「よろしくお伝えください」とは?返事や丁寧な言い換えも紹介

プライベートでもビジネスの場でも「よろしくお伝えください」という表現、何気なく使うことが多いでしょう。しかし使用頻度が高いわりに、目上の人に言ってもいいのか、言われた時にどのように返事をすればよいのか、迷うことが多くないでしょうか。ビジネスシーンで迷わないよう、敬語や返事も交えて解説します。

「よろしくお伝えください」の意味と使い方とは?

「よろしくお伝えください」の意味は”よろしいようにお伝えください”

「よろしくお伝えください」の意味は、“私の示した好意をよろしいようにお伝えください”ということです。つまり、どのように伝えるのかはあなたの判断に任せますので、私の示した好意を伝えてくださいね、という意味なのです。

「よろしく」には複数の意味がある

「よろしく」は漢字では「宜しく」と書き、さまざまな場面で用いられる便利な言葉です。あるいは、さまざまな場面であいまいに用いられる便利な言葉、とした方がよいかもしれません。そのため複数の意味がありますが、ビジネスシーンで用いられる「よろしく」の意味については、次の三つの意味が一般的です。

  1. 相手に何かを頼むときに添える「よろしく」 ⇒「よろしくご指導下さい」「君の判断であとはよろしく頼む」
  2. 問いに対してのYESの意味で使う「よろしく」 ⇒ 「(承知しました)よろしくお願いします」
  3. 別の人に好意を伝えてもらう時に使う「よろしく」 ⇒ 「〇〇さんによろしくお伝えください」

ビジネスシーンで最も頻繁に使用するのは、①の相手に何かを頼むときに締めの言葉として使う「よろしく」でしょう。「ご確認をよろしくお願いします」「ご返答をよろしくお願いします」「今後ともよろしくお願いいたします」など挨拶締めの言葉として定着しています。

別の人に好意を伝えてもらう時に使う「よろしく」の意味

今回は③の別の人に好意を伝えてもらう時に使う「よろしく」の意味を解説します。①、②の意味との違いは、その場にいない人に対して「よろしく伝えてください」とお願いしていることです。

③の意味は「別の人に好意を伝えてもらう時に使うことば」であるため、「〇〇さんによろしくお伝えください」を「〇〇さんに私が好意を持っていることを伝えてくださいね」と言い換えても同じ意味になるかというと、そうでもないようです。

「よろしくお伝えください」のビジネスでの使い方

それでは、どのような気持ちを伝えてくださいと言うのでしょうか。シチュエーションごとに例文を挙げて説明します。

  • 上司から奥様が用意したお土産などをいただいた場合に「奥様に(ありがとうございますとお礼を)よろしくお伝えください」
  • その場にいない取引先の相手の上司に対して「〇〇課長様に(ご挨拶の気持ちを)よろしくお伝えください」
  • 訪問先の会社を辞する際の挨拶として「皆様に(ご挨拶の気持ちを)よろしくお伝えください」

上記のように、直接会えなかった人に対して、直接会ってご挨拶したい気持ちがあることを自分が示していたということを伝えてほしい、どのように伝えるかはあなたにお任せします、という気持ちを表す表現です。

「よろしくお伝えください」の返事とは?

「よろしくお伝えください」の返事は”かしこまりました”

ビジネスの場で「よろしくお願いします」と言われた場合、どのように返事をすればよいか、一瞬考えてしまうという人も多いかもしれませんが、この場合「お伝えください」とお願いをされているので、「かしこまりました」「承知いたしました」と了承したことを示す返事をすれば大丈夫です。

「ありがとうございます」と添えましょう

また、自分の身内にお気遣いをいただいたことに対して、「承知いたしました。ありがとうございます。/お気遣いありがとうございます」とお礼も添えられるとよりよい返事となります。

「よろしくお伝えください」の敬語表現とは?

「よろしくお伝えください」の敬語と丁寧な言い換え表現

「よろしくお伝えください」はビジネスや目上の方にも使える敬語表現ですが、相手との関係性や状況により、よりていねいに言った方がよい場合があります。次のような言い回しや言い換えがあります。

  • よろしくお伝えくださいませ
  • よろしくお伝えくださいますようお願いいたします
  • よろしくお伝えいただきますようお願い申し上げます
  • よろしくお伝えいただければ幸いです
  • よろしくお伝えいただければ幸いでございます

「よろしくお伝えいただければ幸いでございます」がもっとも丁寧

特に地位の高い人に「よろしくお伝えください」と言いたい場合、その人の部下に伝えてほしいというのであれば、場合によっては失礼にあたることもあります。社交辞令で言ったつもりでも、形式としてはことづけをお願いしている形になるので、伝言を頼むとは失礼な!と受け取る人もいるかもしれません。

そのような場合は「よろしくお伝えいただければ幸いでございます」と、柔らかな言い換え表現を用いるとよいでしょう。

まとめ

「よろしくお伝えください」はその場にいない人に対して、気遣いを表すことができる便利な挨拶の言葉です。そのように言われたら「お気遣いありがとうございます」とさらっと返事ができると素敵ですね。また、状況に応じてより丁寧な言い換えもできるよう、日ごろからしっかり準備しておくとよいでしょう。