「適性試験」とは?就活で使われる試験の種類や適性検査との違い

「適性試験」とは就職採用試験や公務員試験でも取り入れられている試験で、受験者の性格や能力を判断するために行われています。今回は「適性試験」の意味と似た言葉である「適性検査」との違い、適性試験の種類やSPI検査やYG検査などの代表的な適性検査を解説し、最後に適性試験が行われている様々なケースを紹介します。

「適性試験」とは?

「適性試験」とは”受験者の適性を判断するためのテスト”

「適性試験」とは、“受験者の適性を判断するためのテスト”です。「適性検査」とも呼ばれます。適性検査により、受検者の性格や適性、学力や能力を判断します。

企業の採用試験のひとつとして適性試験を課している企業は多いのですが、運転免許の取得試験でも運転の技術以外での適性を見極めるために適性試験が行われています。

「適性試験」と「適性検査」との違い

適性検査と適性試験が混合されて使われることがありますが、厳密には違います。適性検査は単純な質問に回答し3択などの形式が多い一方で、適性試験はしっかりと考えさせて問題が出題される傾向があります。

公務員試験では適性検査と適性試験を区別している場合もありますが、多くの会社の採用試験では、適性試験のなかで適性検査を行っているのが実情です。

適性試験の適性検査の種類とは?

適性試験で行われる適性検査には、大きく分けて「性格検査」と「能力検査」の二つがあります。

「性格検査」とは性格を知るためのテスト

「性格検査」は心理テストの一種で、面接ではわからない受験者の性格を見るものです。

複数の条件文から当てはまっているもの選び出すタイプの問題が主流です。似たような問題が出題されて、その正誤性から性格を判断します。

「能力検査」とは一般常識や論理力を判断するテスト

「能力検査」は学力試験に近く、一般常識や発想力、論理的思考力などが試されるテストです。

能力検査は対策ができる

性格検査に事前準備はできませんが、能力検査は問題集などを使った事前の試験対策で点数を上げることができます。

行われるテストに対応した問題集などを使い、語彙力や一般常識に関する知識を広げておくと高得点につながるでしょう。

採用試験で行われる適性検査とは?

適性試験で行われる適性検査にはたくさんあるのですが、中でも企業や公務員の採用試験で行われる代表的な適性検査を紹介します。

※すべての種類の適性検査については以下の記事で紹介しています。
「適性検査」の種類と選び方!118種類の一覧比較とお薦め3つ

SPI検査」は採用試験NO.1

企業の採用試験で行われる適性検査の代表格が「SPI検査」です。性格検査と能力検査に分かれていて、性格検査ではその人が業務内容や組織に向いているかを判断するために、人柄をするための検査です。人や物事などについて質問され、2択で回答します。

能力検査は「言語分野」と「非言語分野」で構成されて、言語分野では語彙力や読解力を試す日本語力を測るテストで、英語の問題が出題される場合もあります。

非言語分野は計算問題に加えて論理力が試されるような問題が出題されます。

受験方式は、自宅のパソコンで受験するWEB受験、専用の会場で受験するテストセンター受験、企業の指定された場所で受けるペーパーテスト式なら主にマークシート方式が用いられます。応募した企業内で受けるインハウスCBT方式もあります。

「玉手箱」はSPI検査に次ぐ採用試験

「玉手箱」はSPI検査に次いで採用試験で用いられることの多いテストです。WEB受験が主流で、試験は能力テストと性格テストに分かれています。能力テストでは、国語、算数、英語から出題されて、主に論理力が試されます。短時間でいくつもの問題を効率よく解いていく必要があります。

YG検査」は性格検査の代表格

性格検査で質問は全部で120問、時間は約30分です。「はい」「いいえ」「どちらでもない」からの3択で、素直に解いていくことでその人の性格が判断されます。

クレペリン検査」は計算問題のみ

正式には「内田・クレペリン精神検査」で、精神面での安定度を検査します。一桁の足し算だけで前半15分、後半15分行い、間に5分間の休憩が入ります。回答のスピード性と正確性から、集中力や精神的な安定度が判断されます。

適性試験が行われるさまざまなケースとは?

転職・中途採用者に行われる適性試験の役割

転職により中途採用者に行われる適性試験は、社会人としての常識を試すだけでなく、企業が募集している職種が限定しているため、その人材がその職種に合った人物像と一致しているかどうかの判断基準として行われます。

主に行われる適性検査は、SPI検査や玉手箱、YG検査、クリペリン検査などがあります。

公務員試験の適性試験

公務員の適性試験では、教養問題に加えて計算問題などで問題は120題で、試験時間は15分です。事務処理能力を確かめるテストなので、一般職や総合職に志望者に課せられますが、専門職、技術系の職業では課されません。

一方、性格検査としての適性検査は幅広い職種で行われています。代表的なものはSPI検査、YG検査、クレペリン検査などです。

筆記試験で看護婦としての適性を判断

病院の採用試験や看護学校の入学試験で、適性検査が行われることがあります。看護師は人と関わり合う仕事のため性格的な偏りがないかどうかを判断するために行われます。

その際に用いられている主な試験は、YG検査やクレペリン検査、SPI検査などです。

運転免許の適性試験

運転免許の取得および更新時に適性検査があります。事故防止のために視覚、聴覚、判断能力を確かめるための運動能力の三つの検査があります。すべての検査の合格基準に達しなくては、免許の取得・更新はできません。

法科大学院では適性試験は中止

弁護士、検察官、裁判官の法曹を養成するための大学院「法科大学院」では大学創設以来、入学者の選考試験のひとつとして適性試験を採用してきましたが、2017年度より適性試験は行われていません。適性試験を廃止したわけではありませんので、入学希望者は適性試験の有無を確認しましょう。

まとめ

「適性試験」とは性格や適性能力を判断するためのテストで、主に会社の採用試験や公務員試験、運転免許書の取得や再更新時に行われています。代表的な適性検査には、SPI検査、玉手箱、YG検査、クレペリン検査などがあります。

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「難解なワードでもわかりやすく」をモットーに、常識ワードからビジネス用語、時には文化・アート系など、幅広く記事を書かせていただいています。ドイツ在住で2児の母。好きな食べ物はビターチョコレートとナッツ類。