろいろある

家賃補助には市区町村による補助制度もあります。その条件や内容はさまざまで、対象者は学生や一人暮らしの勤労単身者、高齢者、子育て世帯などが多く、条件として月額家賃の上限やこれまでに家賃を滞納していないことなどが挙げられます。

また数年の期限付きで家賃補助金が支給されることが多く、その支給額は1万円~3万円ほどです。募集は年に数回あっても不定期で、応募者が多い傾向があります。

家賃補助だけでなく、引っ越し代金に対する補助金制度を設けている自治体もありますので、新しい市区町村に引っ越しをする場合には役所に問い合わせてみましょう。

無職の家賃補助制度とは

「住居確保給金」は無職を対象にした家賃補助制度

生活確保給金とは、無職の方を対象にした家賃補助制度です。平成27年から厚生労働省によって始まった生活困窮者自立支援制度のひとつで、離職したため住居を追われた方、または住居を失いそうになっている方で、就職する意思のある人に対して支給される家賃の補助金です。

その他の条件として世帯収入の上限のほか、世帯人数や年齢、住んでいる地域などもあり、補助金額は単身者なら上限で53,700円、二人世帯なら64,000円です。支給期間は3か月ですが、状況によっては最高で9カ月までの延長が認められます。

生活確保給金は再就職を支援するための支援ですから、ハローワークで月2回以上の職業相談や自治体での月4回以上の面接を受けるなどの条件も課せられ、就職活動を積極的に行わないことが認められるとすぐに支給は中止されます。

会社による「家賃補助」の特徴とは

企業の家賃補助は戦後の混乱期から始まる

家賃補助は第二次世界大戦後の住宅難から、社宅に入る社員とそうでない社員との差を調整することが目的で始まりました。それに続く高度経済成長期ではさらに住宅費の負担が大きくなり、多くの企業で家賃補助または住宅手当が採用されるようになりました。

戦後は企業の家賃補助の採用率は9%程度だったのが、80年代には44%にまで急増しています。しかしバブル崩壊後、企業の家賃補助は縮小傾向にあります。

家賃補助と住宅手当を使い分ける企業もある

「家賃補助」と「住宅手当」のどちらも家賃の補助という意味で法的に違いはありません。「住宅に関わる福利厚生」について「家賃補助」と「住宅手当」という2つの呼称があるのです。

しかし、家賃補助と住宅手当を使い分けて使っている会社もあります。家賃補助を社員の住居にかかる費用補助として使い、住宅手当は社員でも家族と共に暮らす家庭の住居の費用補助として使い分けます。この使い分け方は社会通念として正しいかどうかというよりも、会社の都合によって使い分けられています。

家賃補助が住宅ローンの返済を補助する場合もある

会社によっては家賃補助は賃貸物件の家賃を補助するだけでなく、住宅ローンの返済の一部を補助する目的で支給されることもあります。住宅ローンの返済に家賃補助を遣えるかどうかは企業の判断が分かれるところです。

家賃補助を受ける対象やその目的は就業規則に定められていますので、家賃補助をどのような目的に使用できるかは各社の就業規則で確認できます。

家賃補助の相場は東京・大阪が高め

平成27年度の厚生労働省の発表によると、企業の家賃補助の平均相場は約17,000円です。情報通信業やサービス業は補助金額が2万円を超えるのに対して、電気、ガス、水道などのインフラ業界は1万円ほどになっています。

家賃補助には地域差もあり、平均的な家賃が高めである東京や大阪の都市部では家賃補助も高めになる傾向があります。また家賃補助は役職とも関係して、役職が上がると家賃補助が高くなる傾向があります。

家賃補助の支給がない会社もある

家賃補助が福利厚生のひとつとしてある会社の一方で、家賃補助がない会社もあります。

また家賃補助がある会社でも、実家暮らしや同居人名義の住居で暮らしている場合には、住居の名義が社員本人ではないことを理由にして支給されないこともあります。

まとめ

「家賃補助」とは家賃の一部を補助するための制度で、会社の福利厚生の一環として、または国や自治体が生活を援助するために支給されます。家賃補助を受けるための条件や内容は、各会社および各自治体によって異なり一定の基準などもありません。