「バルク品」とは?「リテール品」との違いとメリット・デメリット

パソコンショップに並んでいる「バルク品」はパソコン部品として格安ですが、果たしてその品質には問題ないのでしょうか。

今回は「バルク品」の意味と併せてその品質や売られ方、さらには「リテール品」や「中古品」との違いを解説します。また業界別に「バルク」という言葉の使い方も紹介します。

「バルク品」とは?

「バルク品」とは”まとめ買いされた商品の小売品”

「バルク品」とは、主にコンピューター関連の商品で、コンピューターメーカーからまとめ買いされた商品を小売りにして売られる商品のことです。メーカーの正規保証や取扱説明書がない場合が多く、パッケージも簡易ではあるものの、大量に仕入れられているため低価格で売買されています。

「バルク」とは英語の「bulk」が語源で「大きさ」や「容量」という意味にはじまり、「一括する」という意味があります。

バルク品は在庫処分品

バルク品がなぜパソコン業者に出回るのかというと、パソコンメーカーは正規品として生産したものの思ったように売れずに在庫として残った商品や使われなくなった商品を処分するために、格安でパソコン業者に卸します。その商品がバルク品として販売されます。

正規の商品として出回ったにもかかわらず、パッケージの破損や一部紛失したパーツなどはバルク品とは呼びません。そのためバルク品は粗悪品ではありません。しかし、バルク品の中には日本の市場を満たさない品質の商品が紛れていることもあるので購入時にはメーカー名が記載されているなどの確認が必要です。

バルク品はパソコン専門店で売られている

バルク品はパソコン用のパーツなどを扱うパソコン専門店で売られています。家電量販店でもパソコン部品は扱っていますが、バルク品が取り扱われることはありません。

商品棚に丁寧に陳列されるというよりは段ボール箱などに入れられたままで、パッケージは簡素なまま、取扱説明書があっても簡単なものが付いている程度です。

バルク品として売られることが多い商品は、CPU、ハードディスク、メモリー、各種インターフェースカードなどです。

「リテール品」や「中古品」との違いとは?

「リテール品」は通常のパッケージで売られる小売商品

「リテール品」とはメーカーが商品を売るための通常パッケージで包装されて、付属品や取扱説明書なども付いて売られている小売商品のことです。店頭では消費者が購入しやすいように陳列棚などに並べられています。

正規保証も付いているので安心して購入できるのですが、バルク品と比べると価格は高くなります。

「中古品」は”既に使われた商品”のこと

「中古品」は「既に使われたもの」のことです。それが商品として売られた時に「中古品」として販売されます。

「バルク品」との違いは、「バルク品」は「中古品」のように使われた商品ではありません。また「中古品」の価格はリテール品よりも安いとは限らず、すでに製造していない中古品などはリテール品よりも高値で取引されることがあります。

「バルク品」のメリットとデメリットとは?

メリットは「価格の安さ」

「バルク品」のメリットは低価格で商品を購入できることです。自作でパソコン製作するときなどに必要な部品を安く購入できるとあって人気があります。

デメリットは「保証が短い」「取扱説明書がない」「簡易包装」

バルク品のデメリットは、メーカー保証期間が短いか、商品によっては保証がついていない場合もあります。しかしバルク品にメーカー保証がなくても販売店による保証が付いていれば初期不良などに対応してもらえるでしょう。

バルク品には取扱説明書などの付属品がついていません。そのため商品の詳細が分かりにくいこともデメリットのひとつです。またメーカーのサポートサービスもバルク品にはついていないので、商品の購入段階ですでに商品について詳しいことが分かっているのであれば問題ありませんが、購入後に商品の扱い方が分からなくなった時に困ります。

最後のデメリットとして、バルク品は簡易包装のため、商品の運搬中に壊れる可能性もあります。また見た目が整っていないため、購入意欲がそがれるということもあるでしょう。

業界別「バルク」の使い方とは?

「バルク品」の「バルク」という言葉はさまざまな業界で使われています。食品業界や薬品業界、アパレル業界でも使われていますし、包装の種類や筋トレでも「バルク」が使われています。そこでいろいろある「バルク」の使い方の一部を紹介します。

食品業界の「バルク食品」

食品業界で使われる「バルク食品」とは業者向けに販売される大量仕入れ向けにひとまとめにされた食材のことです。パッケージされる前の豆類などがバルクとして輸入されます。また瓶詰めされる前のワインが150L以上のタンクに詰められて輸入されるものをバルクワインと呼びます。

医療業界の「医薬品バルク」

「医薬品バルク」とは薬物を加工して服用できる状態になった薬で、まだ販売用にパッケージされる前の製薬です。

車業界の「バルク車」

「バルク車」は「粉粒体運搬車」とも呼ばれ、タンクになっている荷台のなかは細かく分けられているので、種類の違う粉粒体を積載することができます。家畜の飼料やセメント、薬品の運搬に使われています。

アパレル業界の「バルク」

アパレル業界で使われる「バルク」とは洋服の「量産品」のことです。また量産品を製造することを「バルク生産」とも言います。

「バルク包装」とは簡易包装のこと

「バルク包装」とは消費者向けの包装ではなく、生産された商品が壊れないように搬送目的で包装される簡易パッケージのことです。業種に関わらず、あらゆる製造業で使われています。

筋トレの「バルクアップ」

筋トレで使われる「バルクアップ」とは「筋肉量を増やすこと」です。筋トレに加えて摂取カロリーのバランスを意識した食事などを取り入れて筋肉量を増やします。

まとめ

「バルク品」とは「小売りされたパソコン部品」のことで、正規品として製造されたものの在庫処分品のため安く購入できるのが特徴です。また「バルク」という言葉は「バルク食品」や「医薬品バルク」など様々な業界で使われています。

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「難解なワードでもわかりやすく」をモットーに、常識ワードからビジネス用語、時には文化・アート系など、幅広く記事を書かせていただいています。ドイツ在住で2児の母。好きな食べ物はビターチョコレートとナッツ類。